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商品説明
ある日、謎のノートが届いた。奇想か妄想か、さまよえる断章群の残映と余熱。誰が書いているのか? 誰が読んでいるのか? 〈読むこと〉をゆさぶる先鋭なエンターテインメント小説。メールマガジン連載をもとに書籍化。【「TRC MARC」の商品解説】
ある日、私のもとに謎のノートが届いた
小説、エッセイ、手記、アフォリズム、パロディ、宣伝文……
奇想か妄想か、さまよえる断章群の残映と余熱
誰が書いているのか? 誰が読んでいるのか?
〈読むこと〉をゆさぶる先鋭的なエンターテイメント小説!【商品解説】
目次
著者紹介
中村 邦生
- 略歴
- 〈中村邦生〉1946年東京都生まれ。小説家。大東文化大学名誉教授。著書に「月の川を渡る」「チェーホフの夜」「転落譚」など。
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紙の本
ラストまで読んで震えた
2022/07/19 02:31
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投稿者:ゆりな - この投稿者のレビュー一覧を見る
(あらすじ)
この本の著者(中村邦生氏)のもとに、笠間保(かさまたもつ)という名の男からあるものが届く。それは、段ボールに入った真っ黒な四十冊のノートだった。笠間によると「ぜひお読みいただきたいのです」とのことだが、このノートが雑文の寄せ集めのようでまるで要領を得ない。仕方なしに気の向くままに読んでいくことにする著者だが、不思議と、そこに書かれた文章から思い出すこともあって…。本書は、笠間のノートの文章に、著者が寸感を添えるという形式で書かれていく。
(感想)
・様々な文章に出会えた
本作は、笠間の書いた文章と、著者の文章の両方が掲載されている。さらに、笠間の文章は、体験記、エッセイ、小説など多岐に渡っている。加えて、著者の博識による古今東西の書物からの引用が並ぶ。こうして様々な文章に触れることで、お気に入りの文をみつけることができる。例えば、「写真に撮るということは、相手の「死の運命、はかなさや無常に参入する」ことなのである」(51ページ)。また、両者の文章を自分なりに分析をしてみたり、感想を書いたりしても面白いかもしれない。(それこそが、著者の隠された目的の一つなのではないか、とも思う。)
・ラストを読んでほしい
ノート四十冊分の笠間と著者の交流(?)は、どこまで続くのか。笠間(時にはその姪までが登場する)の書き散らし、著者の冷静な眼、ふと訪れる記憶の喚起。ネタバレになるのでこれ以上は書かないが、ラストの数ページに到達し、読み終えた際には、微かな恐怖と荘厳さを感じた。