紙の本
決済を取り巻く世界と日本
2023/04/28 20:37
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投稿者:なないろ花 - この投稿者のレビュー一覧を見る
決済に関わる歴史、現代のグローバル勢力図と、キャッシュレス決済化進行中の日本の取り巻く環境を段階的に展開。決済はこれまでの金融機関だけのものではなくモバイル決済など決済手段が広がり、且つ複雑化しており、国際化、地理学も踏まえた思考も必要となってくる。世界の主要企業の事例や加盟店決済の仕組みなど、いまの決済ビジネスが描かれているので読んでいて面白い。
紙の本
面白い視点の本
2023/04/17 22:02
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投稿者:UMA1001 - この投稿者のレビュー一覧を見る
面白い視線の本で、最初の方は興味深く読ませてもらった。後半は少しうんざりした感じになり、読み飛ばした。
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決済とは何か?をまとめた本。400ページ強と多く、専門的な内容も多かったため、読み切るのにかなり苦労した。理解出来た部分は少なかったものの
、序章の決済の仕組み、考え方は分かりやすく、この部分だけでも理解が進んでとても良かった。
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「決済」というキーワードを中心に、現金やクレジットカードという馴染み深い決済手段の歴史、決済手段の地域性、決済ネットワークの構造、暗号資産など、多岐にわたる情報を網羅した本。
一度読んだだけでは全内容を取り込みきれないが、決済に関する情報を集めたいときには役に立ちそうな1冊。
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決済ってのは要はどういう商売なのよっていう主に銀行を中心とした話とか、種類とか、歴史とか、犯罪とか、もろもろまつわる話を詰め込んだ本という印象。
SwiftとかB2Bの話はあんまり興味持てなかったけど、クレジットカード、デビットカード、QR決済、現金決済、電子マネーとかのリテールの話は少し興味を持った。一見手数料がかかってないように見えても、どこかで手数料が発生して決済というビジネスは成り立っているのだということを意識してみるとよいのかも。
クレジットカードは加盟店手数料取るうえに、入会金・年会費取るとかなかなかなやつなんだなと認識を新たにした。
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なぜ今決済が成り立っているのか、決済を取り巻く課題と取り組みが何かの基礎がしっかりまとまっている本。
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強烈な内容量を持った本である。貨幣の起源に始まり、1950年代アメリカに始まる決済方法変遷の歴史とその仕組み、国ごとの決済習慣とそれらをネットワークする国際決済の仕組み、デジタル通貨をめぐる巨大テック企業や中央銀行の野望…あまりにトピックが豊富すぎて、一度で全てを消化するのが難しい。一番効率の良いのは、日常で疑問が生じた都度、当該部分を参照するという読み方になろうが、索引がついていないのと、書き振りが冗長なので辞書的な使用がしにくいのが残念。
ともあれ本書を読むにつけ感じるのは「国家のような権力主体が決済システム(≒通貨、金融)を成立させるのではなく、決済システムこそがそれを持つ主体に権力を生じさせるのだ」ということ。だとすると、巷間かまびすしい暗号通貨についてユーフォリックな一部の層が抱く「非中央集権国家的金融システムの可能性」という陶酔に、明白な定義矛盾が含まれていることになる。今次の仮想通貨取引所FTXをめぐる騒動を見ても、一部の人間に権力が集中しガバナンスも機能しなかったことが問題の核心であったことがわかる。やはり通貨、ひいては決済それ自体が必然的に権力を内包するシステムなのであり、権力を伴わない通貨などあり得ないということなのだろう。
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決済についての概要、歴史、エピソードで全体像を紹介した本だが、SWIFTの元CEOだけあって、極めて優れた類書でも第一に取る本になっていると感じる。
ほんとによく分かっている人の書いた本は、明晰で解りやすいという法則がこの本でも実感できた。
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すごく面白く勉強になりました。
日常生活の裏側にこれほど広大な決済の世界があることを知り驚きました。ロシア銀行のスウィフト除外や、中国、ケニアのモバイル化など、これまで点でしか見えなかった世界が、決済の全体像や歴史的背景を通して、線として理解することができました。ただやはり、個々のパートでは、「理解出来ていないなあ」と思えるところも所々あり、今後、ニュース等で関連する出来事があれば都度振り返り、理解を深めていきたいと思いました。
本書は、【世界は決済で回っている】ことを実感できるバイブル的一冊だと思います!!
