紙の本
胸が痛くなるほどリアルな描写
2023/12/06 22:31
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投稿者:いぬ - この投稿者のレビュー一覧を見る
深夜、喧嘩した彼女の元へ急ぐあまり飲酒運転をして人を轢き逃げしてしまった加害者の、当初は自己弁護や後悔ばかりだった気持ちが徐々に変化していく過程がリアルで胸が痛くなるほどでした。被害者女性が深夜に外を出歩いていた理由も切なくて、読み終わった後もしばらく小説の世界から抜け出せないほど泣いてしまいました。
紙の本
大どんでん返し
2022/12/19 16:32
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投稿者:ママさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
誰にでも起こり得る題材で、引き込まれるように読みました。
最後の最後まで被害者の夫の『やり残した事』が判らず、それがなんだか分かった時、感動しました。
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投稿者:なみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
悪質なひき逃げをしたのに、反省の色が薄かった加害者。
被害者遺族の、癒えることの無い無念、犯人に対する憎しみが満ちている。また、加害者の立場からだと、出所後の社会復帰の難しさが伝わってくる。読んでいて、苦しくなってくる。
被害者の夫が、認知症が進んでもどうしても加害者に伝えたかったこと、誤解される言動が多かったが、身の引き締まる思いがした。
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飲酒運転の交通事故殺人。最近よくある。普通の生活で普通に生きててある日魔がさして飲酒運転した人もいるだろう。逃げてしまう可能性が0とは誰もが言い切れないのではないかな…
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購入済み
2022.09.19.読了
んんんんーーーー。
文庫化されてすぐ購入したが、その価値はなかった。ストーリーが唐突で雑。全てが中途半端に処理されており、心に響くものは全くなく、時間と書籍代を無駄にしてしまった感が半端ない。
内容に厚みと重みが感じられず、星は2か1かで悩んで1。
これまで薬丸岳さんの作品をたくさん読んできたが、もういいかな。って感じ。
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202208/今作もまた薬丸岳にしかかけない傑作。つらいけどページめくる手を止められなかった。登場人物達の言動心情描写が秀逸で、加害者のくせに!と思わされてしまうし、自分が翔太だったら?と思わされてしまうし、各人物達の立場にさせられてしまう感情が忙しい物語だった…。
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読みやすくスラスラ読めた。
重くなる内容だけど、重くなりそうな場面でそれぞれ程よく転換があって、重くなりすぎずに読めたのも良かった。
罪との向き合い方は、正解はないと思う。
人によって、立場によって思いは全く変わってくるから、色んな意見はあるのだろうけど、この本は少し希望を感じられる終わりで、それが良かった。
私はそうであって欲しいと思う。
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ひき逃げをしてしまった犯人の青年と、妻をひき逃げされてしまった被害者遺族の老人のお話。
自分だけは加害者にも被害者にも絶対ならないとは言い切れず、もしそうなってしまったら、と考えながら両方の気持ちになって読み進んだ。
両方の心情がうまく描かれていて一気読みしてしまった。おすすめ
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薬丸岳さんらしい罪と罰と償いを誠実に描いた物語です。
ただ罪を糾弾するだけでない。
恨みや怒り、悲しみや苦しみに身を任せるだけでない。
被害者側と加害者側、それぞれの感情を真摯に描き、その先にある何かを示そうとしてくれる。その姿勢に今回も心を打たれました。
今回の話はひき逃げ事件の被害者遺族と加害者。事件自体はあっさりと決着がつき、物語は加害者の出所後が中心となります。
刑期を終えたものの前科が足を引っ張り、なかなか生活を固められない加害者の籬(まがき)翔太。
そして翔太の出所を待ち続けた被害者の夫の法輪二三久。痴呆症が始まり記憶が混濁しながらも、それでも法輪は翔太に関わろうとします。この二人が物語の中心となり話は進みます。
これまでも被害者遺族の感情を丁寧に描いてきた薬丸さんですが『Aではない君と』では、加害者少年の父親を描き切りました。
そして今回は加害者当人。罪の意識や後悔を抱く一方で、どこかで「なぜ自分がこんな目に」「たまたま運が悪かっただけ」という思いも捨てきれない。
反省と開き直りの振り子がゆらゆらと振れる。その微妙な感情を見事に描きます。そして加害者の出所後の人生も真摯に描きます。
距離を取るかつての友人や家族。消えない過去の呪縛。道を踏み外させようとする悪魔の甘い誘惑。
翔太が極悪人でないところが感情移入させる。自分の罪を後悔・反省しつつも、被害者遺族や家族とは会うべきだと思っていても会えない。その怖さというのは、自分の失敗をつい隠したくなってしまう自分たちの感情と本質的なところは似ているように思う。
一つの偶然で人生が反転する恐怖。そしてそれから一生逃れられない苦しみ。それをリアルに想像させる。読んでいて自分も何か一つボタンを掛け違えばそうなるかもしれないと思ってしまう。そうなると翔太の心情や境遇が他人事とは捨てきれず、彼の苦しみや葛藤に共鳴していく。
償い、罰、そして赦し……。明白な答えなんて出せるわけもないけれど、それでも懸命に著者が向き合い、導き出したわずかな光がこの作品には結実していると思います。
どこまでも薬丸岳さんらしく、そして薬丸岳さんにしか書きえない物語。今回もしっかりと心に刻まれました。
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当事者にならなければ、その苦しみは決してわからない。
最後の「人間にもどしてくれた」のセリフに泣けた
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自分の過ちで、他人の大切な人を失わせて
しまったこと。
どうすれば、償うことが出来るのか。
法に裁かれるだけでなく、心から遺族に償
うには、どうしたら良いのか。
読み進めていくにつれ、結末が気になって
一気に読めた。
遺族である夫も、認知症と闘いながら籬に
対してしなければいけないことがあると、
執念とも言える行動を取る
ラストで、題名の意味が理解出来た。
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まさかの結末だった。
タイトルの「告解」、そういうことかぁ...
