目次
フィクションとしての歴史 ウォルター・スコットの語りの技法
- 米本 弘一(著)
- 序章 スコットの小説の再評価
- 第一章 新しいジャンルとしての歴史小説
- 1 ノヴェルとロマンス
- 2 スコットの二面性
- 第二章 歴史小説の確立-『ウェイヴァリー』
- 1 受動的な主人公の役割
- 2 エドワード・ウェイヴァリーの教育
- 3 ロマンスの世界への旅
- 4 夢からの覚醒
- 第三章 作者スコットのペルソナ
- 1 匿名の作者
- 2 分身する作者
- 3 幻影としての作者
- 第四章 一人称による語り-『ロブ・ロイ』
- 1 視点としての一人称の語り手
- 2 一人称の語り手による内面描写
- 3 ダイアナ・ヴァーノンの謎
- 第五章 有機体としての国家と女性の肉体-『ミドロジアンの心臓』
- 1 有機体としての国家
- 2 女性の肉体と行動
- 3 変装と変名
- 第六章 運命の流砂-『ラマムアの花嫁』
- 1 スコットの非合理的世界
- 2 スコットの象徴的世界
- 3 超自然現象の心理的解釈
- 4 絵画的描写と悲劇的効果
- 5 劇的描写と喜劇的効果
- 第七章 フィクションと歴史-『レッドゴーントレット』
- 1 語りの多層構造
- 2 父と子の確執
- 3 過去からの呪縛
- 4 過去との訣別
- 第八章 スコットの短篇小説の技法-『キャノンゲイトの物語』
- 1 ハイランドの寡婦
- 2 二人の牛追い
- 第九章 スコットの最後のペルソナ
- 1 逆境の中で
- 2 すり切れた仮面
- 3 最後のペルソナ
- 4 クリスタル・クロフタングリーの文学的野心
- 終章 結論として