「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
商品説明
【林忠彦賞(第30回)】山手線の外側の街の、行き場を失ったかのような人の流れ。深夜に新宿、渋谷などの駅構内で眠る若者。相互監視の強化された神経質な社会…。2020年から2021年まで、コロナ禍の東京の街並みを切り取った写真集。【「TRC MARC」の商品解説】
マスクと自粛に覆われ、
「匿名化」していく街と人。
写真家・初沢亜利はパンデミックの中、
東京を彷徨い撮影を続けた。
北朝鮮、被災地東北、沖縄への撮影の旅から
帰還した彼の目が捉えたのは、
巨大な権力都市の姿、
そして右往左往する我々の「自画像」だった――。
史上稀な危機下で営まれる
東京の日常、人間模様。
次世代に残すべき全168カット。
<後記「東京の自画像」より抜粋>
2010年からおよそ10年、
北朝鮮、被災地東北、沖縄と廻り
4冊の写真集を制作した。
東京から見渡した際の
周縁をめぐる長い旅のようだった。
その過程で見返す東京という土地は、
巨大な権力都市に見えた。
東京目線の権力性は、
自身の眼差しそのものではないかと
自戒する年月でもあった。
長旅を終えた私が次に撮るべきは、
幼少期より居住し、今なお拠点とし、
半ば同一化している東京ではないか。
しかし、そこには自身の内面を覗き込むような
不快さがあり、気が重かった。(略)
2016年から2018年にかけて、
政権が移行した北朝鮮の変化を写した。
2019年後半は
民主化運動に沸く香港も3度撮影した。(略)
居住地をスナップするためには、
日常的にカメラを持ち歩き
写真脳を常にオンにしておく必要がある。
2019年末からウォーミングアップ期間に入り、
年始から意識的に都内を徘徊した。
心身ともに街へのアンテナを張る体勢が整った頃、
コロナ禍に突入してしまった。
2020年は56年振りに
オリンピックイヤーを迎えるはずだった。
1964年のような
高度成長期の高揚感はないものの、
インバウンドに拍車がかかり、
観光産業をバネに日本経済再浮上を夢想した
日本人は少なくないだろう。
春になれば、オリンピックへの
カウントダウンをメディアが煽りまくり、
国民はいつしか
漠然とした高揚感に包まれたことだろう。
空気のように押し流される群衆心理に逆らえず、
オリンピックを喜ばなければ
非国民であるかのような同調圧力も
生じたかもしれない。
オリンピック開催により
東京がどう脚色されるか。
様々な日本人像も垣間見られる
この機会にタイミングを合わせ、
撮影を開始したはずだった。(以下、略)【商品解説】
著者紹介
初沢亜利
- 略歴
- 〈初沢亜利〉1973年フランス生まれ。上智大学文学部社会学科卒。第13期写真ワークショップ・コルプス修了。写真家。日本写真協会新人賞等受賞。著書に「沖縄のことを教えてください」など。
関連キーワード
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
寂しさが詰まった写真集
2023/03/01 18:26
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
写真集は2020年2月のガイアモンドプリンセス号の客室を外から撮った写真から始まる、対岸の火事と思っていたのに、まさか、こんなことになるとは。五輪は延期され、無観客で開催され、外国人は入国せず、一部の広告代理店が潤っただけ、そんな寂しさが詰まった写真集だ