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言わずと知れた、吸血鬼小説の金字塔。吸血鬼ものを語るなら目を通さないわけにはいかないでしょう。
日記や手紙という形でストーリーが進むという、今では珍しい形式。
ちょっと厚い本ですが読み応えあります。
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中弛み危険文学!
全て誰かの一人称で、日記に書いてある内容と言う形なので、全て過去形って所が特徴的だった。
今でも中々無い作りだから昔なんかはさぞ斬新だったんだろう。
しかし・・・物凄く長い!長すぎるっ!!
中弛み必須!
少し飛ばすか、根を入れずに読んだ方がいい部分多数!
中弛みポイント1:ルーシー編
可哀想だが、ドラキュラの最初の被害者な時点で助かる見込みが無い。ヘルシングが吸血鬼の存在に気付く大切な話なのだが、それにしたって長すぎる。
早い段階で、吸血鬼の苦手なニンニクや十字架が出てきているんだから、4人が1.2回ずつ輸血する部分はいらない気を入れずササっと流す事をオススメ。
中弛みポイント2:レンフィールドの観察編
レンフィールドは、その死が重要なキャラ。
どういう経緯で精神病棟に入院していてどういう経緯でドラキュラと関わりを持っていたのかは確かに重要かもしれないが、それにしたって長いよ・・;
捕食・脱走の回数削減のための飛ばし読み。
そして最後のミナ編も大概長いが、ルーシーとは違い、大方”助かるのでは?”と言う部分があったため、読む意欲が湧く。
あと、伯爵が来るのではなく、伯爵を追い詰めるという展開だったのもあり、長いものの前の話よりは気にならない。
文庫にしては長編の作品のため、読み終わると『ついに読み終わったぞ』という解放感は一入!
そして読み終わると漫画『ヘルシング』を読んでみたくなる。
中々あの漫画はこの『ドラキュラ』の設定に忠実なようなので頑張って集めてみたい!
(でも漫画も長い・・・;)
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ハーカー夫妻やヘルシング教授、Dr.セワード他が、ドラキュラ伯爵と戦う話
案外分厚い本で驚いた。登場人物それぞれの手記がかわるがわる出て、それで話が進んでいく。正体がわかっているらしい教授が、何も説明しない(できない?)ところがもどかしい。知名度抜群の本なので、我々は伯爵が元凶とわかっているけれど、予備知識なしにこれを読んだ当時の人たちは、どう受け止めたのかな。
ところで「ウジャジャけている」という訳があったが、原文ではどうなっているんだろう・・・
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別の人が書いたドラキュリーナの話怖かったな。
ホラーか……夏だし、いいか。
ルーシーの死前後が一番怖かった。
あと、ミナと伯爵のシーンがエロくてびびった。
最後の最後にキンシーが死ぬ必要あったの?
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何度も焼き増しされて一人歩きをしている吸血鬼
ドラキュラの原点と対峙したときの興奮は忘れられない。
二転三転する予測不能のストーリー、圧倒的暴力との攻防。
ドラキュラの存在が広く知れ渡っている現在においても
なんら衰えているように感じないのだから
発売当初の衝撃はすさまじいものだったに違いないと確信してる。
愛と勇気と冒険とサスペンス
エンターテインメントの塊と言ってもいいくらいの一冊。
薄っぺらいヴァンパイアブームにうんざりしている人は
原点に立ち返って興奮するが吉。
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トランシルヴァニアの山中、星明かりを封じた暗雲をいただいて黒々と聳える荒れ果てた城。その城の主ドラキュラ伯爵こそは、昼は眠り夜は目覚め、狼やコウモリに姿を変じ、人々の生き血を求めて闇を徘徊する吸血鬼であった。ヨーロッパの辺境から帝都ロンドンへ、不死者と人間の果てしのない闘いが始まろうとしている……時代を越えて読み継がれる吸血鬼小説。
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学生時代、読み始めてじきにイラッと来て投げ出した本を、
長い年月を経て新たに購入し、読了しました。
イラッと来たのは(笑)結婚前のお嬢さん方の
キャピキャピした往復書簡のところ(^^;)。
ですが、後年、高山宏『殺す・集める・読む』にて
「テクストの勝利~吸血鬼ドラキュラの世紀末」を読んで、
やっぱり面白そうだぞと思い直してリトライしました。
日記、書簡、電報、新聞記事etc...
