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紙の本
詩の中の風景 くらしの中によみがえる (中公文庫)
著者 石垣りん (著)
かたくなな心に手をさしのべてくれ、暮らしの中で鏡のように光るもの−。詩は自分にとって実用のことばという石垣りんが、みずみずしい感性で53人の詩篇を選び、エッセイを添える。...
詩の中の風景 くらしの中によみがえる (中公文庫)
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商品説明
かたくなな心に手をさしのべてくれ、暮らしの中で鏡のように光るもの−。詩は自分にとって実用のことばという石垣りんが、みずみずしい感性で53人の詩篇を選び、エッセイを添える。【「TRC MARC」の商品解説】
いつでも訪れることができる、不思議にひろい場所。ときどき深呼吸をしたくなる原っぱ。かたくなな心に手をさしのべてくれ、暮らしの中で鏡のように光るもの。――詩は自分にとって実用のことばという著者が、みずみずしい感性で五三人の詩篇を選び、エッセイを添える。読者ひとりひとりに手渡される詩の世界への招待状。〈解説〉渡邊十絲子【商品解説】
著者紹介
石垣りん
- 略歴
- 石垣りん
一九二〇年東京生まれ。詩人。高等小学校時代から詩作を始め、少女雑誌に投稿する。小学校卒業後、十四歳で日本興業銀行に就職。二十五歳の時に敗戦を迎え、戦後は職場の組合活動にも参加しながら詩作に集中。三八年同人誌「断層」を創刊し福田正夫に師事。五九年第一詩集『私の前にある鍋とお釜と燃える火と』刊行。六九年第二詩集『表札など』でH氏賞、七一年『石垣りん詩集』で田村俊子賞、七九年『略歴』で地球賞を受賞。二〇〇四年没。
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紙の本
自分の言葉が欲しかった
2024/04/11 16:44
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
詩人石垣りんの詩篇の紹介とそれに添えられたエッセイを集めた『詩の中の風景』は、
詩人生前の1987年から92年の長きにわたって「婦人之友」に連載されていたもの。
53篇の詩の紹介は、
佐藤春夫にはじまり谷川俊太郎や茨木のり子といった同世代の詩人に至るまで
見事に選びとられている。
目次に並んだ詩人の名前を眺めているだけで、
この国は豊かな言葉を生み出す風土を持っていたと感じいる。
このエッセイで初めて知る詩人もあって、
そのうちのひとりが大関松三郎。
大正15年生まれの大関は戦争で亡くなっていて、
詩人としての才能は小学生の頃に書いた手書きの詩集だったという。
石垣は大関の詩集『山芋』から「虫けら」を紹介していて、
添えられたエッセイにこんな一節を綴っている。
「かなり評判になった本でもたちまち絶版、廃刊になってしまう。
濁流のようなものの勢いを感じます。」
こういう文章を辛辣と世間ではいうかもしれないが、
石垣りんの魅力はそこにあって、
だからこそ時代を見つめる視点に揺るぎがない。
また、別のエッセイでこんな文章を見つけたりする。
「私は自分の言葉が欲しかったのだろうと思います。
これだけは言いたい、これを言うからにはどんな目に会ってもいいと。」
もし、時代が今でも石垣りんを欲しているなら、
この世界は彼女が生きた時代とそう変わっていないのだろう。
もっと自由であれ、と石垣りんの声が聞こえてきそうだ。