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ものすごく好みな話だったんだけど、イラストだけ残念賞。単品で見たらそこそこ悪くないんだろうけど、この話には合っていないと思うな。
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これがデビューの新人さん。
過去に何らかのトラウマを持っていて、声が出せなくなった主人公。幼馴染の庇護の元、現状に特に不満もなく淡々と過ごしているが、幼馴染が実は自分のことを疎んでいると知ってから主人公の世界が変わっていく。
幼馴染を解放するため自ら行動していく主人公が、うじうじしていなくて好感が持てる。そんな主人公のちょっとした不安や迷いを、側にいることでさり気なく支えている攻も○。出てくるキャラクターが、話にありがちな都合のいいキャラではなく、みなどこかしら人間くささを持つ、物語に関わるべき存在であるのが秀逸。そして、それが一種謎解きのような物語に上手くはまって見せている。
後半でトラウマの原因が明かされ、主人公と幼馴染が抱えていた傷とその理由とについほろりとさせられ、そして最後は攻とのハッピーエンドにホッとする。読んでいて感情が動かされる切なくも素敵なお話でした。
ただわかりやすいスイーツ要素がない話のため、そういうもので萌えを感じる層には向かないかと。反対に、丁寧な心理描写を読み解き、行間を埋めていくのが好きな人にはたまらないはず。私は好きです。次回作も楽しみ。
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★3.5。お初作家さま。余白少ない、ちゃんと読ませる文体だった。
精神的要因で話せなくなった受けと、ちょっとアウトローなクラスメイトの攻め。+受けの幼なじみとその彼女の複雑に絡んだ関係。
受けが喋れなくなった原因を小出しにして、謎解きのような流れだったので先が気になって気になって…。想像してたより事件は酷くなかったけど、病んでる人の行動心理にちょっとビビった。
残念な所というか、もっと攻めの過去とか内面に言及してほしかった。ので攻めの行動が納得いきません。もしくは、いじめっこのエピはなくて良かった。DV男って暴力と優しさを繰り返すんだよね、と最期にふと思ってしまった自分に残念…。ああ台無し。
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木村ヒデサトセンセのイラストで発見した作品。発売当時まったくチェックしていませんでした。
これが商業誌デビュー作とのことです。
トラウマ持ちで声を発することができない高校生の真幸視点で描かれた、トライアングルもの。
いつも側にいて面倒を見てくれる幼馴染みの純太の力を借りて何とか高校生活をやり過ごしていた真幸の生活に、転校生の実波が強引に介入してくることから変化が生まれていく…という話です。
話の雰囲気や高校生の生態の描き方がちょっと古風で地味な印象だったんだけど、トラウマの件からどんどん真相が明らかになってくるにつれてインパクト大な展開で、驚きました。
こうくるとは予想してませんでしたね。
真幸の今までが本当に不憫でやりきれないです。そんな真幸の側にいた純太の心の内も計りきれないほど辛かっただろうなと思えます。自分のせいだと悔やまずにはいられないですよね。
そんな純太に頼りきって、甘えて、心の平安を維持してきた真幸にとって彼はかけがえのない存在で、ひょっとしたら恋心になっていたのかもしれないと思わせます。
多分美由紀の存在が、実波に心が傾くきっかけになったのでは…
実波の気持ちというのがちょっと理解しにくかったですが、未熟で不安定な年頃の少年の持つ危うさとかナイーブさがすごく出てる感じ。
3人ともいろいろ未完成で、傷つけたり傷つけられたりする脆さがにじみでていて切なくもいとおしくなってしまいました。
それぞれの魂の再生という点では、ほっとさせるものがある話です。
彼らのその後の姿が、できれば成人後の姿が見てみたいです!