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商品説明
1964年から運輸省に勤務した著者は、高度経済成長時代の中で先輩から多くの知見を学んだ。指針となった先輩の言葉や、自身が心がけてきたリーダー像をまとめ、社会に出て60年の間に体験した記憶に残る仕事等を紹介する。【「TRC MARC」の商品解説】
「国家国民に役立ちたいなどといった高邁な志があったからではない」としながらも、北海道大学を卒業後、国家公務員となった著者。当時、時代は高度経済成長時代の真っただ中で、「ジャパン アズ ナンバーワン」「GDP世界第二位」などと言われ、元気な日本そのものだった。そうした社会状況の中で著者は、波のようにもまれていく。なかでも、開発の神様と呼ばれた下河辺淳氏のもとで全国総合開発計画、いわゆる全総に取り組んだことは著者にとっても最大の体験となり、さらに三全総、四全総にかかわっていった。
その後もさまざまな曲折を経て国土交通省港湾局長に就任するが、なかでも1995年の阪神淡路大震災では神戸の復興のために神戸港の再生に力を入れ、驚くべきスピードで復旧させるとともに、災害時における港湾インフラの重要性を内外に知らしめるに至った。
そのほかにも、著者の港湾関係における業績は多々あるが、本書ではそうした体験を踏まえて、「先輩の背中」を振り返るとともに、「私の背中」として後に続く後輩に対しても体験を伝えていく。このように2段階の構成によって、過去と未来をかたちづくる流れとなっている。登場する人物は、下河辺淳氏、岡本行夫氏、亀井静香氏、平松守彦氏、橋本大二郎氏など、個性豊かで、かつ実力を備えた方たちである。後半の「私の背中」では、著者が伝えたい組織の中での行動原則や、仕事に処する心構えやリーダー論など、今後の日本人が忘れてはいけない指針が示されている。
果たして、本書は「国家国民に役立つ」のだろうか。「そうした高邁な志は持たず」、と言う著者の笑顔は歳を経た今でもさわやかである。【商品解説】
目次
- 序
- はじめに
- 第1篇 先輩の背中
- 第1章 忘れ得ぬ言葉─座右の言葉の数々
- (1)良い友達が欲しければ、まず自分自身が良い人になりなさい
- (2)世が世であれば「はんにんかん」。そのことを頭において仕事をするように
- (3)君は本になっていることを、国が金をかけて調べると思っているのか
- (4)大学を出ていながら、こんな計算もできないのか
- (5)何だこれは!土方の日記ではないか!!
- (6)現場を意識しない机の上の仕事が、どんな苦労を現場に強いるのかよく見てください
著者紹介
栢原 英郎
- 略歴
- 1940(昭和15)年2月に東京に生まれる。1945(昭和20)年の終戦直前に父の勤務地であった中国青島市から引き揚げ、その後神戸市、熊本市、東京都で小学校時代を過ごす。1957(昭和32)年北海道大学工学部土木工学科入学。卒業後運輸省に奉職。第二港湾建設局(横浜市)から公務員としての歩みを始め、その後は海運局外航課、第五港湾建設局、経済企画庁総合開発局、運輸省港湾局計画課と異動。
1975(昭和50)年に国土庁計画・調整局計画課課長補佐として、「三全総」の策定作業、さらに「四全総」の策定作業に従事。
1994(平成6)年6月に港湾局長。1996年(平成8)年新設された技術総括審議官に就任して1998(平成10)年4月に退官。
退官後、日本港湾協会理事長、会長を務める。その間、2005(平成17)年から3年間 北海道大学公共政策大学院特任教授(社会資本整備論他)を務める。2008(平成20)年度に土木学会第96代会長。
著書:『築土経国 「土木学」の提言』海山堂(2001年)『日本人の国土観』ウェイツ(2008年)
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