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商品説明
巨大石窟造営の原動力は何だったのか。国家事業である大型窟とは異なり、皇帝以外の人々が発願し造像した中小窟龕を通して、雲岡石窟の全体像に迫る。写真も掲載。【「TRC MARC」の商品解説】
雲岡石窟といえば、国家権力を背景として周到な計画に基づいて造営された10mを超える巨大石窟が印象的だが、もう一つ、皇帝以外の人々によって個別に発願されたとみられる膨大な数量の造像も存在する。これらの、皇帝勅願の大規模石窟、あるいはその窟内を統一的に構成する計画とは一線を画すように見える造像群=中小窟龕を丁寧に整理・分析することにより、雲岡石窟全体の造像およびその展開に関する問題解決を目指す意欲的研究の成果。
* * *
筆者は雲岡石窟の中小窟龕を通して、北魏時代の人々が前代未聞の巨大事業にどのように参加し、どのような過程を経て石窟空間をより内容豊かなものへと発展させたのか、そして494年の洛陽遷都によって造像活動が完全に民衆らの手に委ねられた後、人々が発願した窟龕にはどのような共通点があり、どのような空間を造ることが理想とされていたのか、そしてそれを実際に彫刻したのはどのような人々であったのか、つまり全体として、石窟造営の実態や膨大な造像が制作された原動力を理解することに少しでも近づくことができるのではないかと考えた。(「序論」より)【商品解説】
目次
- 序章
- はじめに
- 1 雲岡石窟の概要
- 2 雲岡石窟における中小窟龕の概要
- 3 研究目的、方法、本書の構成
- 第1章 曇曜五窟開鑿期の仏龕
- はじめに
- 1 研究背景、諸定義
- 2 開鑿期の仏龕の所在(1)
- 3 開鑿期の仏龕の所在(2)
著者紹介
熊坂 聡美
- 略歴
- 〈熊坂聡美〉1986年生まれ。筑波大学大学院人間総合科学研究科博士後期課程修了。成城大学民俗学研究所研究員・成城大学非常勤講師。博士(学術)。
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