目次
デジタルゲーム研究
- 吉田 寛(著)
- 序−ゲーム研究とはどういうものか
- 1 ゲーム研究の誕生
- 2 ゲーム研究前史
- 3 「それ自体のため」のゲーム研究
- 4 ルドロジー
- 5 ルドロジーとナラトロジーの調停?
- 6 イェスパー・ユールと「ハーフリアル」
- 7 アンソロジーから入門書、基礎文献へ
- 8 コンピュータメディアのもつ意義
- 9 デジタルとアナログ
- 10 デジタルゲーム−名称と歴史
- Ⅰ 知覚と認知−プレイヤーはゲームをどう感じるのか
- 第1章 スクロール
- 1 デジタルゲームの感性学に向けて
- 2 スクロール登場以前のビデオゲーム
- 3 スクロールの基本的パターン
- 4 縦スクロールの登場−エレメカから『クレージー・クライマー』へ
- 5 横スクロールの登場−右方向スクロールの優位
- 6 縦スクロールにおける「高さ」の表現
- 7 スクロールと結び付いた諸問題
- 8 3D(三次元的)スクロールとビデオゲームの未来
- 第2章 視点と空間
- 1 ビデオゲームに固有のものとしての「擬似3D」
- 2 ビデオゲームの空間構造
- 3 ビデオゲームの空間構築と視点
- 4 ビデオゲームのスクロール
- 5 ビデオゲームにおける「第三の次元」の表現技法
- 第3章 ゲーム空間の記号学−二重化する知覚
- 1 ビデオゲームにおける「インターフェイス価値」の全面化
- 2 サイバースペースにおける「スクリーンの二重化」−ジジェクと東によるタークル批判
- 3 アイコンとオブジェクト−スクリーンの二重化(Ⅰ)
- 4 意味論と統語論−スクリーンの二重化(Ⅱ)
- 5 スクリーンの二重化とはいかなる事態なのか
- Ⅱ ゲームプレイ−プレイヤーはゲームをどう遊ぶのか
- 第4章 ゲームプレイと他者への信頼
- 1 遊びの社会的使命と他者性の次元
- 2 ゲームの本質としての対立
- 3 「対立のために協力する」という逆説
- 4 「ゲームをする態度」の共有
- 5 規則か権威か社会契約か?
- 6 見えないものを信じること
- 7 自己への信頼、他者への信頼、世界への信頼
- 8 「信頼による連帯」としてのゲームコミュニティ
- 第5章 カウンタープレイ−ゲームに抗うプレイヤー?
- 1 ギャロウェイの「ゲーム的リアリズム」
- 2 カウンターゲーミング−ゲームに抗うゲーム
- 3 カウンタープレイ−〈帝国〉への抗い、ゲームへの抗い
- 4 「脱遊戯的プレイ」とゲームの脱構築
- 5 デジタルゲームの規則の特異性−「魔法円は存在しない」
- 6 デジタルゲームの〈ソーシャル〉
- 7 シミュラクルとしてのゲームプレイ−「ゲーム的リアリズム」をアップデートする
- 第6章 ゲームと公平性−社会革新としてのプレイ
- 1 「運のゲーム」対「技のゲーム」−一九七六年のピンボール
- 2 ギャンブルとゲームの境界問題−指標としての努力と帰結
- 3 「公平さ」の複数の原理−技、運、労力
- 4 ギャンブルの社会批判的性格−メタかアンチかプロトか?
- Ⅲ メディア−コンピュータで遊ぶ/コンピュータを遊ぶ
- 第7章 プレイヤーとキャラクター−ゲームにおける死の問題
- 1 ゲームにおける死をめぐる言説
- 2 大塚英志によるゲーム批判−「ゲーム的リアリズム」論争(Ⅰ)
- 3 東浩紀と「ゲーム的リアリズム」「ゲーム的リアリズム」論争(Ⅱ)
- 4 物語のアポリアとしての死
- 第8章 メタゲーム−自己批評するゲーム
- 1 メタゲームの批評的ポテンシャル
- 2 「ゲーム的リアリズム」とメタゲーム
- 3 メタレプシス−語りの境界侵犯
- 4 メタコミュニケーション−メタゲームの発生メカニズム
- 5 メタレプシスの三つのタイプ−ゲームを批評するゲーム(Ⅰ)
- 6 虐待的ゲームとミニマリズムゲーム−ゲームを批評するゲーム(Ⅱ)
- 7 「ノットゲーム」のリアリティ
- 第9章 メディアとしてのゲーム
- 1 マクルーハンとゲーム
- 2 「再媒介化」理論とデジタルゲーム
- 3 デジタルゲームは何を媒介するか
- 4 メタゲーム的再媒介化−「内爆発」するデジタルゲーム
- Ⅳ 文化のなかのゲーム−多面化するゲーム研究
- 第10章 ゲームと音・音楽
- 1 デジタルゲームにおける音と音楽
- 2 「物語世界」としてのダイエジーシス−映画研究と文学研究における展開
- 3 ゲーム研究におけるダイエジーシス概念の導入
- 4 ゲーム研究におけるダイエジーシス概念の批判的拡張
- 5 ダイエジーシス論争を超えて−ゲーム音楽研究の展望
- 第11章 eスポーツはスポーツなのか
- 1 「二一世紀のスポーツ」としてのeスポーツ
- 2 eスポーツ前史(一九七〇年代−八〇年代)
- 3 対戦型格闘ゲームとeスポーツの成立(一九九〇年代のアーケードゲーム)
- 4 eスポーツ先進国としての韓国(一九九〇年代のPCゲーム)
- 5 競技団体と国際連盟の組織化(二〇〇〇年代以降)
- 6 eスポーツはオリンピック競技になりうるのか?
- 第12章 ゲームの文化資源学
- 1 文化資源学にとってのゲーム
- 2 ゲームとは「システム」である
- 3 デジタルゲームと非デジタルゲーム
- 4 デジタルゲームの物質的・形式的特性
- 5 デジタルゲームの何をどう保存するのか
- 6 「経験」の保存としてのゲームアーカイブ
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