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図書館新刊コーナーから。
「多分難しい本だろうな」と思いつつ、頭の体操に借りてみた。
割と最近にSNS関係の本と地政学関係の本を読んだためか、「決済方法は他にどれだけ多くの利用者がいるかにかかっている」というところと、「(決済方法の発展は)既存の基盤を利用し、それぞれが発展の方向性を左右した」というところは納得しながら読めた。
使えるところ・使っている人がいないと広まらないのは、SNSもそうだし、他の多くのこともそうだよなぁ。
発展方法に土地柄が出るのも、とても興味深い。
日本はしばらく現金決済が残っていくのかな。
後半はあまり興味が持てなくて読み飛ばしたけれど、他の知識を付けてからであれば、また楽しく読めるのだろう。
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日々行われている決済の裏側は壮大な世界と様々な思惑があることがわかった。
仕事で海外送金することがあるのでSWIFTの成立ちや信用状の面倒さは納得。
支払方法は国ごとに好みが異なることは興味深い。
そもそも決済とは、
負債を免除する方法。
決済の特性は、
リスク、流動性、慣習により影響を受ける。
非接触型、無摩擦決済は支払の心理的ハードルを下げるもしくは無くしてしまう。
決済の意味するもの、
現金という現物からデータへ移行することで勝者総取りの可能性がでてきた。
決済データ、技術は安全保障上武器にもなる。
決済方法の進化を見ると決済データが巨大テック企業に一極集中することは危うい。
他国の決済サービスに依存することは安全保障上の脅威となりデータを握るものがすべてを手にすることにも。
決済データまでもがSNS同様ソーシャルなものになることは一抹の不安を感じ、暗号通貨がリアル通貨に取って代わる時、国家はどうなるのだろうか。
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特に国をまたぐ取引について説明されている。
真正面から説明されているように思うので、知らない分野については分かりやすいとは言いづらいものの調べながら読める範囲か。
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タイトル通り、決済についての本。
お金のやりとりというのは、現代社会にとってかかせないことではあるけど、裏ではいろいろ複雑な仕組みになってるのだなということが分かった(正確には複雑すぎて分からなかったのだけど…)。
決済の種類についてもいろいろ書いてあったけど、もし日本人が書いていたら、おサイフケータイなどの非接触型決済についてもっとページを割いていただろうなと思う。そういうこともあって、ちょっと期待していた内容とは違ったような気もする(日本人向けに書かれたわけではないので当たり前だけど)。
後半は、決済の話というより、決済をからめた地政学についての話だよなと思った。
聖書の一節に「For the love of money is the root of all evil」、「金銭を愛することは、すべての悪の根である」なんて言葉があるということを初めて知った。そういや、聖書には利子も禁止していたそうだし、お金にたいしていいイメージが無かったんだろうな。
今は資本主義社会だけど、キリスト教の人はどう解釈してるのだろう。
スウェーデンでは現金を使わなくなっているという話の後に、ABBAの代表曲の『マネー、マネー、マネー』は今でも非常によく聴かれていると書かれてあってちょっと笑った。お金の曲といえばこの曲だよね。
インドの即時決済システムの「UPI」というものを初めて知った。世界で最も成功しているとのこと。APIが提供されてるとあって、インドはIT立国といわれるだけあるなと思った。
そしてこの本を読んで改めて「ドル」は最強の通貨なのだろうなと思った。ドルを使え無くされたら、困窮する国は多いのだろうな。北朝鮮とかどうやってるのだろう。
2018年にファーウェイの最高財務責任者がカナダで逮捕されたことについて触れられてきたけど、訳注によると2021年9月に和解が成立して釈放されたらしい。よく分からないのだけど、これは無罪だったということなのか? さすがにアメリカのでっちあげではないと思うのだけど…。
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著者は元マッキンゼーでSWIFTのCEOも努めたゴットフリート・レイブラント氏と、ジャーナリストのナターシャ・デ・テラン氏。
詳しくない分野ですが、たまには、と思って読んでみました。
感想。重厚感あり。一つ一つしっかり解説してくれています。帯の通り「世界を動かすお金の裏側」「支払の歴史・仕組・未来」に400ページほど。
特に、
①便利な決済方法を消費者側は無料で使えていると思っているかもしれないけど、巡り巡って商品価格に転嫁されて、しっかり負担してるよという指摘や、
②クレジットカードビジネスの奥深さ、
は面白かったです。
文量多くてだいぶ読み飛ばしました。
備忘録。
・決済とは「負債を免除する方法」。
・リスク、流動性、慣習。この3つが決済を取り巻く状況に大いに影響する。
