紙の本
すべてがなくなってしまったけれど
2001/08/31 14:28
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:もぐらもち - この投稿者のレビュー一覧を見る
地球人が火星に降り立つ。只それだけのことで滅びてしまった火星人達。火星探検隊が地球に帰還すると美しい火星の文明は破壊されてしまう。それを防ぐために火星探検隊の仲間を殺そうとする探検隊の一人。数少なくなった火星人と移民者である地球人との不思議な出会い…。
この物語には、血なまぐさい戦いの場面は一切ありません。あるのは、ただ、悲しみに包まれた淡い色彩です。日常のごたごたから離れ優しい気分になりたいとき、私はこの本を読み返しています。
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これは通過儀礼。ある種の人間は必ず読まなければならない必読の書。ある種ってなんじゃいと問われるに、なんじゃろね(なんじゃそりゃ)とにかく、出会った人と出会わなかった人では、人間の質が変わるのである。
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ブラッドベリの作品の中でも一番好きです。火星へ人類が足を踏み入れてから、移住しそして再び帰っていく過程を26の短篇で綴ったもの。
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これがあったから、自分は小説を読み始めた。火星という地でここまでリアルに情感を描ききったブラッドベリはきっと火星に住んでいたのだろう。
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ブラッドベリといえば、あのお騒がせ映画「華氏911」の
タイトルの元ネタになった「華氏451度」」のほうを思い出す人も多いかもしれないが、これはあとに続く多くの作品に絶大な影響を与えた古典中の古典。
連続短編集になっていて、第1編の設定はなんと1999年。最後の第26編は2026年で終わる。
一番印象に残っているのは、無人と化した全自動の家のシーン。
朝になって、誰もいない家に目覚ましが鳴って、キッチンでは料理が作られて、テーブルには食器が並べられて、「今日は2026年8月4日です。今日の予定は・・・」
と人工知能がしゃべりだす。やがて料理が片付けられて、掃除機が働いて、スプリンクラーが水をまいて・・・(「優しく雨ぞ降りしきる」)
なんともいえない哀愁が、長い間記憶に残っていた。これが今から50年以上前の1950年に書かれたとは、本当に驚き。
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火星を舞台にしたオムニバス長編です。火星に降りてきた地球人たちの知らない、美しい文明を守る火星人たち。存在そのものが夢のようで、実際に歴史から消えてしまうことで夢となってしまった彼らの物語。滅ぼした地球人たちまた、自ら滅びの道を辿ってしまう。詩情あふれる物語ですが、底辺を流れるテーマは重く深いものがあります。
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ブラッドベリは感傷的すぎていまひとつ隔てがあったが、これはしっくりきました。「100万年ピクニック」特によし。
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レイ・ブラッドベリの傑作SF小説です。
一つの世界観を軸にして、短編を時系列にはめ込み、それぞれの作品をつなぐ小片をちりばめて作っているという、ブラッドベリらしい構成は実に読みやすい逸品です。楽しい構成ですね。
ブラッドベリ自身がもともとファンタジー小説作家としての側面が強いこともあるのか、SFとは言いますが、本作を読んだときの印象はファンタジー小説を読んだときのような印象を受けます。物語の結末とか、雰囲気とかが。
滑稽な冒頭部から、深い感慨を抱かせる最終話『百万年ピクニック』まで、実に面白い作品に仕上がっており、かなり好きですね。傑作と言われる所以が良く分かりました。
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SFファンで火星年代記を知らない人がいるのでしょうか?
詩情と厳しい文明批判。
ファンじゃないの。でも金字塔ですよね。
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SFの名作だ。中学生のときに読んだときのあの何とも言えない感動は,今読んでも同じだ。映画化もされているが,本を読むべきだろう。
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中学時代に読書感想文の課題に出された。
でも、読まずに書いて出した。
大人になった今、初めて読む。
本当に火星に(無人だけど)探査機が到着してしまって、
この本にあるような火星人は少なくともいないことがわかったけれど、
それでもなお読む価値がある作品。
火星人の話というより、異文化コミュニケーションの話?
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SFなのにノスタルジーを感じる。
懐かしくて、淋しくて、悲しくて、切なくて、愛おしい。
子供のころのアルバムを開いてみたときに感じるものと似ている。
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始めはテレビの映画で興味を持ちました。
作中の火星人は、こちらのイメージの影響を受けやすく、キリスト教の神だと思って彼を見れば、彼は十字架上のイエスの姿となり、茨の冠から血を流し、手の平からは血を流していました。
そして、お願いだから助けてくれと・・・
列子の師や臨済が、己が境を操り、相手の求める姿を相手に見せたのとは、自主的かどうかという点で違いますよね。
それと、投影された対象が、肉体か精神かの違いがありますね。
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ブラッドベリ好きですか?
好きなら読んどいたほうがいいよ?
基本的にはさ、ほら。
なんていうか すたんだーと なやつだし。
実際、クラシックなやつだよ おまえってやつは
って次元に言われたいならね。
もうこれは評価とかじゃない。
すたんだーどなんだよね。
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The Martian Chronicles(1950年、米)。
もはや古典だが、いま読んでも十分に面白い。火星の古代文明に魅せられた考古学者の話(月は今でも明るいが)、たった一人で荒野に木を植える男の話(緑の朝)、最終戦争で生き残った家族が「火星人」と出会う話(百万年ピクニック)が好き。