目次
洋食やたいめいけんよもやま噺 (角川ソフィア文庫)
- 茂出木 心護(著)
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「三代目 よもやま噺」 茂出木浩司
一
たいめいけんのルーツは「西支御料理処」泰明軒
「おい、しん公、なべを八百屋で買ってこい!」
昔のコックの食事は、そりゃあひどいもんでした
女給さんとコックの仲はあまりいいもんじゃなかった
「かわいそうだは惚れたこと」なんてよく言いますが……
芸者衆のご機嫌をとるのはなかなか大変なことでした
秘密兵器V1号っていったい何だと思います?
「今日は百匁あったから二万五千円売れたよ」
昔の新川は酒問屋の街で情緒のあるいいとこでした
あたしの母親は江戸っ子で気っぷのいい女でした
二
昔の出前にはサービス精神がこもっていたもんです
海老フライの旦那と大盛りの旦那
甘いものといっしょじゃ、料理の味はわかりゃしません
昔は皿一枚洗うにも大変な労力がいりました
出前さげってのがまたむずかしいもんで……
立ってて役にたつのは電信柱とポストばかり
料理を覚えるにはまず数をかぞえろ
「コックの前掛けは手ぬぐいじゃないんだぞ」
商売のコツってのは、ほんのちょっとしたとこにあるんで
塩加減ほど料理人が苦労するものはありません
ハンバーグの目玉焼きにはナイフをぐっと入れて
切っても切れないフライパンとコックの仲
昔は、海老フライといえば豪勢な料理だったんです
オムレツに始まりオムレツに終わる、コックの修業
若い衆によく言うんです「同じところを三度掃け」って
三
皿に残った料理を見るのは料理人にはつらいもんです
ステーキのソースでご飯を食べるのがまた格別
タンシチューを食べても二枚舌にはなりゃしません
「フリーのお客さま? そんな言葉は日本橋じゃ通じない」
「おかみさんのレジも大したもんですね」
ウェートレスのいい呼び方をどなたか考えてくれませんか
料理の前にコーヒーなんてなんだかへん
ほか
四
ホット・ビールを飲むとほんとにホッとします
あたしは料理人、なにがなんでも食べなくちゃ
ボクシングチャンピオンとの永いおつき合い
祭りのしまいはお祭り騒ぎで、これが江戸っ子の心意気
粋な姐さんにたばこをもらう、これも祭りならではのこと
「ワッショイ」と「させ」と「もめ」これがほんとの御輿の掛け声
祭りに欠かせない風物詩、聯合わせの楽しさ
お恥ずかしい、凧は東京だけのものと思い込んでました
ほか
単行本あとがき
「お料理一一〇番 よもやま噺」 茂出木雅章
文庫本刊行によせて 茂出木雅章
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