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2015/2/1 Amazonより届く。
2018/8/7〜8/11
第1回鮎川哲也賞受賞作にして、大学生時代の森江春策が登場するシリーズ第1作。芦辺さんらしい凝りに凝った構成。読み進めていた時の違和感が回収される時のカタルシスが存分に味わえる。かなり前の作品なので時代的に古さも感じさせるところもあるが、受賞作に相応しいと思う。
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京都にあるD**大学の文芸サークル「オンザロック」の一員で、推理小説家を目指している十沼京一は、元医院を改装した古い洋館「泥濘荘」で、仲間とともに気ままに下宿暮らしをしていた。だが、ある日メンバーの一人が館の望楼で縊死体となって発見される。それをきっかけに、次々と死に見舞われるサークル員たち。犯人はメンバーの一員か、それとも……?
名探偵・森江春策初登場作にして本格ミステリファン必読の書。
第1回鮎川哲也賞受賞作。
著者あとがき=芦辺拓/解説=千街晶之
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のっけから核心部分のざっくりした感想\(^o^)/ご注意を~
「そこ」に犯人はいないのか…と思ってしまったんですよね~(ざっくり)。「ここ」にはいても、「そこ」にいなければ、いくら見取り図があって被害者全員その屋敷の住人でも、館ものとは括りたくないなあ、って。ちょーっとアンフェアな印象すら抱いてしまった。
(ココとかソコとか変な表記すみません…ネタバレ防止です…。)
これほど色々なトリックが詰め込まれてて、そんな些事に突っかかるなんて、自分で言うのも何ですが偏屈極まりないですね。もうこれはマニアの業とあきらめています(笑)。
ただ、「自分の住んでる建物内でこうも立て続けに怪死が続いてるのに、だれも【俺はこんなとこ出ていくぜ!】ってならない不思議(笑)」とか、その辺のお約束な部分に関してはスルーできるのも、マニアの業だわね~と妙にしみじみしてしまいました。
だからこそ!上記で述べた部分は!何とかクリアして欲しかった!!←くどい
まとめるの忘れてた~\(^o^)/というわけで、またしても引用でっす
縛り首、毒殺、密室、連続殺人の恐怖!
古びたアパート「泥濘荘(ぬかるみそう)」へ転がり込んだミニ・コミ誌仲間の13人。格好の根城を得た喜びもつかの間、縛り首や毒死、密室とあらゆるやり方で、1人また1人と殺されてゆく──。残った仲間の誰が犯人なのか。友人たちを救おうとする名探偵・森江春策の推理は?第1回鮎川哲也賞を受賞した本格長編推理。
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第一部の沼視点の話が微妙な語り口だとは読んでいるときに思っていた。それが伏線になっていようとは驚きだった。
「十角館の殺人」を読んだ時と同じような印象を受けた。人によってはとっつきにくいとても凝った推理小説だなと思った。
シリーズものらいしいので他の本も読んでみたいと思った。
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創元社から復刊を機に読んでみました。
これだけの趣向も取り込んで、それを綺麗に収束させたことにまず驚きました。殺害方法もバラバラで、誘拐事件まで発生。さらに政治闘争まで絡んできて、散漫極まるといった感じだったのに…
個々のトリックは面白味に欠けるし、前半の手記部分は余りにも読みづらい。
それでも、作者の本格ミステリに対する想いが随所に感じられ、読み終わってみれば、良くも悪くも本格を読まされたと嘆息。
最後に明かされる、内外の密室に纏わる趣向はなかなか面白いと思います。
こういう趣向を凝らしちゃうあたり、やはり本格ミステリが好きなんだろうなぁ…
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デビュー作ということで著者の気合いと情熱が十分に伝わります。展開が速いので時系列がいまいち分かりずらかったですが、勢いに乗せられて一気に読みました。
大学のサークルの面々が居住する「泥濘荘」で事件が次々と起きるわけですが、登場人物たちをきちんと把握する前にみんなどんどん死んでしまいます。
密室や毒殺など殺害方法もバラエティに富んでますし、なんて忙しい犯人なんでしょう。
クローズドサークルではないので警察も介入しているのですが、怒涛の展開の前では警察の存在感が薄い。
いろいろと過剰な1冊ですが、このてんこ盛りな感じは嫌いじゃありません。個々のトリックも楽しかったです。
ネタバレ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
加宮が背中を刺されたまま電車に乗り、当初の計画通りに行動したというのが一番引っかかりました。
犯人を恐喝するパターンで、油断して逆に殺害されてしまうという展開は嫌いなのですが、十沼の狂気的なまでの推理作家への野望があってこそというのには納得。
十沼はじめちょっとどこか狂ったような人間が多い中、皮肉屋で一番厄介だと思っていた蟻川が最終的に一番まともだったというのはおもしろかったです。
