「悪所」の民俗誌 ――色町・芝居町のトポロジー
著者 沖浦和光
「“悪”という言葉の裏側には、だれきった日常性を破壊するデモーニッシュな力が潜んでいた」(「あとがき」より)。都市の盛り場は、遊女や役者など賤視された「制外者」たちの呪力...
「悪所」の民俗誌 ――色町・芝居町のトポロジー
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商品説明
「“悪”という言葉の裏側には、だれきった日常性を破壊するデモーニッシュな力が潜んでいた」(「あとがき」より)。都市の盛り場は、遊女や役者など賤視された「制外者」たちの呪力が宿る場所だった。なぜ、ひとは「悪所」に惹かれるのか。芸能を業とする人びとは、どのように暮らし、どんな芸を生み出したのか。「遊」「色」「悪」の視座から日本文化の深層をさぐる。
目次
- 第一章 わが人生の三つの磁場/1 誰にでも〈人生の磁場〉がある/2 「盛り場」──非日常的な祝祭空間/3 周縁的な「場」で暮らす/第二章 「悪所」は「盛り場」の源流/1 「盛り場」の始原は遊里と芝居町/2 芝居町の核となった遊女歌舞伎/3 反骨の美意識を表現した「かぶき者」/4 芸能興行と河原者/第三章 遊女に潜む霊妙なパワー/1 中世の遊里と王朝貴族/2 後白河法皇と卑賤の「声わざ」/3 遊女も極楽往生できる/4 「遊行女婦」の巫女性をめぐって/第四章 「制外者」と呼ばれた遊女と役者/1 戦国期からの「河原者」の進出/2 江戸幕府と近世賤民制/3 三都を中心とした近世都市の成立/4 都市設計の思想と「遊廓」の位置/第五章 特異な都市空間としての「悪所」/1 地方都市と「悪所」/2 「悪所」は反権力の混沌の場だった/3 漂泊する神人の影/4 遊女の色事とエロス/第六章 〈悪〉の美学と「色道」ルネサンス/1 江戸時代の「性」と不倫・背徳/2 東洋の「妾」制と西洋の「一夫一婦」制/3 「色道」賛美と元禄ルネサンス/4 嘘の奥に誠あり──遊女の真実/5 〈悪〉の美学と性愛/第七章 文明開化と芸能興行/1 近世末期の大衆文化の状況/2 新政府の芸能政策と「悪所」の解体/3 西洋を体感した文学者と明治近代/4 歴史の闇の中に消えていった裏町/あとがき/解説 身体・声・音により表現される文化と社会、国家、制度 松尾恒一
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