投稿元:
レビューを見る
[ 内容 ]
「捕鯨禁止」が生態系を破壊する!
水産庁漁業交渉官が語る「日本人がクジラを食べてもいいこれだけの理由」。
[ 目次 ]
序章 日本の市場から魚が消えてしまう!?(クジラ過剰保護が生んだ漁業者の嘆き)
第1章 食糧危機を救えるのはクジラだ(このままでは魚がいなくなる!? 「捕鯨禁止」が生態系を破壊する! ほか)
第2章 IWCに巣食う魔物たち(捕鯨を葬り去ろうとする反捕鯨国の数の暴力 科学的根拠をねじ曲げるIWC本会議の実態 ほか)
第3章 反捕鯨「環境団体」の正体(金集めのために宣伝行為をする反捕鯨環境団体 南氷洋調査を妨害するグリーンピースの卑怯なやりくち ほか)
第4章 捕鯨再開までのカウントダウン(京都会議合意からはじまる日本の捕鯨推進運動 IWC健全化は会議の透明化からはじまる ほか)
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
投稿元:
レビューを見る
初めて読破できた新書です。
中3の頃、ホームルーム枠で総合的な学習(過渡期でまだ総合的な学習枠の授業枠が無かったようです)で、
鯨類について調べていた時に、父から譲り受けて読み上げました。
投稿元:
レビューを見る
ネタバレ 2000年刊。著者は水産庁職員(IWC国際捕鯨委員会担当?)。日本の水産庁側なので、反捕鯨団体、その圧力を受ける反捕鯨国家とその担当者、そしてそれらが多数派を占めるIWCの運営に対する恨みつらみが全編を通底する。その中で、①鯨は海洋における食物連鎖の上位に位置するので、鯨の頭数管理をしないまま放置すれば、他の海洋資源・海産物へ深刻な打撃を与える(現に与えている)。②鯨頭数は、種の如何はあるが、かなり回復し、種類によっては管理商業捕鯨をしても影響は小。③反捕鯨団体とその影響先は科学的根拠の欠いた主張を展開。
というもの。①の指摘は得心いくし、行動的環境団体の問題(資金獲得手段に反捕鯨を利用)は理解できる。ただ煽り気味の文体は気になる。しかも、翻って、ⅰ科学的根拠があるにもかかわらず、これを上手に世論にプレゼンできていないのは誰の責任か。ⅱ鮪のように、日本商社が条約非加盟国の籍の船を利用して、漁獲制限のすり抜けをする危険性に全く配慮がない(鮪の件は著者も指摘)、等の問題に触れないのも片手落ちか。この点を割り引いてみれば、新奇な情報が得られるかも。
鯨を「海のギャング」「海産物の呑み込むブラックホール」というような判りやすいキャンペーンを、特に米国世論にぶつけるくらいでないと…。あるいは鯨肉が非常に美味しく牛肉などを凌駕するというのも出来ませんかねぇ。正しいことを言っていればそれで足りるという著者の思い込みは、交渉ごととしては不十分といわざるを得ない。