- 販売開始日: 2022/06/17
- 出版社: フィルムアート社
- ISBN:978-4-8459-2111-9
テーマからつくる物語創作再入門
もう「中身がない」とは言わせない!互いに関連し合うストーリーの「三大要素」最後のピース、テーマについて徹底的に掘り下げたありそうでなかった執筆指南書。小説、映画、マンガ、...
テーマからつくる物語創作再入門
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
商品説明
もう「中身がない」とは言わせない!
互いに関連し合うストーリーの「三大要素」最後のピース、テーマについて徹底的に掘り下げたありそうでなかった執筆指南書。
小説、映画、マンガ、演劇、ゲーム、アニメーション……あらゆる物語が輝き出す。
プロットとキャラクターを一生懸命に考える人は多いのに、テーマが置き去りにされがちなのはとても残念なことです。
これまでテーマは、その創作法を習得することはもちろん、深化させるためにどう語ればいいのかさえ難しいと考えられてきました。しかしテーマがストーリーにおいてどのような機能を持ち、プロットやキャラクターにどのような相互作用を及ぼすのかを理解することができれば、「テーマとは曖昧なものだ」という考えと決別することができます。
テーマとは、ストーリーに統一性をもたらす着想や題材であるためプロットやキャラクターはテーマと無関係ではありません。テーマが定まっていないストーリーでは「プロットとキャラクターはいいけど、ストーリーとしては駄作」と言われるのがオチですが、優れたストーリーではこれらの三大要素が一体となって共生しています。
本書はテーマの役割や機能について、プロットやキャラクターとの関係についてじっくりと解説しています。小説や映画だけでなく、マンガやゲーム、アニメーションなど、さまざまなジャンルにおいて自分で意識的にテーマを構築できるようになる、ありそうでなかった実践的創作術です。
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
小分け商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この商品の他ラインナップ
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
テーマの「考え方」「描き方」を順を追って解説している
2022/04/14 10:47
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:lila - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者の本は『アウトラインから書く~』からすべて読んでおり、どれもどの技法書よりわかりやすく、悪く言えば型に当てはめようとし過ぎている部分もありますが、最も参考になっています(また翻訳も分かりやすいです)。
本書では、曖昧な解説がされたり書く事を否定されるテーマに関して、「そもそもテーマとは具体的に何か?」というテーマに対する認識の仕方や、「プロットとキャラクターと関連付けてどう描けばいいのか?」という技法が段階的に書かれています。
私自身、今まで何冊も技法書を読んできて、プロット、キャラクター、テーマはどれも相互に作用すると考えているので、本書で著者がこれらを「三位一体」を表現した事がとてもしっくり感じました。
「教訓を説く」のではなく「プロットとキャラクターを使って、暗喩でテーマを"描写する"」という考えから、テーマそのものから考えるというよりは、テーマを主観にしてプロットとキャラクターを行ったり来たりして考える内容になっています。そのため、著者の今までの技法書を読んだりしてプロットとキャラクターの知識を持っていないとイメージがわきづらい部分がありますが、「テーマとは何か?」という認識の仕方から始まって、「どのようにキャラクターからテーマを生み出すか」「敵対者や脇役はどのように生み出すか」という事が、段階を追いながら論理的に書かれていて理解しやすいです。また箇条書きや質問形式で書かれている事で、整理しながら理解しやすくなっています。
引用作品も邦訳されている小説や映画ばかりですし、「マーベル・シネマティック・ユニバース」など最近のエンタメ色の強い作品も多く引用されていて、現代人向けの内容になっています(ただ著者の考えとしてはエンタメ色の強い作品には否定的な模様)。
一方、あらゆる要素を細かく定義付けしているため、柔軟に考えづらいです。『キャラクターアークからつくる~』から、一般的に正しい事や大義名分を「真実」や「NEED」、それと反対の事を「嘘」や「WANT」と表現している事も腑に落ちないし、この通りに作ったらキャラクターひいては作品独自の声は作れないと思います。「真実チャート」の例も大義を元にしているように見えるため独自の声が感じられず、テーマ視点で見た時に「?」が浮かぶ点も多く、説得力に欠けます。「1つのテーマについて立証or反証する」と書かれていたり、「WANT」が悪いものでない場合も、「NEED」が良いものでない場合もあるとは書かれていますが、それならもう少し柔軟に考えられる解説の仕方があるはずです。
引用作品の解説に関しても、今までの本でもそうでしたが、著者の技法に合わせようとこじつけているように感じられる部分があり、一般人のように何も考えずに見た時に感じる事と乖離しているように感じます。
付録のアークの構成は三幕構成とほぼ同じであるものの、解説はやはり実際の映画などに当てはまりづらく、机上の空論という感じがします。こうした点は冒頭にも書いたように、技法の型に当てはめようとする悪い部分が出ていると思います。