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紙の本
噴火と寒冷化の災害史 「火山の冬」がやってくる (角川新書)
著者 石 弘之 (著)
地震を誘発し、さまざまな被害をもたらし、都市機能をまひさせ、地球を寒冷化させる火山噴火。その影響は多大で、文明が滅びるなど歴史を大きく変えてきた。地球環境史の視点から、火...
噴火と寒冷化の災害史 「火山の冬」がやってくる (角川新書)
噴火と寒冷化の災害史 「火山の冬」がやってくる
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商品説明
地震を誘発し、さまざまな被害をもたらし、都市機能をまひさせ、地球を寒冷化させる火山噴火。その影響は多大で、文明が滅びるなど歴史を大きく変えてきた。地球環境史の視点から、火山噴火と気象災害の歴史をたどる。【「TRC MARC」の商品解説】
第一章 富士山は噴火するのか
1.火山噴火の集中期
災異改元でリセット
富士山噴火をめぐる「予知」
2.地球は火山でつくられた
古代文明を育んだ火山
地球の構造は半熟タマゴ
プレートの移動が引き起こす噴火
第二章 「火山の冬」と気候変動
1.「火山の冬」の原因は
氷床コアが語る過去の気候
寒冷化のメカニズム
実験場になった火山
2.535年の歴史ミステリー
ナゾの超弩級噴火
共和制ローマの最後
日本の異変と仏教伝来
中国に降った黄色い砂塵
3.迫りくる大飢饉
中世気候異常期
17~19世紀の噴火のあたり年
島民の2割が犠牲になったラキ山
寒波が招いたフランス革命
山麓を壊滅させた浅間山
天明の大飢饉
第三章 九州南部の縄文文化を崩壊させたカルデラ
1.巨大カルデラの島
カルデラが重なる九州
鬼海カルデラの巨大噴火
追われた先進縄文人
壊滅した縄文文化
2.文明を崩壊させた火山噴火
出エジプト記
ミノア噴火
中国の王朝の衰退
アトランティス伝説
3.タイムカプセルのヴェスヴィオ山
にぎやかな国際都市
ポンペイ最後の日
生々しい犠牲者の姿
第四章 悪夢の時限爆弾―破局噴火
1.破局噴火とは
爆発指数で測れない被害
過去の破局噴火
今後起きるかもしれない破局噴火
2.20世紀の火山災害と未来の危険
米国史上最大の噴火
報道陣を巻き込んだ雲仙普賢岳
先住民を追い詰めたピナトゥボ噴火
カナリア諸島のラパルマ島
海底噴火と軽石騒動
ニオス湖――静かな噴火
3.生態系は噴火からどう回復したか
救われたジャワサイ
セントヘンレンズ噴火の教訓
海鳥の楽園「西之島」
4.「予知」か「予言」か
御嶽山噴火をめぐる訴訟
成功した噴火予知
レジリエンス社会の構築【商品解説】
著者紹介
石 弘之
- 略歴
- 〈石弘之〉1940年東京都生まれ。東京大学卒業。同大学大学院教授、朝日新聞社編集委員、東中欧環境センター理事などを歴任。国連ボーマ賞、国連グローバル500賞、毎日出版文化賞などを受賞。
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紙の本
火山の話が、これでもかと満載の1冊です。
2022/09/08 11:08
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
世界中のこれまでの火山噴火の歴史、そもそも火山とは何かの基礎説明、火山が地球に存在する意義など、火山に関連する話が、これでもかと満載されている1冊です。
当書を読み切れば、火山に関して相当博識になれます。
紙の本
「破局噴火」はいかに甚大な被害を招くか!
2022/11/03 15:29
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:こばとん - この投稿者のレビュー一覧を見る
「富士山は噴火するのか?」過去の日本では、地震や火山噴火がある時期に集中して起きている。1回目は平安時代の9-10世紀で、巨大地震や大規模噴火が多発し13回も改元された。2回目は江戸時代の18-19世紀。現在3回目の集中期に入ったとみる研究者も多いという。(p26)
日本は富士山に限らず火山が多い。破局的な超巨大噴火が起きれば、火口からの噴石や溶岩、さらには火砕流がふもとを襲い、壊滅的な被害を及ぼす恐れが高い。微細な火山灰が風に乗って全世界に広がり、飛行機のエンジンをストップさせるだけでなく、人が吸い込んで健康被害が生じたり、車のエンジンやエアコンも故障する。噴火の後に雨が降ることも多いが、火山灰が雨を吸うと重くなって家屋を潰したり、あるいは泥流・土石流となってふもとを襲ったりすることもある。
本書は、このような過去の世界における「破局噴火」による被害を、これでもかというほど紹介している。イタリアのヴェスヴィオ火山によるポンペイの壊滅、アメリカのセントヘレンズ火山やフィリピンのピナツボ火山の噴火などなど。日本でも阿蘇山、天明の浅間山の噴火、報道陣も巻き込んだ雲仙普賢岳、記憶に新しい御嶽山の噴火などなど。当時の様子を伝える記録を多数引用し、生々しいその実態を描いている。
破局噴火はまた、世界に「火山の冬」をもたらす。火山灰が太陽の光をさえぎって、気温低下が何年にもわたって全世界に影響を及ぼし、過去には大飢饉を何度も発生させてきたのだ。1783年のアイスランドのラキ火山の大噴火でヨーロッパ全土に火山灰が降り注ぎ、その後何年にもわたって寒波が襲って、農作物の不作が続いた。1788年から89年にかけて異常寒波が襲い、ついにはフランス革命を招くことになった。(p125)日本でも1783年の浅間山の噴火で火砕流がふもとの鎌原村を襲って597人の人口のうち生存者は131人だけとなったが、このあと88年にかけて寒冷化の中で天明の飢饉が全国を襲った(p136)。
火山の噴火に起因する地球の寒冷化は、歴史上たびたび大飢饉を引き起こしてきたことが良く分かる。大地震や火山に関心を持つ人にとって、必読の書だと思います。