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昔の作家は読書家でした。今の人とは比べものにならないくらいの知識を持っていた。そんな人が語る作家論。
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2009/8/14図書館で借りる
2009/8/16一度返却(出直してくるという意味で(笑))
論じられている作家
森鴎外:
尾崎紅葉:
泉鏡花:
谷崎潤一郎:
内田百聞:
牧野信一:
稲垣足穂:
川端康成:
川端康成の明敏さは、結果的に明敏であることに帰結し、そういう前提で眺めれば、この明敏さが得てきた最大の果実は、彼があらゆる観念に騙されなかったことだと、三島は言う。彼をだますことができなかった観念を三島由紀夫は挙げている。その観念とは、近代、近代小説、共産主義、新感覚派、自意識、知性、国家主義、実存哲学、精神分析、近代の超克、思想、などなど。彼はこのいずれの観念にもだまされなかったというのである。
以下、本文をそのまま抜粋する。
ふつう明敏さは芸術行為を阻害するものなのだが、彼の場合は別だった。さめた心で陶酔を描くとき、人はその陶酔を凍らせてしまうか、それとも不当に誇張してしまうか、いずれかに陥りがちだが、彼は、そのさめた心と陶酔を同時に提示する秘術を身につけた。
尾崎一雄:
外村繁:
上村暁:
林房雄:
武田麟太郎:
島木健作:
円地文子:
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林房雄論を除き、全て文学全集の解説として書かれたもの。
どれも基本的には絶賛されているが、それは『気に入らぬ作家の解説は一切引受けなかった』からだそう。
川端康成、谷崎潤一郎についての文章は有名なので置いておくとして、興味深かったのは上林暁についてだった。
一番ボリュームのある林房雄論は読み応えがある。