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【2026年4月 - 長の年月】―短篇。
地球からの迎えを待ちながら、火星で20年間孤独な生活を送るひとつの家族。あるとき漸く、旧知の人物ウィルダー隊長が火星を訪れる。迎えを喜ぶあまり死んでしまう一家の長ハザウェイ。20年間のときの流れをまったく感じさせないその他の家族に疑問を抱いたウィルダーが暴いた事実とは。究極の孤独を想像するだけで胸が痛くなる作品。(2008.12)
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火星を目指すロケットが飛び立つ「ロケットの夏」から、連作形式で火星と地球人の物語が語られます。
視点はめまぐるしく変わり、それぞれが独立した短編として完結しながら、ひとつの年代記として閉じられるあたり、たまらんです。
ポー、バイロン、ボーム等の引用が散りばめられて、本好きにはそのへんも胸がきゅぅぅん、です。
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ブラッドベリ始球式。
表紙買。
短編のひとつひとつが静かな雰囲気で好き。
未来の事なのに過去を淡々と描いているみたいだなぁと思った。
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物語的には面白かったけど、設定的にどうしてもスッキリしない部分があった。
火星で普通に息できるってのがどうもねーw
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読後に、冷んやりと静かで荒涼した気持ちと、反してなぜかしみじみ暖かい気持ちとの両方を感じた不思議な話。ハヤカワだしSFだし、と長いこと読まず嫌いだった本。
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名作。かなり昔の話なのに、SF作品として色あせない。情景を語る手法は本当に素晴らしい。昔TVドラマになっているのを見たことがありますが、あれも良かったなあ。
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1999年1月から2026年10月までをオムニバス形式で綴った短編集。
1999年。2度にわたる火星探検隊は消息を絶ち、翌年の第三探検隊も火星人の手によって全員が還らぬ人となっていた。
それでも火星への進出を諦めない人類は4度の探検隊を送ることになるが、そこで見たものは地球人の持ち込んだ水疱瘡が原因で死滅しかかった火星人とすでに荒廃した火星の姿だった。
そして人類は怒濤の如く押し寄せ火星を植民星へと変えていき・・・
文明そのものから核や差別など様々な視点から人類を批判的に捉えて描かれていく26編のオムニバス短編集。
物質文明の先に、そして精神性を欠いた科学の先にある人類はどういう未来を辿るのか、内容は古典だけれどとても詩的で美しさと悲哀を感じる作品。
ふと、大航海時代と華々しく銘打たれる時代が裏を返すと・・・なんてことを思ったりもした。
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2009 12/15読了。
とある図書館を維持するための支持運動を起こしたブラッドベリに敬意を払って図書館で借りて読んだ(その運動は失敗したし、近所の図書館ではすでにこの本は閉架書庫に入ってもいたけど)。
読み終わって、これが閉架に入っているのは、それもこの科学の街の図書館で入っているのは納得がいかないなとあらためて感じる。
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料理修業で上京してきた友達を4日間ほど泊めていた。保育園時代からの付き合い、高校では別々になったものの思わぬところで接点が生まれた。
混じりけのない博多弁会話に上京人の初々しさが見られる。「俺今新宿と一体化しとった」「歌舞伎町ってヤクザの抗争がありよるっちゃろー?」「新宿と原宿って近いとかいな?」2年前、僕も同じようなことを思っていたものだ。
何かを求めて東京にやってきた彼の姿を見ていると、僕の「上京」とは何か、ということを考える。僕は何を求めてこの『火星』にやってきたのだろうか。
おそらくは僕のような、僕の友達のような東京に何かを求める人間がこれまでに毎日毎日やってきては、東京は東京として成り立ち、機能しているのだろう。
宇宙人のひしめく孤独な都。「火星に地球人がやってきて、火星人はいなくなってしまった」この件には何か感慨深いものがある。
追記:3月14日
と、思ったのだが、いざ都心に出てなんやかんやと回ってみれば、そんなに悲観することも無いなと思ったり。いたるところで『ローカル東京』を見ることができる。
従って今号(681号)のブルータスの表題は的外れであるといえる。
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26の短編を連ねた長編SF。美しい描写や、寂寥感が迫ってくる、SFというより、詩的とも言える物語だった。
特に「長の年月」はその後の風景を想像しても切なくなる、好きな話。
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ひとつひとつのエピソードが重なったその先には。
未来はけして遠い想像の世界ではなく、日常の重なりが作り出すもの、というのは藤子不二雄に慣れ親しんだ日本人ならばすぐに理解できるところ。
SFというくくりでは小さすぎる、ピュアな物語。
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火星人は居ないの?あたし達が火星人なのよ・・・でしたっけ?
ツンドクだったので記憶は曖昧。曖昧なままレビューするのもまた乙かと。
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名作!!!
滅びの美学?
寂しくて切ない気分になるんですが、それがとても美しい。
あっさりとした短編の連作という形式も良いです。
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レイ・ブラッドベリのSFはまるで長い詩のようだ。言葉の美しさも、かなしさやよろこびを歌うその内容もだ。読みながら私はいつも泣きそうになる。
この作品は二つの種族の滅びの物語である。そして1つの種族が2つめの種族に生まれ変わる物語でもある。
すでに十回は読んだけれど、もっと読んでいきたい作品だ。
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それぞれの話は一定の時間軸のなか、短編の形式で進んでいく。
何があるというよりは、読後、胸に残るはかなさであったり、虚無感であったりを感じる事が出来るというもの。