紙の本
結局のところ...
2024/01/31 21:39
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投稿者:氷狼 - この投稿者のレビュー一覧を見る
結局のところ...な部分はありますが、それ以降を書いてしまうと?
それでも書いてもらえるとスッキリした部分もあるかとも。 ここで終わるから、その余韻で作品が成立するとは思いますが。
個人宅用風力発電器フウジンWP1。
しかし、それは低周波音を発生させる欠陥品で、一部の人たちは、その影響で慢性的な頭痛を抱えることになる。
それにより、仕事を続けられなくなった者、恋人を失った者、受験生だった息子を喪った者、生まれるはずだった子供を喪った者。
開発した会社に努勤めていた弟を喪った者、パワハラで辞めさせられた者など、様々な理由で開発した会社、フウジンブレードに恨みを持つ者たち。
彼らに加え、悪徳業者に制裁を加え、悦に入る者。
彼らが集い、フウジンブレード幹部3名の殺害を目論む。
順調に滑り出したかに見えた、復讐殺人計画だが、あることから歯車が狂い始める。
次々と転がり出る仲間の死体に復讐者たちは...
犯人は一体? その目的は?
最後までさっぱり分からない犯人とその動機。
分かってみれば、そうかとも。
復讐者の論理か。
割と楽しめたかな。
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復讐のために集まった10人の男女。
そのクローズドサークルの中で起こる殺人。
擬銀暗鬼の中、話合いで謎を解く展開がスリリング。
ああいうラストも嫌いじゃない。
理屈重視はいかにも石持さんだし。
でも、単行本の時のタイトルのほうがしゃれてるような。
なんで変えちゃったのかな。
っていうか、単行本で積んであったのに文庫版を買ってしまった負け惜しみw
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復讐の為に集まった10人が次々と殺されていく…犯人は誰なのか?目的は何なのか?
敵か味方か、誰を疑い信じるのか。
二転三転する展開に目が離せなくなり、一気読み。
殺し屋シリーズが面白かったので手に取ったのだが、石持浅海さん、他にも読みたい。
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碓氷優佳シリーズの石持さんの新作。
復讐という目的で繋がっていた男女10人が仲間の死(しかも殺人)という出来事からその繋がりが崩壊していくという物語。
今回もやっぱり面白かった!
石持作品の特徴として、クローズドサークルの中での連続殺人でトリックなどのたぐいを殆ど出さずにその人の言動からロジックを積み重ねて真相に辿り着くので、その分ワイダニットに集中できるというものがある。今回もトリックという物はあまり使われず発言などから矛盾を見つけていくというスタイルであるため、非常にスッキリとまとまっている作品だと思いました。
復讐という一種の異常心理な状態だと、集団でやるとこんなにも簡単に崩壊してしまうのだなと感じた。実は素性を隠している人がいたり、ある人の印象が人によって違っていたりなど、その人の持つ秘密によってそのチームワークがドミノのように崩壊していく所がとてもリアルで恐ろしかった。
そしてラストのどうなるのかわからない感じが石持さんらしいなぁと、復讐が達成されたかどうか想像になる所が引きとして素晴らしかったです。これがあるから石持作品は辞められない。次も読みます。
この作品をアニメ化した際の声優陣を自分なりのキャスティングしてみたので読む際に参考にしてください(敬称略)。
高原絵麻:古賀葵
雨森勇大:下野紘
江角孝人:三木眞一郎
諏訪沙月:ファイルーズあい
花田千里:戸松遥
菊野時夫:畠中祐
奥本瞳:水樹奈々
吉崎修平:杉田智和
福王亜佳音:石見舞菜香
一橋創太:細谷佳正
笛木雅也:三宅健太
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ある企業への復讐の為に、今は使われていない会社の保養所「風神館」に集まった10人の男女。
何の説明もなく、一人目の復讐を成し遂げたシーンから始まるのも衝撃的。
一人目を計画通り殺せたことから、結束感が強まったと思えた10人だったが、翌朝、そのうちの一人が殺される。
9人となったメンバーは企業への復讐を続けるべきか、犯人探しをするべきか、議論になる。
しかし、その後も次々と起こるクローズドサークル内での殺人。
果たして、仲間と思っていた人間の誰が犯人なのか?
