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樋口さんの作品の中でも僕が好きな部分と嫌いな部分が混ざりあっているけど伝わるというか届くものがあって何度も読み返すと思う作品。
連載で書かれなかった第三部読むと父になれない問題を書き続けた村上春樹作品(第三部で春樹の名前も出てくるが)を読んできた樋口さんだしそうなるわなと納得な部分が多々ある。
渡辺淳一オマージュはあるとしても師匠の白石さん文体や雰囲気をどことなく感じるから余計に。
父というもの、子供が大人になるというのを樋口さんが様々な体験を得て書いているのが伝わってくる。
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前半は、秀子がオトコの理想過ぎない??と思ってたら、後半少しずついろんなことが見えてきて、でも、まだなんかわからない感じが、それが恋愛なのかな、と感じた。章をまたぐところの展開にちょっとついていきづらい。
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樋口毅宏という鬼才の、とても普通でストレートな小説。恋愛小説でもあり青春小説でもある。どちらもこの作家とは一見縁遠そうなジャンル、そしてあまりにも普通すぎる庶民的な作品であるところに、かえって面食らう。
最初は普通の会社勤めをしている主人公であるが、最も嫌いな直属上司の奥さんとの不倫を続けるうちに、行き詰った人生への突破口のようなものを見つけてゆく。日常生活のディテールの中に、不倫という冒険を見出したことにより、緊張感や心の葛藤をこれまで以上に覚えるようになる。そしてさらに多くの周辺登場人物との桎梏を経て、様々な人間模様、その陰と陽、内面の真実といったものに踏み入ってゆくことで、彼自体の青春が徐々に新しい局面へと脱皮してゆく。
樋口毅宏らしい作品『二十五の瞳』では、作家自ら高峰秀子をとても好きな女優であり、作品全体がこの名女優へのオマージュだというようなあとがきを残している。だからなのか、本書で主人公が不倫、というより純愛にも近い気持ちを傾けてゆく年上の女性の名が「秀子」。
さらに主人公は、会社勤めに見切りをつけて、好きな小説を書くことで作家への道を志す。不倫小説ということでぐちゃぐちゃの官能小説に終始することが心配されたが、その実、本書はもしかしたら作者等身大の主人公を実直に描いてゆくことで成立する私小説なのではないだろうか。
作者の趣味・好みが完全に投影されたかに見える主人公像と、巻末で作者がインスピレーションを与えられたものとして列挙される本、映画、ドラマ、音楽、俳優、作家、ミュージシャン、ネットコラム等々などを見ていると、本書は何らかの意味での作者自身の真剣なる私小説と捉えられるような気がするのである。この手の作品は、作者にとって最初で最後の作品となるのではないだろうか。そう予測すると、希少価値がある一作と言えるかもしれない。
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主人公は仕事では余りパッとしない中堅サラリーマン(離婚暦あり)。しかし上司の経理部長役員の美人妻と不倫関係に陥る。最初はあてつけのつもりだったが、お互いの愛は燃え上がってしまう。上司・同僚・後輩らの会社での様はリアルだ。その後会社の内部闘争で社長派の経理部長は破れ、秀子はだんだんと本性を現してくる。この著者の本としては、いつもの訳の判らないインパクトが少なかったのが残念か。
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クリスマスに何読んでるか、ってくらいのエロ描写が半分くらいでは…。そしてうまーくサブカル情報入れてくるのが秀逸。
秀子って閉じてたって言ってたけど、あれが嘘なの?本当に兼吾の子供なんだろうかと疑ってしまう。
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なんでもできますはNG、これなら任せてくださいがベター。
最後の10ページでただのエロ小説ではないことを強く感じた。秀子は怖い.