Their Satanic Majesties Request (Rmt)【CD】

サージェント・ペパーズ・シンドロームの最たる例として挙げられることも多いローリング・ストーンズの『ゼア・サタニック・マジェスティーズ・リクエスト』(1967年発表)。最近ではi-macのCFに使われ話題となった"シーズ・ア・レインボウ"(ストーン・ローゼズやシャーラタンズなど最近の英バンドのグルーヴに与えた影響も多大なこの曲。若いロック・リスナーもぜひ一聴を)や混沌とした光景から一条の光が差し、その中を潜り抜けていくようなヴィジュアル・イメージを喚起させる名曲"2000年光年の彼方"などが収録曲の中では際立つが、その他の曲の完成度との開きがありすぎの感がある。

デビュー作からのパートナーだったアンドリュー・ルーグ・オールダムを解任し、初めてセルフ・プロデュースを手掛けた1967年度作。ジャケットの印象も含めビートルズ『サージェント・ペパーズ～』の二煎じという最悪の評価を受けた一枚だが、近年“シーズ・ア・レインボウ”や“2000光年のかなたに”辺りの混沌としたプレグレッシヴかつグルーヴィなサイケデリック・サウンドが再評価を受け、現在では一定の評価も受けるようになっている。