目次
歴史を書くとはどういうことか 初期近代ヨーロッパの歴史叙述
- 小谷 英生(編)/ 網谷 壮介(編)/ 飯田 賢穂(編)/ 上村 剛(編)
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はじめに[網谷壮介・上村 剛]
第I部 二〇世紀の思想史家の方法
第1章 なぜ歴史を語るのか――物語論、時間地平、時間意識[小谷英生]
一 歴史の物語論による、実証主義歴史学の擁護
二 時間地平、時間意識――ハルトムート・ローザの議論を手がかりとして
小括
第2章 スキナーとポーコックおよび思想史叙述の問題[野原慎司]
一 思想史の歴史
二 スキナーとポーコックの思想史叙述の違い
三 方法論の違い
四 コンテクスト主義の課題
おわりに
第3章 歴史叙述と初期近代[上野大樹]
一 循環史観の「近代性」――初期近代人文主義者による歴史の発見
二 無時間的世界認識から批判的歴史叙述へ――実践的生のなかの「時間の政治学」
三 歴史主義、文献学、循環史観
おわりに――古来の国制、共和主義、複数の啓蒙
第4章 自由としての歴史叙述――オークショットとポーコック[佐藤 空]
一 歴史は科学になりうるか――オークショットと歴史論争
二 「現在」と向き合う過去――オークショット歴史論の展開
三 主権と歴史叙述――ポーコックのオークショット批判
結語――思想史からのアプローチ
第Ⅱ部 初期近代の歴史叙述の諸相
第5章 古典弁論術のhistoria――理論と実践[飯田賢穂]
一 技術の三分類――理論的、実践的、制作的
二 陳述と歴史の実践例――キケロー『カティリーナ弾劾』第一弁論
三 「感覚の証言」――歴史のもうひとつの伝統
四 近代における歴史の一実践例――モンテーニュ『随想録』第二巻第二五章
結論にかえて
第6章 イスラーム史を学ぶこと――ヨーハン・ヤーコプ・ライスケとイスラーム史叙述[稲垣健太郎]
一 東洋学史におけるライスケ
二 ライスケと『歴史の暦』
三 イタリア語訳『歴史の暦』とライスケ
おわりに――『先論』と『歴史の暦』
第7章 ポリツァイ学者ユスティの歴史叙述――勢力均衡と貴族の歴史[網谷壮介]
一 ユスティの人生とポリツァイ学
二 イデオロギー批判としての歴史叙述――勢力均衡論批判
三 過去との断絶――世襲貴族批判
四 ユスティの時間意識
第8章 モンテスキューの「アジア的専制」論とその影響――地理的差異から歴史的段階へ[安藤裕介]
一 「アジア的専制」の概念
二 政体と風土――アジアの逃れられない運命?
三 中国という例外――「アジア的専制」論の綻び
四 地理的差異から歴史的段階へ
おわりに
第9章 ルソーにおける共和国の軍事システムと古代ローマ史[関口佐紀]
一 ローマから学ぶ軍制改革の陥穽
二 共和国を保守する力としての軍事システム
三 立法の目標と軍事システム
おわりに
第10章 アメリカ連邦制と古典古代――ウィリアム・バロンとジョン・シモンズの植民地論争を中心に[上村 剛]
一 バロンの『歴史』と本国の植民地への課税の正当化
二 シモンズ『意見』の反論
三 マディソンの読解と合衆国連邦論への変奏
おわりに
おわりに[小谷英生]
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