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紙の本
鬼女の顔 (双葉文庫)
著者 蓮生あまね (著)
【小説推理新人賞(第36回)】狂乱し鬼と化す女。名桜を愛でる老貴族を襲った災難。暗躍する南朝の残党…。応仁の乱前夜、不穏な空気をはらみつつ華やぐ京都で、若き天才能楽師と訳...
鬼女の顔 (双葉文庫)
鬼女の顔
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商品説明
【小説推理新人賞(第36回)】狂乱し鬼と化す女。名桜を愛でる老貴族を襲った災難。暗躍する南朝の残党…。応仁の乱前夜、不穏な空気をはらみつつ華やぐ京都で、若き天才能楽師と訳あり弟子が、混迷の時代に渦巻く人間模様に挑む。〔「去にし時よりの訪人」(2019年刊)の改題,加筆修正〕【「TRC MARC」の商品解説】
若き能楽師とその弟子が応仁の乱前夜の京都で人々の心のなかの鬼が生む事件に立ち向かう――。選考委員の絶賛のもと、第36回小説推理新人賞を受賞した表題作のほか、混迷の時代を生きる人々を活写した衝撃のデビュー作、待望の文庫化。【商品解説】
第36回小説推理新人賞を受賞した表題作ほか、室町の世で起きる事件に挑む歴史ミステリー。【本の内容】
収録作品一覧
鬼女の顔 | 5−63 | |
---|---|---|
桜供養 | 65−120 | |
去にし時よりの訪人 | 121−341 |
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紙の本
室町時代は面白い
2022/06/13 06:24
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
公家武家のみならず庶民の意識・社会構造の大転換点であった室町時代を背景に、洛中での事件を追った時代劇ミステリーであった。応仁の乱の直前と思われる頃、洛中の街を想像しながら読む物語は楽しかった。観世座の若主人、その一座のの謎の若き主人公など、少しわかりにくい人間関係が、物語の深みを形作っていると思う。現実世界はあやふやだからこそ、人は分かりやすい物語を求め信じたがるのは、人間の性なのだろう。どの人の心にも鬼が棲むとすれば、自らの悪行を都合よく心を塗り替えるか。
電子書籍
動乱の時代の中で
2022/06/05 06:49
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:藍花 - この投稿者のレビュー一覧を見る
時は応仁の乱の前夜、京の都では土倉(高利貸し)が襲われる事件が続発する。
ある夜、申楽の観世座は将軍の弟である高僧を接待する宴に興を添えていた。その裏方をしていた那智は、近くで起きた人斬りの疑いで牢に入れられてしまう。その夜、また土倉が襲われていた。
観世太夫の末弟・小次郎は那智を救い出すため探索を始めるが…
室町時代を舞台にした連作中短編のミステリーです。
表題作は般若の面の由来にまつわる話ですが、メインは那智が巻き込まれた殺人と土倉襲撃事件「去にし時よりの訪人」です。
南北朝の動乱と応仁の乱の狭間で、それぞれの背景を持った登場人物たちが、それぞれの視点から物語を紡いでいきます。
登場人物が多く、物語の視点も変わりながら進んでいくので、読むのはちょっと大変です。真相もすべては語られないので、歴史と同様に読み手の解釈に委ねられる部分もあります。その点で、好き嫌いは分かれるかもしれません。
でも、わたしは興味深く読むことができました。この時代にさらに興味を持ちました。