投稿元:
レビューを見る
読み始めは話の流れが速くて、ちょっと分からないことや名前を覚えるのが大変でした。主人公の名前がなかなか出てこないところがミソ。
大学を卒業したら、自分を信頼してくれる上司の下で働き、数多いワードローブを取っ替え引っ替えて着、友達の支えられつつ、素敵な男性と関係を築く・・・そうなるはずだった。ところが現実はそうはいかない。大学は出たものの職はなく、今はしがないテンプ(派遣社員)。正社員からはこき使われ、いじめを受け、人間性を無視される日々。おまけに、恋人まで友達に寝取られて・・・。
この1冊の本の中に、山場が何度あったことか。面白すぎた。
投稿元:
レビューを見る
派遣社員で何かと不満が沢山ある主人公がある事をきっかけにスリリングな事を企てたり、本当の恋に気づいたり、面白くてどんどん読める本。
投稿元:
レビューを見る
派遣社員(テンプ)である「わたし」は名前を覚えてもらうこともなく次の職場へ転々とする日々。元アイドルで幼なじみのベンの家に、恋人のマシュー、失業手当で暮らすクレイグ、いちおう正社員のドナ、キャリアウーマンのタニアの6人で暮らしている。派遣先では遊んでいる社員にこきつかわれるし、プライベートではタニアにマシューを取られてしまう。絶望にうちひしがれても、テンプは仕事にプライベートの悲しみを引きずることは許されない。
パーマネントジョブを望みつつ、派遣先でのダメ社員に向けられる冷ややかなまなざしがしょっぱなから面白くて引きこまれた。同じOLさんなら、とくに楽しめるはず。イギリスが舞台なのですが、コピー機やFAXを使えないおじさんがいるのも日本と一緒(笑)。
「わたし」以外の5人の人生や仕事も終盤に向かって変化していく。中でも気に入ったのはベン。アイドルとして人気絶頂の十代を過ごした後、気づけば「あ~、彼ね、なつかし~」と言われる存在に。そこから這い上がる様がなんともよくて、「わたし」とともに応援したくなります。
なぜか「わたし」の名前がラスト近くまで出てこないんだけど、わざとだろうか。読者と同化させるため?
終盤、トントンといいように転がって行きすぎる感じは否めないけど、お仕事やなんやかんやでお疲れ気味の人には、共感し、元気をもらえる作品だと思う。