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みんなのレビュー5件

みんなの評価3.8

評価内訳

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5 件中 1 件~ 5 件を表示

2015/12/09 18:14

投稿元:ブクログ

中1の時のある事件以来、中2の今もクラスで浮いた状態の酒井美羽。
教師たちを信頼することは出来ないし、友達だと思っていた子たちとは今は話もしない。まわりからは危険人物と見られているが、本当は静かに過ごしたいだけだ。唯一の友達の唯ちゃんはおっとりとマイペースの女の子。美羽の今の状態でも、態度は何も変わらない。
そんな状況で、しかも変な時期に、同じクラスに転入してきた小宮山幸栄(サッチ)。どうやら、近隣の中学で暴力事件をおこして、むこうの学校にいられなくなったから転入してきたらしい。そして、そういう喧嘩上等みたいなタイプに、美羽は目をつけられやすいのだ。


帯に、あさのあつこさんが「ここには、少女たちの生身がある。」と書いている。坪田譲治文学賞受賞。

2014/09/01 01:41

投稿元:ブクログ

危険人物扱いに慣れ、静かな学校生活を送る美羽。そこに、近隣の中学から不良少女サッチが転入してくる。
関わりたくないのに何故か気に入られているようで…

不器用に他人との距離を近づけていく美羽、宝塚っぽい容姿のためか、凛としたかっこいい少女の印象が強い。また、繊細で感受性豊な子でもあることが魅力。

2015/03/11 21:07

投稿元:ブクログ

坪田譲治文学賞受賞作品。

周りになじめず、クラスから「浮いた」存在である少女たちの友情物語。
問題児扱いされる美雨と、転校してきた不良少女のサッチーと、全然タイプの違う地味めな唯ちゃん。私は中学生のときこんなふうに孤高に生きられなかったなぁ。ちょっと羨ましい。

「みんな小さい生き物はしっぽに弓を持っている」
弓とは、誇り、希望、夢などの象徴。

2014/09/30 11:11

投稿元:ブクログ

手にとって読みたいと思う子どもが少ないであろう表紙、装丁が残念でならない。
人との距離の取り方って難しい。今の中学生はどうなんだろう。無理して何となくあてられた役を演じていたりしているのだろうか。
人は見かけとは違う。言葉にはできない心のなかで考えていること、行動のうらにある行動を起こす理由になったこと。ああ、そんなふうに感じていたんだあ、そうなことがあったんだあ、と少しずつわかりあえていく友だちがいるといい。すべてわからなくていいし、みんななかよしでなくていいから。

2016/02/14 23:48

投稿元:ブクログ

そうだ、中学生の頃の気持ちって、こんな感じだった。
目立ちすぎても地味すぎても苦しい。
鬱屈した日々の中にも、曇天の中から光差す神々しい景色に、
生きる希望を見出すような、女子中学生のリアルな気持ちの物語。

主人公は、中学2年女子中学生・美羽(みう)。
見た目の印象から、ケンカを売られやすく、いじめに耐えかねて、
ついに切れて、暴力事件を起こしてしまう。
たった1回の事件を機に、みんなに避けてしまわれた。

終始、美羽の冷めた視点で物語が進む。
鬱屈した感じの中にも、彼女の素直な気持ちが読み取れて、
暗さを感じず、するすると読み進めれる。

無垢、あどけなさ、素直さで、過ごせた小学生時代とは異なり、
他人のとの距離感が、苦しい中学生時代。
浮くか浮かないか、ボッチにならないか。
正義とか悪とかではなく、クラスの自分の存在場所が一番なのだ。
そう、多数決の論理。

経済的に、独り立ちできない年頃。
まして、最近の複雑な家族事情。
離婚、片親、兄弟姉妹、暴力、食生活。
多感で、純粋で、異性に興味が湧き、なおかつ、食欲旺盛な時期に、
どれだけ、中学生に寄り添えられるだろうか。

それは、やはり、同年代の友達しかできないのだ。
何か行動するでもない。
たった一人でも、聞いてくれる友達がいれば、立っていることができる。

地味な唯ちゃんとヤンキーなサッチ。
性格や行動、趣味も違うけれど、波長合う3人の結末が微笑ましい。
そして、破滅したと思われた真帆との交友再開の予感。

体調わずか2ミリメートルの、小さな小さなクリオネ。
見た目はかわいい。
けれど、小さくても獰猛。
凶暴な天使。

まさに、中学生みたいだ。
見えないしっぽ、それも弓という、威嚇しているみたいに。
そんな些細なことを話せることができたら、きっと光が差しくるんだ。
天使のはしごみたいに。

第30回坪田譲治文学賞受賞作

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