- 現在お取り扱いが
できません - ほしい本に追加する
地球人のお荷物 みんなのレビュー
- ポール・アンダースン (著), ゴードン・R・ディクスン (著), 稲葉 明雄 (訳), 伊藤 典夫 (訳)
- 税込価格:726円(6pt)
- 出版社:早川書房
- 発行年月:1978
- 発送可能日:購入できません
文庫
- 予約購入について
-
- 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
- ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
- ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
- 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。
6 件中 1 件~ 6 件を表示 |
紙の本
体長1メートル、まるでテディベアみたいな外見のホーカ族
2001/11/17 13:18
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:キイスミアキ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ホーカシリーズです。
このシリーズは、大物SF作家がコンビを組んで書いた、ユーモアSFシリーズの大傑作。あまのよしたか(平仮名だった)の表紙とイラストもかわいいので、本屋さんで見かけて覚えている方もいるんじゃないでしょうか。でも、そんなあなたに一言だけ。買わなきゃ駄目です。
あらすじはこんな感じです。
地球人青年アレグザンダー・ジョーンズは、調査の最中に宇宙船が故障し、1人、地球から500後年も離れた惑星トーカに不時着する。月が3つあるという以外、念入りに調査をしなくては地球との区別もつかないというくらいにそっくりなこの惑星には、ホーカというティディベアにそっくりな種族が暮らしている。
アレックスは、地球人との接触により、地球のあらゆる文化を吸収、模倣することで形成されつつあるホーカの社会に貢献することを思いつき、惑星トーカ上に暮らすもう1つの知的な種族、爬虫類のようで好戦的なスリッシーとの対決に手を貸すことにする。最初は、地球人に好意的な種族を助けることで、自らの昇進が可能であると考えていたアレックスだが、次第にホーカとの友情を深めていく。
どうでしょう? 面白そうじゃないですか?
知性を持った猫の社会が、1900年代の地球社会(特にロンドン?)を模倣した社会を形成し、わからないことがあれば現代に暮らしている女の子の主人公を魔法で呼びだし、質問責めにするという、竹本泉の漫画がありますけど、このホーカシリーズのパロディなのかもしれません。ホーカたちもロンドンが大好きで、一族をあげて、すごい勢いでロンドンを模倣していきます。竹本泉の描く猫たちもロンドンが好き。ヴィクトリア時代のロンドンっていうのは、創作者にとってよっぽど魅力的な舞台となっているんですね。
西部劇の世界に宇宙パトロールと、面白いパロディがめじろ押しというラインナップの中で、特に秀逸だと思うのが、「ドン・ジョーンズ」と「バスカヴィル家の宇宙犬」というお話です。
前者はオペラのパロディで、完璧なドタバタ劇。愛らしいホーカが、オペラ<ドン・ファン>の登場人物となっている自分たちに心酔しつつ、アレックスと恋人たちを巻き込んで、騒動のうちにハッピーエンドへ突入というストーリー展開。
後者はミステリーのパロディ。身長1メートル程度のホーカ族のシャーロック・ホームズとワトスンが、たどたどしい推理で謎を解こうとする、あんまりにも可愛いい事件簿です。ロンドン塔は既に建設済みというロンドンで(きっと、模倣の最中で突貫工事が進んでいるんです)、レストレード警部までいるんだから、ほんとうに僕みたいなシャーロキアンにとってもたまりません。
もう、信じられないくらいに可愛い傑作です。ささやかなだけど上質の笑いが、そこかしこにちりばめられています。この本が、どうして絶版になっていたのか、理解に苦しむとしか言い様がありません。やっと復刊ですからねぇ……。
読んでいて、なにがなんだかわからないうちに、たまらなくホーカが好きになりますよ。
6 件中 1 件~ 6 件を表示 |