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中巻は江戸時代~明治の憲法制定までを扱っている。
ある意味で日本史が最もアツかった時代であり、
著者は、そのアツさの要因を、民衆の中での(じわじわとした)
自立心の向上に求めている。
ともすれば「慢心した支配階級の堕落」一本で語られがちな
江戸~明治の激動に関して、民衆の自立心の向上をキーとした
一貫した分析は、一般的な教科書のこの時代の扱い方とは異なり
読みながらとても新鮮な感じをうけた。
学生時代に、教科書と合わせて本書を読むことができれば、
多様な視点の大切さを、実践的に学ぶことができるのではないだろうか。
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[ 内容 ]
上巻にひきつづき、鎖国から明治維新を経て近代天皇制の確立にいたるまでをあつかう。
厳重な幕藩体制の下で、民衆の力はまず経済と文化をにぎり、やがて政治上にも封建制をゆるがしていく。
明治維新と自由民権が私たちに与える教訓は何か。
今日の日本をつくり上げた原動力を独自の歴史観によって描き出した日本通史。
[ 目次 ]
百姓・町人の勢力の上昇―封建社会の最後の段階
平民文化の発展―民族的文化の独創
封建制の矛盾の激化―享保・天明期の政治と社会
変革の諸要素の成長―革命と改革の予言・近代の前提
開国―封建制の危機と民族の危機
倒幕―危機からの脱出
明治維新(革命と反革命
上からの近代化)
自由民権のたたかい―民主革命と東亜連帯の結合
民権運動の挫折―蜂起・統一戦線・敗北
天皇制の完成―古代と近代の結合とその矛盾
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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(1971.07.29読了)(1971.06.20購入)
*解説目録より*
日本列島の中で、くりひろげられてきたわが民族の歴史―それは、われわれの過去であると同時に現在であり、また未来ともつながっている。特に、維新以後の急速な発展は、世界史上の一つの「謎」であったが、そのような今日の日本国をつくり上げてきた原動力はどこにあるのか。この設問をもって本書は書かれた。戦後歴史学の成果に立脚しつつ独自の歴史観によって貫かれた好個の概説書。
☆井上清さんの本(既読)
「条約改正」井上清著、岩波新書、1955.05.20
「日本の歴史(上)」井上清著、岩波新書、1963.09.25