紙の本
満足でした
2022/11/07 09:49
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投稿者:kotep - この投稿者のレビュー一覧を見る
食品メーカーに勤める周作はシングルマザーの紫織と結婚することを父に報告する。すると父から約300万の入った通帳を渡される。そのお金は父が貯めたものではなかったので、誰が貯めたものかが気になった周作は母ではないかと考える。そして周作は過去を調べ始めると、そこには驚愕の事実が・・・・・。
この作者の作品は初めて読んだのですが、非常に良かった。周作と距離を置こうとする皆瀬さんの気持ちが痛いほどわかりました。また周作や紫織が皆瀬と家族ぐるみの付き合いが始まったことに感動しました。
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母親は幼い頃に亡くなったということで、父子家庭として育った周作。28歳になり、結婚を目前に控えていたが、突然父親が脳梗塞で倒れた。今も昏睡状態だったが、倒れる前、父親から通帳を託されていた。誰から送金されたのか?不明のまま倒れたので、周作は父親について調べることにした。
すると、25年前の傷害致死事件にたどり着いた。被害者は周作の母。犯人は母の不倫相手⁉︎病気で亡くなっていたと思ったのに母は殺されていた。
衝撃の事実を知ることになった周作はその後も事件の真相を探っていく。そこで見えてくる本当の真実とは?加害者は今どうなっているのか?
内容だけ見ていくと、ミステリー小説なのかなと思いましたが、結果としては涙を誘う家族小説でした。
今まで知らなかった両親の秘密と加害者の男の秘密を知るようになるのですが、ただただ切なかったです。もっと他に何か方法があったのではと思えてなりませんでした。
偽りの真実を知って育った周作が、本当の真実を知るようになっていきますが、その過程での心の揺れ動きが丁寧であり、切なすぎると思いました。
また、加害者の男の心理描写も辛すぎるなと思いました。背景となる家庭環境が故に犯罪を犯す加害者の姿に、「なんでこうなっちゃったんだろう」と悔しさが込み上げてきました。
そしてその経験を味わった分、その先に見える「家族」になることの幸福や大切さを感じました。優しさがあふれる雰囲気でじんわりと心に染み渡りました。
ちなみに表紙に描かれている食べ物ですが、野菜たっぷりでうずらの卵をのせた塩ラーメンです。これが物語において、周作と加害者をつなぐ食べ物となっていますが、内容を知ることで、ブワッと涙を誘ってくれました。
それぞれが悩みを抱え、それぞれが答えを出していきますが、全体としてほわっとした雰囲気で優しく包み込むような物語でした。
周作の恋人の子供についての問題はまだまだ続きそうですが、とりあえずは周作の物語が、ひとまず集結して良かったなと思いました。
これから、今までの空白の時間を埋められればと思います。
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父が倒れた意識を失くしそこから自分と父の過去を調べ始めた周作。結婚を考えている紫織とその娘の真結とのこと、過去を遡り思い出す一人の男性のこと。それぞれとの付き合いの中で見つめる自分のことや家族の形。気負いや迷い、不安。それを軽くしてくれるのも家族。取るに足らないことから大きな出来事まで色々とあるけれどその都度支えてくれる人がいることは尊いし素敵。血のつながりとかそういうものを越えて家族になろうとする周作たちの希望が読み手にも届く。それにしても作中に出てくるウズラの卵ののったなんてことのないラーメンがとても美味しそう。
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父子家庭の息子、シングルマザー、身寄りのない青年。
両親がいて、子供がいて、という家族像に少なからず思考を翻弄されている彼ら。でもそのことと背中合わせのように、幸せな時間をたしかに過ごしている、と描かれているのが良かった。
皆瀬がとった、"子供を守るため"の行動は正直ちょっと現実感がうすかったけど・・・血縁の強さを乗り越えて、大事な存在に手を差しのべられるというのは、勇気があることだなと思う。
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めちゃくちゃ良かった~♪♪
青春小説で爽やかなイメージの額賀さん。
最初はミステリー?と思いながら読みすすめ、どうなるんだろう…って思ってたけど、最高の家族物語でした!!
