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商品説明
世界中で読み継がれている児童文学の古典的名作『ハイジ』。高畑勲演出のテレビアニメ『アルプスの少女ハイジ』をはじめ、映画、テレビドラマ、漫画や絵本など、多彩なメディアへの翻案を提供している『ハイジ』は、これらの氾濫するイメージに追いやられ、19世紀スイスに生きた原作者ヨハンナ・シュピーリその人に光が当たることはきわめてまれだ。
本書では、近代ヨーロッパ社会のさまざまな問題が織り込まれたシュピーリ文学の諸相を検証し、女性の自己実現、自然と教育のせめぎ合い、キリスト教信仰への思い、また社会運動へのまなざしなどのテーマが彼女の作品群でどのように変奏されていったのかを明らかにする。そして、その道筋の半ばに現れた傑作『ハイジ』の到達点をあらためて考察する。
爆発的な売れ行きをみせた『ハイジ』はまた、第三者による非公式の続篇の跋扈、数えきれないほどの映像化作品、そして日本でも多様なバリエーションの翻訳を生み出している。こうした「ハイジ現象」のうねりを鳥瞰しながら、スイスという国のイメージを規定する国民神話にまで上り詰めた「アルプスの少女」の魅力の正体を探る。
【目次】
はじめに
第1部 ヨハンナ・シュピーリの文学世界
第1章 ヨハンナ・シュピーリの修業時代と遍歴時代
1 ドクトルハウスの人々
2 村の学校、牧師館、女子寄宿学校
3 結婚とチューリヒ移住
4 どん底の日々
5 作家デビューまで
第2章 匿名作家J・Sの歩み――『フローニ』ほか初期作品
1 生きる苦しみ、死ぬ喜び――敬虔主義の土壌
2 信仰と懐疑――『フローニの墓に捧げる一葉』
3 自己処罰と自己実現
4 女性同士の連帯の可能性
5 女性教育の可能性――『失踪しても忘れない』
第3章 自然と教育のせめぎ合い――『ハイジ』:1
1 「自然に還れ」
2 男女のパートナーシップ
3 教育論争
4 近代的教育の袋小路
5 ルソーvsペスタロッツィ
6 教育の限界と精神医学
7 ABCの歌――ペーターの教育
第4章 キリスト教の複雑な役割――『ハイジ』:2
1 『ハイジ』=「有害図書」?
2 異教徒のインディアン/放蕩息子
3 ハイジの信仰と懐疑
4 放蕩息子の帰還
5 パウル・ゲルハルト『朝の祝福』――賛美歌:1
6 パウル・ゲルハルト『汝の道を委ねよ』――賛美歌:2
7 フィリップ・シュピッタとダニエル・ヘルンシュミット――賛美歌:3・4
…【商品解説】
著者紹介
川島 隆
- 略歴
- 1976年、京都府生まれ。京都大学大学院文学研究科教授。専攻はドイツ文学。著書に『NHK「100分de名著」ブックス カフカ 変身――「弱さ」という巨大な力』(NHK出版)、『カフカの〈中国〉と同時代言説――黄禍・ユダヤ人・男性同盟』(彩流社)、共編著に『ドイツ語と向き合う』(ひつじ書房)、『図説 アルプスの少女ハイジ――『ハイジ』でよみとく19世紀スイス』(河出書房新社)、訳書にフランツ・カフカ『変身』(KADOKAWA)、ジャン=ミシェル・ヴィスメール『ハイジ神話――世界を征服した「アルプスの少女」』(晃洋書房)、ペーター・ビュトナー『ハイジの原点――アルプスの少女アデライーデ』(郁文堂)など。
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