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商品説明
自己認識の視点から、心身論を分析し、ヨーロッパ思想史の固有性や古典などの作品を通して「汝自身を知る」意味を解明。また人間学の歴史や具体的な方法論とその意義についても、分かりやすく紹介する。【「TRC MARC」の商品解説】
人間とは何か,自己とは何かを問うことが人間学である。
人間学は,身体・環境・言語・心理・倫理・社会・文化・歴史・宗教など広範で具体的な世界との関連のなかで,人間に関する諸科学の成果を受け容れながら,人間の全体的構成を考察し,その全体像を構築する。
歴史の強力な磁場から発せられる問いと,自己の生から発せられる問いが,緊張と葛藤を通して認識と行為を促していく姿こそ,人間学の基盤と言える。
人間学はカントやメーヌ・ド・ビランが提起してきたが,20世紀に入り生物学の発展によって研究は次第に成熟し,マックス・シェーラーの『宇宙における人間の地位』(1928年)で初めて体系的な形式を獲得した。それに続き彼の同僚プレスナーがいっそう広汎な著作『有機体の諸段階と人間―哲学的人間学入門』を発表して,人間存在を全体的に考察する新しい学問を一気に軌道に乗せた。
そして現代の飛躍的な先端科学の発展により,生物学・医学・心理学・言語学・社会学・歴史学・政治学・経済学などの成果を受容しつつ人間学は新たな展開に挑んでいる。
本書は,自己認識の視点から,身心論を分析し,ヨーロッパ思想史の固有性,そして古典などの作品を通して「汝自身を知る」意味を明らかにする。また人間学の歴史や具体的な方法論とその意義についても分かりやすく紹介。哲学思想分野だけでなく自然科学や工学に関心をもつ読者にも読んでもらいたい優れた人間学入門である。【商品解説】
目次
- はじめに――「自己とは何か」という問の意味
- Ⅰ 人間学とはどのような学問か
- 1 科学時代における人間の問題
- 2 カントの問い
- 3 シェーラーの人間学的な問い
- 4 人間学的原理
- Ⅱ 自己認識の変化
- はじめに
著者紹介
金子 晴勇
- 略歴
- 〈金子晴勇〉静岡県生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程修了。文学博士(同大学)。聖学院大学総合研究所名誉教授。岡山大学名誉教授。著書に「対話と共生思想」など。
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