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心淋し川 (集英社文庫 歴史時代)
著者 西條 奈加 (著)
【直木賞(164(2020下半期))】江戸の片隅、小さなどぶ川沿いに立ち並ぶ古い長屋。住民たちは人生という川のどん詰まりでもがいていた−。懸命に生を紡ぐ人々の切なる願いが...
心淋し川 (集英社文庫 歴史時代)
心淋し川
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商品説明
【直木賞(164(2020下半期))】江戸の片隅、小さなどぶ川沿いに立ち並ぶ古い長屋。住民たちは人生という川のどん詰まりでもがいていた−。懸命に生を紡ぐ人々の切なる願いが胸にしみる連作時代小説。【「TRC MARC」の商品解説】
【第164回直木賞受賞作】
「誰の心にも淀みはある。でも、それが、人ってもんでね」
江戸、千駄木町の一角は心町(うらまち)と呼ばれ、そこには「心淋し川(うらさびしがわ)」と呼ばれる小さく淀んだ川が流れていた。川のどん詰まりには古びた長屋が建ち並び、そこに暮らす人々もまた、人生という川の流れに行き詰まり、もがいていた。
青物卸の大隅屋六兵衛は、一つの長屋に不美人な妾を四人も囲っている。その一人、一番年嵩で先行きに不安を覚えていたおりきは、六兵衛が持ち込んだ張形をながめているうち、悪戯心から小刀で仏像を彫りだして……(「閨仏」)。
裏長屋で飯屋を営む与吾蔵は、仕入れ帰りに立ち寄る根津権現で、小さな唄声を聞く。かつて、荒れた日々を過ごしていた与吾蔵が手酷く捨ててしまった女がよく口にしていた、珍しい唄だった。唄声の主は小さな女の子供。思わず声をかけた与吾蔵だったが――(「はじめましょ」)ほか全六話。
生きる喜びと生きる哀しみが織りなす、著者渾身の時代小説。
【著者略歴】
西條奈加(さいじょう・なか)
1964年北海道生まれ。2005年『金春屋ゴメス』で第17回日本ファンタジーノべル大賞を受賞し、デビュー。2012年『涅槃の雪』で第18回中山義秀文学賞、2015年『まるまるの毬』で第36回吉川英治文学新人賞、2021年『心淋し川』で第164回直木賞を受賞。近著に『うさぎ玉ほろほろ』『とりどりみどり』『隠居おてだま』『金春屋ゴメス 因果の刀』などがある。【商品解説】
収録作品一覧
心淋し川 | 7−47 | |
---|---|---|
閨仏 | 49−90 | |
はじめましょ | 91−136 |
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よどみの中
2023/09/25 19:02
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投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
淀んだドブ川のようにゴミコミした地域で生きるためにきれいごとを言ってられない面々。
そんな人間たちが胸に抱えた小さな真実。
どす黒かったり、仄かな明かりのようでもあるそれぞれの真実を描いた一冊。
読みごたえがあった。