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商品説明
思想界の新星、マルクス・ガブリエル。「意義の諸領野」「諸々のノンフィクション」など、未邦訳の主著3冊を読み解き、いわゆる「現代思想」に収まらない可能性を持つガブリエルの思想の全貌を広く紹介する。【「TRC MARC」の商品解説】
未邦訳の主著三冊を読み解き、その思想の全貌を探る初めての試み
『なぜ世界は存在しないのか』がベストセラーとなり、ドイツ観念論から社会事象まで自在に論じる思想界の新星として颯爽と登場したマルクス・ガブリエル。しかし哲学者としての本領を発揮した著作はいまだ日本では読まれていない。本書ではその中でも重要となる三冊の著作(『意義の諸領野』『諸々のフィクション』『暗黒時代における道徳的進歩』)を中心に、いわゆる「現代思想」に収まらない可能性を持つガブリエルの思想を広く紹介する。
「マルクス・ガブリエルはポストモダンの哲学者ではない。ポストモダンが花盛りの時代に青年期を過ごしていたことは事実だが、その思考の方向はポストモダン以前の実存主義、あるいはそれよりも前に流行したドイツ観念論に向かっている。さらには共著本で関わったプリーストとスコーベルにも共通するが、東洋思想に対する興味も認められる。これらの要因を掛け合わせれば京都学派を連想させるものがガブリエル哲学にあると推論することもできる。要するにこの半世紀近く続いたポストモダンの流行にどこか物足りない思いをしていた読者に、ガブリエルは魅力的な議論を提供していると思える。いったんポストモダン的な言説の文脈を括弧に入れて、虚心坦懐にガブリエルの原文に向き合うことを推奨したい。」(本書より)
○目次
序章 主著は三冊
第一章 世界は存在しない――『意義の諸領野』
第二章 ユニコーンは存在する――『諸々のフィクション』
第三章 道徳的事実は存在する――『暗黒時代における道徳的進歩』
終章 現代思想、とりわけハーバーマスとデリダとの関係【商品解説】
目次
- 序章 主著は三冊
- ブームは去ったのか 邦訳が進まない理由
- 数多くの単著本 主著の見極め方 本書の読み方
- 第一章 世界は存在しない――『意義の諸領野』
- 修業時代の模索 構成および緒論 複数の領域を扱う存在論
- 「領域」と「領野」の違い なぜ「意味の場」ではないのか
- 世界は存在しない 平坦な存在論 可能世界の否認
- 偶然性の処理 残された問題
著者紹介
菅原 潤
- 略歴
- 〈菅原潤〉宮城県仙台市生まれ。東北大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。博士(文学)。日本大学工学部教授。著書に「シェリング哲学の逆説」「京都学派」「実在論的転回と人新世」など。
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