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凝っている作品。
次々と起こる殺人事件。伏線は全て回収していく手法は凄いが、殺され過ぎ。殺される人物に個性が少ないので、誰が誰だか良く解らない。
面白くはあったが読後の印象は薄い。
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お話は好きなのですが、文章がちょっと合わないのか途中でダレる。
でも真ん中当たりまでは面白くて一気に読みました。
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「森江春策」シリーズの第1弾なのだけれど、その後の森江から受ける印象とは違う大学生の森江による推理劇である。
十沼京一の手記による前半、森江の推理による後半にわかれている。
論理に基づいた推理。
事件の矛盾点をつき犯人の行動を推測し、解明にむけて思考をめぐらす森江。
時代背景が昔のためか古さを感じる場面も多いが、物語としての面白さには影響していないように感じた。
トリックあり、アリバイ崩しあり、密室あり。
本格派をめざして書かれた物語なのだけれど、少々中だるみというか読みにくいところもあった。
思いついた案を詰め込むだけ詰め込んだ物語でとにかく長かった。
それでも、手記の冒頭部分にすでに伏線となるべき状況がしっかりと描かれていたりとミステリーとして練られている部分も感じた。
新人作家が意欲に燃えて書き上げた意欲作といったところだろうか。
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ながーーーい。途中から、なんか怪しいな…これはもしかしてアリバイなくないか⁇と思ってたらやっぱり犯人でした。次々と人が殺され過ぎだし、もちろん小説だからフィクションなんだけど、それにしてもリアリティーがf^_^;隔離するとか、親なら心配で帰って来い!とか、なんかあるだろうと。そして出てくる大学生がわりとギスギス仲悪くてなんか…イヤ。推理の議論してる場面も長いし。まさかの語り手が死亡するとは思わなかったのでそこは驚きましたが。合わない作家さんなのかなぁ。残念。
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森江春策初登場にして鮎川哲也賞受賞作。さすがに書かれた時代が時代だけあって旧さは感じられたものの森江春策の謎解きが始まるまで数多の殺人の謎解き全てはわからず。この時代だからこそできたネタもありミステリを楽しむことは十分にできた。
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前半読んでいて、こんなにも"新の探偵"の登場を待ち望んだ小説はなかったかもしれない。
"殺人喜劇"というだけのことはある。
前半は読むのがつらいくらいだったが、全ての謎を解く鍵は書いてあったと思う。"小説の中の小説"だと意識して読むことをおすすめしたい。
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病院を流用した学生寮で次々と大学生が殺害されていく様子が、推理作家志望の学生の手記という形で描かれていく。解決編は面白いものの、何だか文章が読みにくくて、中盤ちょっと苦労しました。
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かなりわかりにくいお話でした。
期待の森江さんが登場するのが
あまりに遅くて、出た途端に謎解きしちゃうし
で、犯人は、ちゃんと逮捕されたの?
(読み飛ばした?)
最後の贈り主も読解力のない私には
さっぱりでした。
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月並みな感想で恐縮だが、真相にはとても驚いた。
もはや「驚いた」がミステリ作品への賛辞なのかどうかも分からないけれど。
記念すべき第一回鮎川哲也賞受賞作品(の改稿作)。
やはり、私はこの賞を獲る作品がとても好きだなと思うし、とりわけ本格ミステリが大好きだなと思う。
まず、部屋数の多い建物がある。
そして、その建物は外界と断絶されている。この断絶は、心理的・物理的どちらでもよい。
そして、密室があり、殺人が起きる。
巻頭に建物や敷地の見取り図があると尚良い。
そして、さんざん惨劇に見舞われたその場所に、名探偵が登場する。
古今東西、あまりにも多くのクローズドサークルが描かれてきたが、何度そのシチュエーションに身を浸そうとも飽きることがない。むしろ、その多彩さに、毎度新鮮に驚かされている。
前置きが長くなったが、本書である。
型通りといえばあまりにも型通りな、クラシックなクローズドサークルもの。とはいえ、本書の「館」は完全なクローズドではない。
京都の大学のとあるサークルメンバーが身を寄せあって暮らす、もとは病院だった建物である。
電話線は通じるし、何より早くから警察が介入している状況ではあるが、若者特有の排他的な雰囲気やその他の要素も相まって、一種閉鎖的な空間で、事件は起きる。
そして、終盤の探偵による演繹、鮮やかな解決。そして、シリーズ第一作でもあることからか、「次」への布石のような最後。
例えるなら、最高の老舗の幕の内弁当を食べたような、そんな安心感と安定感があった。