・決済は国や文化によって大きな違いがある。例えば買い物全体に占める現金の割合は、スウェーデンは13%、アルバニアは96%とか。米国では小切手がいまだに使われるとか。
クレジットカードについて。
・当たり前だけど驚き、クレジットカードのサイズは世界共通。しかも、キャッシュカードやデビットカードも。
・手数料がどこで発生しているかの4コーナーモデルはわかりやすい。
・カード決済は遠隔決済と高相性。そのぶん、詐欺や不正のリスクがつきまとう。
・「単一通貨ユーロ経済圏」と言いつつも、それを実現してるのはVISAや MasterCardといった米国企業のカード決済が席巻している。中国はアリペイやウィーチャットペイなどのQR決済。
・APIを使うことで決済に革命が起きた。
・アメリカでは「決済は手数料がかかるもの」、欧州では「決済は公共事業で無料で然るべき」と考えられている。欧州では、実際に手数料無料の決済が主流だが、何らかの形で、しっかりビジネスにされている。
・フィンテックは、なぜいまだに銀行を廃業に追い込んでいないのか。①まだ始まったばかり、②新興勢は低い手数料による差別化から入ることぎ多いが、銀行よりコストが低いからそれご出来るとしても、薄利過ぎているケースが多い、③銀行のスイッチングコストは高い(「人は銀行より配偶を帰ることの方が多い」ということわざあり)。
・銀行を脅かし始めているのはむしろクレジットカード会社では。と著者。
・クレジットカードによる支払や借入リスクの研究はたくさんあり、知らず知らずに借金を増やしてしまう人を守るように政府や規制当局は動いている。最近ではカード融資に変わって「今買ってあとで払うBNPL」を提供し始めた企業が増えてきた。クラーナわ、クリアペイ、レイバイなど
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決済とは、法律上の表現によると「負債を免除する方法」ということになる。それは基本的にリスキーで、誰かがお金や商品を受け取れないかもしれないというリスクをはらんでおり、それ故、手数料は正当化される。
我々の身近にあるものとしてはクレジットカードで、日本と米国では若干事情が異なっているのだろうけど、4コーナーモデルというものが買いせるされる。
クレジットカードの利点は決済の痛みを軽減することである。実験によるとクレジットカードで1ドルを支払う心理的コストは50セントに過ぎない。
ウーバーのアプリはさらにすごくてタクシーを降りた瞬間に支払いが完了している。このようにフィンテックにはフィンテックの長所があると認めてはいるが、著者が銀行業界の人のためか、銀行よりの意見にやや強引に持っていくような論調が目立った。
・CBDCもマイナス金利を科すことができる点は大きな利点。現金に対してはこんなことはできない。
・決済をおこなうためには、適切な種類の、適切な場所にあるお金が必要である。船や城を所有することはすばらしいが、それを店での支払いに使うことはできない。流動性が鍵なのだ
・クレジットカードに磁気ストライプが搭載されたときには、ストライプにふくまれる情報はエンボス加工でカードに記された文字と同じであることをすばやく突き止めた。それゆえかれらは、引き続きゴミ箱から古いカーボン紙の伝票を回収し、偽のカードの磁気ストライプにそのデータを入力するだけでよかった。対策として、カード会社は三桁のCVV(カード照合値)コードを磁気ストライプ──カードそのものではなく──に追加した。これは店頭では機能したが、電話越しではうまくいかなかった。ユーザーは自分のカードの番号と有効期限を伝えることはできたが、CVVコードはわからなかったからだ。そこでカードネットワークは二つ目の三桁のコード、CVV2を追加しなければならなくなった。CVV2はカードの裏面に印刷された。これによってCVV2のカードを持っている人は自分のコードを販売店に伝えることができるようになったが、そのコードはエンボス加工されていなかったのでカーボン紙の写しには表示されなかった。
・実店舗をもつ銀行は、銀行の座をねらう新参者に比べると堅苦しく見えるかもしれないが、依然として最高の顧客基盤を抱えている。貯蓄が多く、銀行を変えることが少ない、高齢の顧客たちである。対照的に、モバイルバンキングを利用する顧客の多くは、価格に敏感な若者が多く、銀行にとってもっとも収益性の高いお得意様とはいいがたい。全体として流動性が増しているとはいえ、「人は銀行より配偶者を変えることの方が多い」ということわざにはまだ一理あるのだ。
・お金の移動にはリスクがともない流動性が必要になる。テクノロジーがどれだけ錬金術のごとき力を発揮しても、この二つの要素を魔法で消すことはできない。流動性とリスクはこれからも決済の、とりわけ大口決済のあり方を左右するものであり続けるだろう。大きなお金の移動(小さな決済の集積から生じるものもふくむ)は、かなりの流動性を必要とし、大きなリスク��ともなう。その金額の途方もない大きさを考えると、銀行のバランスシートと十分な規制の恩恵がない状態でこの事業をあつかうことを、国や中央銀行が容認するとは考えにくい。したがって、銀行は決済の燃料となる口座や預金は維持していくだろう。しかし、実際の決済サービスを提供する銀行の役割──およびそれらが生み出す収益──は明らかに危機に瀕している。ノンバンクのプロバイダーは、銀行がおこなっていたこと(あるいはおこなえたこと、おこなうべきだったこと)をよりうまくおこなっている。