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マンの処女長編。マン自身の生家をモデルに、19C後半から20C初頭にかけての、ある富裕な商人一族の没落の様を描く作品。一家が広壮な邸宅を買うところから始まり、曾孫世代で直系男子の血が途絶えるまでが、移り変わる社会の趨勢を背景に、きっぱりとした冷徹さとほのかな哀惜のぬくもり、そして豊かなアイロニーを込めて描かれる。傍観者的な目線で淡々と綴られる「記録」のつながりが、日常の連鎖としての“時代”を肌で感じさせてリアル。全三巻。
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高橋義孝氏訳の短編もいいけど、読み応えのあるこちらで。1969年版から変わらず望月市恵氏翻訳なんだと驚き。
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ドイツのあるブルジョワの没落までを描いた物語。幸せな一家の様子を描いた冒頭。トーニの祖父が生きていた頃の時代。しかし、没落の兆しはすでに始まっていました。
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話が何代にも渡っている。祖父の代は実務的な成功を収めていたが、それが代が変わるにつれ、だんだん芸術的なものを好む傾向が強くなり、家としては没落していくというあらすじ。
何代にも渡る話、というところで既に私にとってはなかなか魅力的で、自分自身にも、家系図のようなもののどの位置に自分が立っているのかを確認したくなるような気持ちがふと訪れることがあり、そういった時にこの小説の存在を思い浮かべることがある。
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リューベックに行きたくて再読。中3以来!あの時は西洋の習慣とか食事とかがキラキラしてそちらに興味があり、途中つまらなく難しく感じたけど今読み返すと人間模様もわかって面白い。上流から見た革命の様は、考えなしに要求されて、知性もなにもない!と思える描写。(へえ、かくめいなんで。きょうわせいがほしいんで!)教科書では実感できない歴史。
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久しぶりのレビュー。
大好きなお家(没落)長編です。個人の努力では時代の流れに逆らえない、諸行無常をじっくり味わえます。
いつの時代も人生は思い通りゆきません!
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ライフネット生命保険社長出口治明さん推薦図書。
ずっと繁栄し続けられる国や一族なんて、ないんです
読書の秋にふさわしい古典3作品
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20120920/237074/?P=1
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原書名:Buddenbrooks
ノーベル文学賞
著者:トーマス・マン(Mann, Thomas, 1875-1955、ドイツ、小説家)
訳者:望月市恵(1901-1991、安曇野市、ドイツ文学)
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2021/8/29
夫との別離を機に「人生の常で…」という言葉を発するようになったトーニ。ひとまず上巻の一連の出来事はこの一言に集約されるように思える。栄華を極めながらもときに取り返しのつかない悲劇に見舞われる。その一方では別の商会が頭角を現す。インテリ医学生に恋をしたかと思えば、直後には嫌いなオッサンと結婚する。人生の浮き沈みは為替のように変動する。
トーニはその法則を、「人生の常で…」という言葉で正面から受け止めていく。コンズルの方はというと、それを信仰心をもって受け止めていく。両者は奇しくも、東西の仏教観とキリスト教観を表しているよう。
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よくまあこんなに丹念に一族の没落を描き切ったもんだと感心するほかない。Netflixのドラマを一気に観た気分になる。主要人物がことごとく情けない死に方をするのも後味が悪くていい。