殺人シーン自体シンプルで、会話を中心とした心理戦なのが、やはり石持浅海ならでは。
碓氷優佳シリーズではないが、探偵役となる雨宮の存在がラストまで不気味。
心理戦がメインだし、犯人の動機はちょっと弱めだったので、読んでいて退屈に思う部分も。
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星3.5。
会社に恨みを持つ人間が集まって殺人を犯す。しかし、その後に仲間と思われるはずの人間が次々と殺されていく…。全く予想もつかない犯人に、ページを捲る手が止まらなかった。
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2022.5.13読了。
これぞ本格ミステリの王道と言える一冊。
ミステリにありがちな序盤の、お膳立てのような前置きや背景説明、人物紹介じみた会話は尽く省かれて1ページ目から唐突に作品世界に落とされる。
読者が巻き込まれるように作品世界に入り込まざるを得ない不安な感覚が、どこか登場人物達と共犯であるかのような錯覚を起こさせる。
後ろめたいような、薄らと漂う罪悪感。
凝ったトリックは一切なかったが、短時間のうちに立て続けに起きる事件に、息をつく間も無く犯人が誰なのか動機は何なのか、混乱していくのも臨場感があって良かった。
ただ登場人物が多いのにいまいち個性がはっきりしておらず、会話文でも誰のセリフなのか分かりにくかったりしたのが残念なポイントだった。
探偵役の雨森が一般人なのにどんどん話を進めていくのも少し違和感があり、もう少し説得力が欲しかった。
とはいえ全体的に一気に読ませるだけの魅力を持った作品。無駄(といえば言葉は悪いが)を排除して焦点を絞った構成が素晴らしかった。
ちなみに完全なる余談。
作品中、事件の舞台はゴールデンウィークの三日間。
ちょうど読んだのが5月で、「2日と6日を休めば10連休になる」という日周りが2022年と同じだったのが偶然にもリアルと重なってちょっと得をした気分になれた笑
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復讐のために手を組んだ10人。
閉ざされた風神館で見事標的の1人に復讐を遂げるが、仲間の1人が殺されたことをきっかけに疑心暗鬼に陥っていく。
ある推理で犯人を特定したと思ったら、別の推理で否定される。
動機すらも二転三転する。
生き残った全員が怪しいからこそ、結末が予想できなかった。
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石持浅海やっぱり好きです。
カフェでこの本読んでたら、店員さんに自分も読んでますって声かけられたのがウケた。
本っていろんなネタを与えてくれますね。
本屋に久しぶりに行ったときたまたま見つけて、あらすじ読んで一瞬で購入決定した。復讐のために集まった人たちの中に殺人犯がいる、ってもう最高よだれ出る。
クローズドサークルものが好きなのに、さらに心理戦が付け加わるなんて最高。
碓氷優佳シリーズが大好きだから、雑談と会話劇中心で真相に近づく展開が好きでたまらなかった。
ザックザク殺すし殺されるし、犯人はちょっぴり拍子抜けだったんだけど。
石持浅海の書くキャラは好きになれないんだけどね(笑)
淡々としててロボットみたいで、愛や体温をあまり感じない。
でもそれも好き。
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クローズド・サークルの作り方は相変わらず上手。復讐とはいえ殺人を犯した人たちが、自分たちが殺されるかもしれないという状況で警戒し推理を働かせる展開はなかなか面白かった。そして動機が弱いというのも相変わらず。でも、それでいい。石持浅海さんの本は論理的思考力思考ややりとりを楽しむから。
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外部からの出入りがない山荘なんて本格ミステリーの王道のような舞台設定ながら、復讐殺人を企てるメンバーが逆に次々と殺害されていくというトリッキーな展開。
復讐者という特別な精神状態のメンバーだからこそ通常では無い動機があるという設定は石持流推理合戦の絶好のネタですが、登場人物があまりにも簡単に殺人を受け入れるところに不気味さがあって好みではなかった。
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自らの手で殺人を犯したにもかかわらず、自らを殺しにくる殺人鬼が誰なのかと疑い合うところが少し皮肉?めいていて面白かったです。
館ミステリーですが、まさかの殺人者達が集まっている中で殺人が起きたのですから、警察に頼ることが出来ないというところが他の作品と少し違うところです。
館ミステリーが好き、クローズドサークルが好きという方には、お勧めします。
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フウジンブレードという会社が販売した家庭用小型風力発電機をめぐって被害を被った人たちが、会社上層部の人への復讐殺人のために集まった。
ところが、その仲間が次々と殺害されていく…。
という、心理的クローズドサークル(既に冒頭で開発者をひとり殺害しており、その先も復讐殺人を遂行するだに、仲間が死んでも警察や救急に通報することもできない)で起こる殺人ミステリー。
初めて読む作家さんだったけど、文章の表現が独特なところがあって、読んでて「ん?」とひっかかった。
特に、後頭部にアイスピックやナイフが刺さった状態の死体の描写がね。
「後頭部から木製の柄が生えていた」。
生えていたって…後頭部に刺さっていたではいけないのでしょうか…笑。
この表現3連続がツボで、思わず子どもにも「これ見てよ」と教えてしまった。
仲間の中に犯人がいる、犯人の目的は何なのか?という心理的サスペンス要素は薄めかな。
探偵役でもある雨森という男性は、あくまでも会社経営陣の殺人という目的を達成するために犯人をも利用しようという冷静さ。
犯人探しも「あの人があのときこう言ったから」という消去法的の口頭推理なのも、ミステリーとしてのドキドキ感が足りなく感じたなぁ。
映像化すればそれなりに良い感じになりそうだけど、小説として読んでいると誰がどんな言葉を述べたか?ということはあまり気にせず流し読みしてしまうんだよ。
特に、登場人物の個性が薄くて、雨森くんはよく覚えていたもんだな。
復讐とは、何に対する復讐なのか?誰に対する復讐なのか?敵と仲間は表裏一体。
そういうテーマは面白いと思った。
んー、最後の先はどうなったんだろう。
無事復讐を終えて、予定通り犯人に全ての責任を着せることができたのか?
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架空の企業が販売した製品によって、人生を壊された原告4人、製品とは別に同社に怨みを持つ4人、悪徳業者へ鉄槌を下す団体2人、計10人は、3人のターゲットを殺害する計画を建て、1人目を殺害するも、予想外の殺人が起きて・・・。
敵と味方、立場によって確かに移り行きます。
誰が犯人か?誰が誰を殺したか?
終盤はハラハラ、一気読みでしたが、登場人物が多く、ありふれた名前もある為、少し前半読みにくかったです。
後、殺害計画を建てる登場人物達に感情移入ができない為、登場人物達への思考回路がイメージしにくい点があります。
一方で、主人公達が殺人計画側、という設定の中に想定外の殺人が起こる展開は新鮮で面白かったです。
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数年前に一度読んでいたことを忘れていた作品。なので再度新鮮な気持ちで読めた。
密室やド派手なトリックなどはなく、論理的に所謂状況証拠で犯人を探す作品になっている。設定も面白く、続きが気になり、読みやすさも相まってあっという間に読み終わった。
個人的には、石持浅海先生の作品の中でも読みやすい作品の一つだと思う。