いっぱい感情を揺らし、ラストは温かいもので心が満たされました。
「正義」とは誰にとっての正義なのかーー。
真実より正義より、もっと守りたいものがある。
少しずつ明らかになっていく真実。
決断に込められた想いの強さ、愛情に涙が止まらない…。
激しく感情を揺さぶられ、読後は軽い放心状態。しばらく余韻に浸りました。
表紙を眺め、表題の意味を噛みしめる。
素敵な作品に出会えて幸せな気分でいっぱいです。
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( ꈨຶ ˙̫̮ ꈨຶ ) 泣いちゃう…
お父さんから渡された通帳になにか引っかかる気がして 調べだす。自分の過去があきらかになるんだけど、まだなんか 引っかかる…
このあたりからいつもなら、ゾワゾワしてくるはずなんだけど、そうでもなくて 良い終わり方を期待してまして みんな幸せになって欲しいっておもいながら最後まで読みました。
みんなやさしいです。
サッポロ一番塩らーめん おいしいですよね
(๑´ڡ`๑)
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私がずっと大好きな脚本家に坂元裕二がいる。彼のドラマでずっとテーマになっているのは、「血がつながっていれば家族なのか?」ということ。血がつながっていても「家族」とは呼べない関係もあるし、血がつながっていなくても、たとえば一緒にご飯を食べた回数だけ、家族に近づいていくということもある。本著を読んで、改めてそれを考えさせられた。
読み始めはミステリー風味で、完全に癒しを求めて読み始めた私は、あれ、ちょっと違ったかな?と思ってしまったのだけれど、読み終えてみれば、まごうかたなき「家族小説」だったなと。
ちょうど休日のお昼ご飯に、『きのう何食べた?』のケンジの味噌ラーメン(サッ○ロ一番。野菜たっぷり!)を食べたあとに読んだのだが、この本を読むと今度は塩ラーメンが食べたくなる!
『泣いた赤鬼』をほんのり思い出したが、青鬼さんも幸せになれたようで嬉しかった。
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初めて読む作家さん。
タイトル&表紙から、違うストーリーを想像してた。
普段読む、ドロドロ系の本とは違い、素直な展開。
どこかでどんでん返しが来る?と期待しながら、想定通りで読了。
うーん、一人の大人がとる選択肢としてはないなあ、と違和感があるのと、自己犠牲のこれでもか、感が苦手でした。
若い方が読むと、違うみたいですね(笑)
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幼少時代に育った環境と元々の性格にもよるけど、こんなにも、血の繋がりのない家族にさえ愛情を注げるものなのかと思いました。
血の繋がりがある家族に対しても自分の親には冷たい態度をとってしまったり、子どもにはきつく当たってしまったりしている自分に情けなく、反省させられました。
家族を大切にしたいという思い、誰かを大切に思う気持ちって素敵だなとも。
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ウズラの卵が料理に入ってると、何か知らんけど最後まで残して大切に食べてしまう。ごほうびというか当たりというか、そんな存在。途中ハラハラする部分はあったけど、大切な家族が見つかってよかった。
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主人公はとても誠実な人なのだと感じた。
態度や言葉、評判だけで人を判断すること無く、みえない部分を理解しようと思い、行動することが凄いと感じた。そのような人だからこそ、他人であっても家族のような愛しい関係を築く事が出来るのだろうと思う。家族がいるのがあたりまえに思ってる私だが…とりあえず、美味しいと言ってもらえるような夕飯を作ろうと思った。
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Audibleで聴了。
父から手渡された通帳の振り込み人の正体。
そして、幼くして母がいなかった理由。
つぎつぎと明らかになる真相にどんどんのめり込んでいく。
周作がその渦中に入っていくことは、
彼が苦しむことになるんじゃないかと思ったけど、
終わってみれば、真相をしれて、この結末でよかったのだと思えた。
ミステリも人間関係も合わせた本だったな。
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良かった❢
大号泣(TT)
主人公は28歳の男性なのに気持ちがすごく分かった。
感情移入しまくりだった。
表紙とタイトルと紹介分野がミステリーだったから
どんな内容なん?と思って手に取ったが、あ〜、
ウズタマの意味となぜ表紙が塩ラーメンなのか
分かった。
家族のあり方、求める気持ち、どれも共感できた。
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優しい言葉を発する
同じ意味でも優しい言葉を発する
心がけたいと思った。
読みやすいし、
結末気になってサクサク読めるんだけど、
殺したことを相手に補完してもらうのいかんやろ
とか、
子供の誘拐あかんやろ、
いいタイミングで皆瀬さんでてきたな〜
という感じ。
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ウズラの卵 こんなにも美しく、優しい物語ありがとう、こちらこそだよ。あの事件の時に真っ先に考えたのは周作を自分と同じ親のいない子供にはしない事で、何より家族だからこそ行き着いた 。物凄い嫌な解決方法だけど、最後に一緒に水族館行けてこれからも繋がる家族なんだなと思ったら心から嬉しく思ったよ。でもこんな簡単な感想文では申し訳ない位に職場を転々として恋人に打ち明けたら倍返しされて、本当のお母さんにも会っていたんだな~って。出だしから皆瀬を追って行くだけのサスペンスと疑ってたら麻結ちゃんに紫織にグッと近付けたし、ウズタマのタイトルが素敵でした。額賀澪さん直ぐに読まなきゃって事