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紙の本

強制収容所とゲットーの違いが分かっていない

2023/12/26 19:10

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:オタク。 - この投稿者のレビュー一覧を見る

ジーモン・ヴィーゼンタールが協力している割にフォーサイスは強制収容所とゲットーの違いが分かっていない。でないと強制収容所の出来事の語り手代わりの日記に登場する女性が生き残ろうとして厚化粧をするなんて書けるわけがない。強制収容所でユダヤ人がカポーになる事はドイツ人の手先となって同胞を虐待する事なのに「強制収容所の出来事を記録する為」だとは随分と軽い。カポーはゲットーのユダヤ人評議会やユダヤ人警察、ゲスターポの密告者になった人々のように「ドイツ人の手先となって同胞を仇する連中」だとユダヤ人に忌み嫌われているのに。この程度の認識では「ユダヤ人問題の最終的解決」など冒険小説のネタになる背景に過ぎないのだろう。
 作中で主人公がヴィーゼンタールからハンブルクの警察に勤務する元SS将校のリストを見せられて驚く描写があるがブラウニングの「普通の人びと」を読んでしまうと、この小説家は何を書いているの?だ。第三帝国時代の警察はヒムラーがドイツ警察長官で内務大臣を兼務していて警察大将でもあるハイドリヒがインターポール長官になり、元々バイエルンの警官だったハインリヒ・ミュラーがゲスターポ長官であるように警察はSSと一体化している。「普通の人びと」で描かれているように当のハンブルクの警官達が第101警察予備大隊に入隊してポーランドでユダヤ人を殺していたが戦犯裁判にかけられた幹部以外は英軍軍政下の警察でも勤務していた。他にハンブルク以外で勤務していたSSに籍があった警察官か元武装SS隊員がハンブルクで警察官になっていたとしても驚く事もないだろう。
 それにしてもソ連が存在している時期だけにラトヴィア人が「東方の野蛮人」のような書きっぷりはまるで第三帝国のイデオローグになる「劣等民族」としての描き方だ。今なら民族差別だと批判されるだろうしラトヴィア政府が抗議するのは確実だ。この作品にはラトヴィア語訳ってあるのだろうか。
 主人公のペーター・ミラーは再軍備後になって始めて連邦軍に入営した時に手錠を入手したが、ギリギリ小国民隊に入隊してパンツァーファウストを持って戦場に送られる年齢なのは気がついていない。目立つ愛車に乗って「ナチの戦犯」を追及するのはいかにも小説的。追跡してくれと自ら主張しているようなものだ。
 リヒャルト・グリュックスはヘースの回想録では「零時」の頃には死にかかっているとあるので多分、フレンスブルクか近郊に葬られているだろうがマルティーン・ボルマンの運命がベルリンから脱出しようとしていた途中でアクスマンの見たとおりだったのに「南米で生きている」だったものだ。
 この小説は戦後世代にしては嫌にナショナリスティックなドイツ人が主人公なのは「全てのドイツ人はナチではない」というヴィーゼンタールのドイツ人観が裏打ちされているのだろうがドイツ市場で作品を売るというのもあるのだろう。もっとも「マイダネクにはユダヤ人向けの保育園があった」とある偽書「断片」を見抜けないダニエル・ゴールドハーゲン流の「第三帝国時代のドイツ人は全てナチ」で作品を書かれていては読み捨てされているだけだろう。

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2007/05/30 00:44

投稿元:ブクログ

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2013/04/01 09:40

投稿元:ブクログ

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