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母さんがベストセラーになった当時に買った本。
一緒に読んでた。
装丁も素敵な本は内容も素晴らしいものが多い!
家を出る時に譲ってもらいました。
吉本ばななさんの本は、どうしようもない潔さがあって好きです。
辛い事を逃げないで受け入れる事。
時が解決する事。
この本を読む事で救われる人は、きっとたくさんいると
思う。
小説っていうのは、物語の中に伝えたい教訓のような、メッセージがあって、吉本さんはその能力がとび抜けて、ずば抜けて高いし凄い。
分かりやすく伝えやすく描いて
くれている。
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衝撃だった。たんたんと進んでゆくストーリー、悲しいはずなのに優しい気持ちにさせる。読後、しばらく現実に戻れないのです。
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映画も邦画の割に綺麗だったし本は感動的だった。ああいうsex抜きの男女関係だってあるんだ!みたいな感想をどこかに書いた。私にとって居心地のいい場所というのはどこだろーっていうと、視聴覚準備室みたいに機械がいっぱいあるとこなんだよね。成長していくということに肯定的こだわりのある作者だね。'90
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ずっとずっと読みたかった本。図書館で偶然見つけたんだけどパラパラと読んだだけでとっても惹き込まれた。
吉本ばななさんの書く言葉って、どうしても私を惹きつけてしまうんです。
この人の書く言葉使いや流れ、夜明けというキーワードもあってか、とっても私は大好きになってしまいます。
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小学校の時に読んだけど、あまり意味がわからなかった。で、また今読んだら名作と言われてるのがわかった気がした。人が死んでいなくなる時の孤独感とそれでも乗り越えていくことの出来る人間の強さがわかりやすく経験のない自分にも実感できた。「2度と」会えなくなってしまう人たちとの時間も大切にしつつ、自分の足でしっかり歩いていける人間になりたいと感じた。
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文体はともかく内容はとても胸に来る話だった。読んだ後にね、余韻に浸っていたいと思えた話は久しぶり。母の本でした。
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闇の中で、絶望したり放り投げたりせずに、何とか光を見つけ出そうとする姿勢がすごい。生きることをがんばる気持ちになれる本。
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かけがえの無いものを失った人を描いた短編集。
非常にキレイで可愛い雰囲気を持った文体で、傷ついた人が次へ踏み出していく姿、恋愛を描いている。
表題作のキッチンは、祖母を失い天涯孤独になった少女が、祖母の友人の雄一の家を居候になったことから始まる。
徐々に癒えていく心と2人が心を通わせていく姿が非常に素敵だった。
ナイスブック!!
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とても疲れてカラカラになったときにみずみずしくしてくれます。
雨降りの初夏の日に似た、心地よい湿気と温度を感じます。
美味しい日本料理を食べた後の様な、ほとんど後味を残さずに幸せな気持ちだけがほんわかと残るみたいな、そんな本です。
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切なくて優しくて、愛ってこういうものかもしれないって知らないくせに知ったような気持ちになる。
どうしてよしもとばななは「キッチン」を選んだんだろう。読み終わってから、そればかり考えてしまう。
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読む度に光を感じる。
冷蔵庫の室内灯や雪明りのようにぼんやりとほの明るい光。暖かくも冷たくもない丁度人肌くらいの光。
物語に感動したとか人物に感情移入ができるとかではなく、この話の中にある静謐さと淀みのない空気を感じたくて時々無性に読みたくなる。
