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紙の本
ヘーゼルの密書 The Peace Feelers (光文社文庫)
著者 上田早夕里 (著)
1939年、上海。激化する日中の対立関係。新たな大戦へと着実に向かう中、それでも戦争を回避すべく、日中和平工作にすべてをかけた人々がいた…。幻の和平交渉に光を当てた長編歴...
ヘーゼルの密書 The Peace Feelers (光文社文庫)
ヘーゼルの密書
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商品説明
1939年、上海。激化する日中の対立関係。新たな大戦へと着実に向かう中、それでも戦争を回避すべく、日中和平工作にすべてをかけた人々がいた…。幻の和平交渉に光を当てた長編歴史小説。【「TRC MARC」の商品解説】
1939年、上海。激化する日中の対立関係。それでも戦争を回避すべく、日中和平工作にすべてをかけた人々がいた――。
語学教師の倉地スミは、極秘裡の日中和平工作に通訳として参加していた。いったんは頓挫する和平の道だが、今井武夫陸軍大佐のもと、新たな交渉〈桐工作〉に乗り出してゆく。【商品解説】
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紙の本
史実である「桐工作」の裏秘史としての迫力に圧倒される。
2024/03/29 21:27
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投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
史実である「桐工作」の裏秘史としての迫力に圧倒される。フィクションと明言されているが、表の「桐工作」を補完する形の話の構成は、限りなく近い史実が存在してたと思わせるのに十分。更に当時の諸勢力の思惑を端的な表現で綴ることでその信憑性が高められている。加えて、登場人物たちの心理描写が極めて現実的であることが更に真実味を増す効果をもたらしている。異なる民族でも理解し合えなくても協調は出来るという視点は重要。その仲介者として通訳者を主役に据えた点が流石。本当にフィクションなのかと疑いたくなる迫真力を持っている。複雑怪奇な世界情勢の中で何が最善の策かが混沌としてた時代。結果を知ってる私がとやかく言えないが、何時の時代にあっても「戦争は避ける」という努力の貴重さ、重要さは薄れることはないと信じたい。