本当の贖罪は何なのか、それに気付けて初めて更正の第一歩を踏み出せるのだと思う。
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とても考えさせられる内容だったけど、読みやすく、登場人物それぞれの立場に立った感情を自分の中に落とし込みながら一気に読めた。
この作品が読みやすかったのは、被害者家族の復讐という恨みつらみの要素が省かれていたからだと思う。
「罪」と「罰」だけに重点を置いてしまうと、とても救いようのない話で終わってしまうけれど、この作品には誰かしら手を差し伸べてくれる人、見守ってくれる人が描かれていて、そしてその人達の存在を素直に受け入れて加害者が更生の道を歩んでいくという救いのある内容で読了感も良かった。
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薬丸さんの作品、久しぶりでした。
薬丸さんらしいテーマで、読み応えがありました。
20歳の大学生・籬翔太は深夜の飲酒運転で信号無視をした結果、人を轢き殺してしまう。
被害者は81歳の法輪君子、インフルエンザで高熱を出した夫のためにコンビニへ氷を買いに行った帰りだった。
翔太は人をはねたという実感があったものの、恐怖のあまりそのまま走り去るが、数日後には逮捕される。
翔太は実刑判決を受け、事故から約5年後に出所するー。
翔太は根っからの悪人ではなく、むしろ人並みに善人ではあるのですが刑務所に入っても尚、被害者とその家族の気持ちを考えようともしないことに読み手としては憤りを感じました。
けれど事故当時20歳、やむを得ないとは言いませんが、残念ながらその方が現実に則しているのかもしれません。
一方で、被害者家族の思い、特に夫の言動には胸が引き裂かれそうな気持ちになります。
高齢になり、意思に反して思うように動かなくなる身体と脳の働き、それでも愛する妻の命を奪った犯人を忘れてはならない、犯人である翔太に対してやらなくてはならないと懸命に行動する描写は心に強く重く響くものがありました。
薬丸作品には、いつも被害者(またはその家族)、加害者(同)が登場します。
自分がその立場になったらーと考えさせられますが、年と共に私自身の感じ方が変わったのか、何よりもまず、そのどちらにもならずに生きていけるように最大限の努力と注意をしなければならないのだと今更ながら強く思いました。
贖罪に答えはなく、正解もない。
自分が当事者となったらーと想像するだけで恐ろしく、こんな事件はフィクションだからこそ読めるのだと痛感しました。
実際には決着などつかない難しいテーマだけに、どう終わらせるのかが気になってあっという間に読み終えました。
読み終えた後もずっしりと重く残るものがある、という意味では良書の部類に入ると思います。
2020年22冊目。
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タイトルの「告解」がそういう意味だったとは。
読み終わって(読んでいて)いちばんの驚きはそこだった。
何不自由なく暢気に過ごしている大学生が、思いがけず雨の夜の運転中にひき逃げ事件を起こす。
被害者家族の苦しみ、加害者側の周りの人々の思い。
刑務所に入って、罪を償っても、それで被害者家族が救われるわけでは決してないし、一方、出所後に堅実に働こうとしても、前科という壁がむしろそれを阻んでしまう。自棄になるときもある。加害者と、被害者家族がまた改めて接するときに出てくる「告解」。
誰もが不幸にしかならない事件だけれど、それが実際の世の中ではあちこちで起きているということに怖さを感じてしまう。