ストーリー自体はブラウン管の向こう側の出来事の様なのに、家を引き払ったみかげががんがんわんわん泣いて、少し落ち着いてくると厨房からの湯気や喧騒に気づくシーンや、夏の間狂ったように料理を作るみかげは、ブラウン管から投げられた消える魔球がいきなり目の前で再び姿を現したみたいに感じる。遠かったものがいきなりぐんと近い、目の前に現れてがつーんとぶつかる感じ。
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とても幸福になれる本として、以前から知ってはいた。吉本さんを苦手だと思っていたあたしは敬遠していた。しかし、今この歳にこの時期にこれを読んでよかったと思う。誰かを失う事を知っている事。それがあるか無いかで印象が大きく違う様に思う。後書きで彼女は「普遍的なテーマ」だと書いている。また読むだろうし、また違う印象を持つのかと思うとわくわくさえしてくる。
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こんな文体があるもなのか、と衝撃を受けた作品。余分なものを削り落としたから、まっすぐに言葉が入ってくる。
好きなシーンは、みかげが雄一をなぐさめるために、習った料理を片っ端から作っていくところ。その後二人で片っ端から食べる。「死」が身近になってしまった「みなしご」の二人が、生きるために食べているような、ただ淡々と。月の出た春の夜に
読みたい本。
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大好きだった作品。
たしかむかーし牧瀬里穂さんが出演する形で映画化されたような・・・若干あいまいな記憶ですが。
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「キッチン」とその続編となる「満月」、
そして「ムーンライト・シャドウ」の三作品が収録。
「満月」でみかげが雄一に届けるカツ丼。
「ムーンライト・シャドウ」でさつきが柊に誘われて
食べに行くかきあげ丼。
どちらも油で揚げた、ましてやカツ丼なんて、
動物の肉体を切り取ったエネルギーの塊のような食べ物だ。
心身共に弱っている人間にとってはちょっと「強くて」、
箸をつけることに迷ってしまうような代物である。
なのに、なぜみかげは遠い町からタクシーを飛ばし、
彼の泊まっている旅館の建物をよじのぼるってまで、
彼にカツ丼を食べさせようとしたのか。
事故で死んだ恋人のセーラー服を着て町を歩く柊は、
同じ事故で死んだ自分の兄の恋人さつきの事を気遣い、
かきあげ丼を食べに行こうと誘うのか。
それは自分と同じような立場の人、
とても大切に思っていた人がある日突然
「別の世界」へと旅立ってしまって、
独りで「生の世界」に取り残されてしまった、
喪失のショックや苦しみで疲れきった同志である相手に
「生きるエネルギー」を与えたいからだ。
自分も同じような立場の人も、
どんなに辛くて悲しくても
「生き続けなくてはいけない」から。
それは、風に吹かれてゆらゆらと揺れている、
今にも切れそうなロープを掴んで
崖登りするような必死さのあるもの。
「生きるために」、悲しみに立ち向かうために、
力を与えてもらえそうなものを食べる。
そして「同志」にもそれを分け与える。
「カツ丼の出前に来たの。わかる?
ひとりで食べたらずるいくらい、おいしいカツ丼だったの。」
「こんなカツ丼は生涯もう食うことはないだろう。
・・・・・・大変、おいしかった。」
「そうだ。ものすごくおいしいかきあげ丼の店が
突然近所にできたんだ。カロリーもある。食べに行こう。
今、今すぐに。」
「おいしい。生きててよかったと思うくらいおいしい。」
生の世界に残された人間は、
生きるために、悲しみに負けないために必死だ。
どんなに絶望しても死んだ人は、
もう元の世界へ帰ることは出来ない。
生の世界に残された人間は、
どんなに寂しさや孤独を感じても
自分の寿命分の時の流れを歩いていかなければいけない。
死の世界へ旅立ってしまった者の
「生の世界の時間」は、そこで止まっている。
生きている者はその時間を乗り越えてまた歩いて行く。
その残酷なまでの現実は、あまりの切なさと哀しみで
それと向き合う者の心をぎゅっと掴んで、息苦しくさせる。
吉本ばななさんの作品は、作家デビューの頃に書いたものから
現在の著作に到るまで、一貫して
大切な人の喪失による深い悲しみや心の傷、
不安で揺れる心、それに対する癒しや救い、
精神の成長といったテーマを大切な事として取り扱って
描かれているような気がする。
透明感溢れるさらりとし��文体で、
そしてどこか温もりのある不思議な空気で、
そんなテーマを丁寧にくるむように
一つ一つの物語を生み出してくる。