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古典の中の古典です。
愛についての、美についての、率直でのびのびとした語らいに目くるめく心地がします。
古代ギリシャ世界への憧憬を抱かせるのに十分な一冊です。
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『饗宴』 Symposium
4 「酒はほどほどに」という結論
7、8 バイドロス:恋するものはその恋の相手の前ではいかにも勇敢に振舞うことができる
恋してるものは神がかっている
8〜11 パウサニアス:エロースには二種類ある
低俗…パンデモス・アフロディテに属する 魂より肉体
理性的…ウラニア・アフロディテに属する 少年への恋など(女性は無関係) 人柄に対するもの 永続的
少年が自らの人間形成のために恋を受け入れることは美しい(⇔金などのためはダメ)
12、13 エリュクシコマス(医者):最も拮抗し合うものの調和が必要→二種類のエロースの双方を見守らなければならない
14〜16 アリストパネス:昔三種類の人間がいた 男性、女性、両性(アンドロギュノス)
両性は強靭で神に刃向かい、神に切断された→半身を熱望するあまり滅ぶ →性交が作られ、満足感が与えられた
→完全なるもの(最も尊い)へのこの欲望と追求=エロース
もともと男性である人間は男性に恋する(一番出世する)
18、19 アガトン:エロースはいかなる神か?/エロースの数々の贈り物について
エロースは柔らかい心根に住み着くため、華奢 また美しい
神、また人間との関係において不正を加えることも加えられることもない
エロースは他の者をも詩人に化するほどの優れた詩人
エロースは彼自身最も美しく高貴なものであるからして、他の者に対しても同じ類のことどもの原因となる
20〜29 ソクラテス:・エロース(自分に欠いているものを求めること)は本当に美しいか?
・エロースは人間でも神でもない神霊(ダイモーン)
・エロースとはよきものが永遠に自分のものであること、また不死であることを目指すもの
→それはいかなる仕方で恋と呼べるか? 肉体的にも精神的にも美しいものの中において出産すること
肉体の美より魂の美
恋の究極目標は美
30〜終わり アルキビアデス:ソクラテス賞賛
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饗宴のみ読んだ。
美とか知を産出したい欲求と出産との比喩は正直よく分からん。
皆、出産…したいのか?
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今回は「パイドロス」を読んだのですが、あらためてプラトンは奥が深いなあと思いました。プラトンの著作そのものも重層的だし、それをプラトンのほかの作品とあわせて考えることでさらに深く考えられるし、もちろん、現代の事象と比較して考えることもできるし、そうなると、現代の事象に関する他の議論との比較ということも可能。そしてそれらは、紀元前に日本とかけ離れた異国でこんなことが言われていましたという一例ではなくて、今ここにいる自分自身の本質に迫るような思考回路につながっていて、自分の思考の地平がひらかれるような気がするのです。この道程を深めるために、藤澤令夫の注解も、探して読みたいなと思いました。【2024年2月27日読了】