あさいち （かがくのとも絵本）

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まだ暗い海から蟹や魚を積んだ船が戻り、雪の下の畑から野菜が掘り出され、町に集められて開かれる「あさいち」。輪島の人々の営みが、輪島の言葉で温かく語られています。
その暮らしが、二度にわたって災害で破壊されてしまったのです。復興への願いを込めて、買わせていただき、大切に読んでいきたいと思います。

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輪島朝市の様子を描いた絵本。この本が刊行されたのは1980年、日本列島に自動車が普及する直前で、この朝市にも海から山から各々リヤカーを引いた人々が集まる。

そこで取引される物品の多様さは、この朝市が等価交換的に山の幸海の幸をもたらしてきたからだ。さらに乾燥させたり漬け込んだり、ひと手間加えたものがそれぞれの家庭に持ち帰られ腹を満たしていく。

そんな往時の輪島の活力が、当時の言葉と共に蘇るような風景が見開きいっぱいに飛び込んでくる。能登半島地震をきっかけに復刊され、利益は復興支援へ寄付される。

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「かがくのとも」（1980年1月号）の単行本化（月刊絵本からハードカバー化されないまま40年余りを経た復刊）。この本の利益は能登半島地震災害義援金として寄付されるというふれこみなので、出版社と被災地の応援になるのならと購入した。

「え＝大石可久也　かたり＝輪島・朝市の人びと」とある。絵を描いたのは淡路島生の画家大石可久也（1924-2018）で、夜明け前の漁港と畑の場面の導入部のあとは、それぞれの売り物を運ぶ二人の女性が途中で行き合っていっしょに朝市に向かい店を出し、その店をしまって帰り支度するところまでを追った展開で、朝市の女性たちと買い物客らの姿を延々とうつしてゆき、そこに取材時にききとったのであろう声やおしゃべりを書き込んでいる。背景の説明も方言の解説も一切ないので、ちゃんとわかろうとするといろいろな想像力が必要になるが、絵と語りを読めば読むほどいろいろな物語が読みとれて、何度でもいくらでも楽しめる作品だといえる。

たくさん着込んで長靴を履いて頬かむりした女たちが肩を並べて雪かきをした道端に店を広げ、呼び込みをして自分たちの採ってきた物を売り、情報交換をし、売りあげで買い物したり、仲間同士で売れ残りを交換し合ったり…私が幼かった頃は、行くところに行けばまだこういう景色と日常があったのだなあとおどろいた。地元の言葉は十年ぐらい前の朝ドラ「まれ」で耳にしていたのを覚えているので、リズム・抑揚も意味もなんとなく想像しながら読めた。

この朝市が形を現代的に変えながらも（今は地べたに座り込むスタイルではないようだし、売られるものの種類も変わっていただろう）、観光の目玉の1つともなり、いままで続いてきていたのに、朝市通りが震災時の火災でほぼ消失してしまったのはずいぶんかなしくつらい状況だろうと改めて思った。

輪島氏朝市組合の公式サイト：
https://asaichi.info

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「朝市は、海でとれたもの、畑でとれたものを持ちよる商いの場。そこには潮のかおりと土のにおいがたちこめていて、人びとにとって楽しいおしゃべりと社交の場でもあります。石川県「輪島朝市」の活気ある風景を描いた、1980年刊行の本作品。令和6年能登半島地震で大きな被害を受けた被災地の、一日も早い復興への願いを込めて復刊します。本作品の利益は、能登半島地震災害義援金として、日本赤十字社に寄付いたします。]

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「かがくのとも」の1980年1月号として刊行された『あさいち』は、1970年「輪島朝市」の様子を描いたものです。
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海のもの、畑のものが集まり、そこには潮のかおりと土のにおいがたちこめています。商いの場としてだけでなく、地元の人々にとって、楽しいお喋りと社交の場でもある朝市の姿、売る楽しみと買う楽しみが伝わってきます。温もりのある絵が生活そのものを表現し、心の底に響く作品になっていますよ。
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今年のお正月、能登半島地震によって大きな被害報道がされ、復刊して欲しい、子供達にも話し伝えたいといった声が寄せられ、この思いを受け復刊されたそうです。
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本書の売上の一部（利益相当額）は、令和6年能登半島地震災害義援金として、日本赤十字社に寄付するとのことです。

一日も早い復興を願い、いつか必ず訪れたいとお迎えしました。
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#あさいち
https://amzn.to/3TY8PN0
#大石可久也 絵
#福音館書店

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復興支援にもなるとの事で購入をしましたが、内容もとても良いです。
輪島のかつての生活の一場面を丁寧に切り取ってあって、あさいちの声がけが頭の中に響きます。主に女性、特におばあちゃんたちが担っていたんですね。
その場の空気を伝えようとしてくれる、誠実な絵本だと思います。すごく好きです。

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図書館本。輪島のあさいちの様子。震災でこの風景が今はない、と思うと胸が痛みます。日常が戻ることを祈って。

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海で採れた魚介類､畑で採れた山菜を持ち寄って､集まった人びとのお喋りが交わる活気ある朝の商いの場には､潮の香りと土の匂いが立ちこめている｡･･･1980年に刊行された本作｢輪島朝市｣は､令和6年能登半島地震で大きな被害を受けた被災地の復興への願いを込めて復刊された｡ 震災で不幸にして亡くなられた方々のご冥福をお祈りし､被災地の一日も早い復興をお祈りいたします｡