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- カテゴリ:一般
- 発売日:2023/06/30
- 出版社: 小学館
- サイズ:19cm/217p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-09-389126-4
読割 50
紙の本
カミカゼの幽霊 人間爆弾をつくった父
著者 神立 尚紀 (著)
終戦の3日後、男は遺書を残し零戦に乗って飛び立ち、東の空のかなたに消えていった−。名前を変え、素性を偽り戦後を生きた特攻兵器「桜花」の発案者・大田正一の謎多き生涯をたどる...
カミカゼの幽霊 人間爆弾をつくった父
カミカゼの幽霊 ~人間爆弾をつくった父~
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商品説明
終戦の3日後、男は遺書を残し零戦に乗って飛び立ち、東の空のかなたに消えていった−。名前を変え、素性を偽り戦後を生きた特攻兵器「桜花」の発案者・大田正一の謎多き生涯をたどる。【「TRC MARC」の商品解説】
父はなぜ別人になって生きようとしたのか?
1994年5月、大阪市東淀川区に住む大屋隆司の父親・横山道雄が突然、失踪した。この失踪騒ぎの後、みるみる衰弱していく父を看病する中で、隆司はこれまで知らなかった父の過去を知る。
父の戸籍上の名前は「大田正一」といい、死亡により除籍されていた。
大田正一といえば太平洋戦争末期に「人間爆弾」と呼ばれた特攻兵器「桜花」を発案したとされる人物である。大田は終戦の三日後に遺書を残し、茨城県神之池基地を零戦で飛び立ち、そのまま帰ってこなかった。
ところが、大田は生きていた。「茨城で牧場をやっている」「新橋の闇市に連れて行った」「青森で会った」「密輸物資をソ連に運んでいる」……断片的な目撃談や噂はあったものの、その足取りは判然としなかった。
1950年、大阪に「横山道雄」となって現れた大田は、結婚した女性との間に三人の子供をつくり、幸せな家庭を築き、94年にその生涯を終えた。
それから20年後の2014年、大田の遺族を名乗る女性からの電話に興味を持った著者は、大田の謎多き人生について調査を始める。それは隆司ら家族にとっても父を知るための貴重な時間となっていく。
「本当の父親」を探す旅の結末は――。
【商品解説】
著者紹介
神立 尚紀
- 略歴
- 〈神立尚紀〉大阪府生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業。講談社『フライデー』専属カメラマンを経て、フリー。著書に「祖父たちの零戦」など。
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大田正一そしてその家族の物語
2023/07/03 02:40
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Haserumio - この投稿者のレビュー一覧を見る
昨日午前中に購入して、止められなくなり、本日午前過ぎに読了。贅言は無用。読めば判る一書。(内容が重いため、容易な要約も許されなかろう。)元ネタが、ETV特集「名前を失くした父~人間爆弾”桜花”発案者の素顔」として、2016年3月19日に放送されていたとは知りませんでした(再放送希望)。
「いまさらわしがほんとうのことは言えんのや。国の上のほうで困るやつがおるからな・・・・・・」(34頁、大田正一の言葉)
「大田は上層部に利用されたにすぎないのではないか、と植木はみている。・・・「・・・ 大田さんが発案したことにしとけば、実戦をやってきた人のひとつの考案だったということにすれば、そんなに問題にならない。それをうまく利用された感じがするの」」(48~9頁、植木忠治の言葉)
「こんな大それた、人間爆弾と呼ばれるような大戦略を(大田が)つくり上げたってそんなことできるわけないですよ。・・・ ぼくは、彼は犠牲者だと思っている。何百人をそれで死なせた責任を負わされてる感じがする。(上層部の人間が)あいつがやったんだ、俺じゃないよ、と・・・・・・」(56頁、田浦研一の言葉)
「ぼくは、彼の場合にはものすごく大きな見えない手が動いているような気がする。というのは、ハワイ作戦(真珠湾攻撃)のときの参謀がいたでしょう、戦後国会議員になったのが。あれと関係があるんじゃないか。」(159頁、同上、「使えなかった男」(163頁を参照)源田実のことですね)
個人的には、大田正一の前妻(というか・・・戸籍上の妻? 表現が難しい・・・)である太田時子とその子供たちの話も盛り込むべきではなかったとの感想を抱きましたが、なかなか難しいか・・・