雑多で厖大なテクスト群を読み進めると、
怪物ドラキュラの全体像が
徐々に浮かび上がってくるという仕掛け。
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誰もが知っているけれど、読んでいるようで読んでないこの本。
ヴァンパイアのイメージがあまりに漠然としていてネタにできないので、まずはこれをがっつり読んでみた。
思ってたより、全然面白いな!
レトロだけど、古くないよ。主要人物の日記と手紙を綴る形式で進んでいきます。
なるほど吸血鬼文学の元祖にして、最高峰と言われるだけのことはある。
ミナさんが途中でああなっちゃうあたりがニクいね!
しかしヘルシング博士は話がくどいよw
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非常に古い本だからなのか、風景などの記述が詳しくて、新鮮だった。劇画調ではないというべきか。吸血鬼はほんの数人しか出てこないのだけれど、心理的なプレッシャーがじわりじわりとやってきて、なんともいえない重苦しさが続く。最後はあっけないくらいあっさりと片がつくのがちょっと物足りない感じがした。もっとも、戦うほうが大学教授や医者などの普通の人々だから仕方がないのかもしれない。怪奇古典も面白いと思ったので、次は吸血鬼カーミラやフランケンシュタインにもチャレンジしてみよう。
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所有してるのは、1974年9月13日7版。
中学時代から繰り返し読んでる本です。
シーン描写やセリフの言い回し、単語などの表現が古風であるが、それがまた一層、えも言われぬ魅力を引き出している。
さすが、怪奇小説の原点の一冊。
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だれもが知っている「吸血鬼」ものの金字塔でありながら作品に触れた人は多くない、というのも納得。
ドラキュラ伯爵という怪物の造形が細部まですっかり完成され後続の作品にパーツのひとつひとつを使い尽くされてしまったがゆえに、今となっては原典としてのオリジナル性があってないようなものになっている、と読んでいて感じた。
それくらい、完璧なエンターテイメント性を持つ古典文学だった。
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気付かない内に忍び寄ってる怖さがあります。
しかしまぁ、ジョナサン達ついてないよなぁ。まさに不幸の連続というか。
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物語全体は吸血鬼という「不死者」と闘う人々の記録。
ドラキュラ自身が何を考えて動いているのかが全く分からないというのが
不気味さを際立たせる。
いわゆる吸血鬼の原典ですが、
今まで漫画やアニメで刷り込まれてきた
「吸血鬼=美形」の式がまったく当てはまらない!笑
本当の吸血鬼ってこんなにもどろどろした恐ろしい存在だったのか、と新鮮な気持ちでぐんぐん読み進められました。
不気味さがとにかく面白い!私は好きです。
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Lideoで読んだ。1897年刊行。物語は手記・日記・蝋管録音・新聞記事などの組み合わせで進む。主な登場人物は7人、ドラキュラ伯爵、弁理士ジョナサン・ハーカー、ジョナサンの妻ミナ・ハーカー、アーサー(ゴダルミング卿)、アメリカ人キンシー、精神科医のセワード、アムステルダム大学の医学・哲学・法学教授ヴァン・ヘルシングである。第一部にあたる物語は、ジョナサンがロンドンの不動産取引でトランシルヴァニアのドラキュラ伯爵をたずね、その居城で怪奇にであうというもの。第二部はミナの友人、ルーシーが夢遊病から吸血鬼になっていく話、この過程で彼女の三人の求婚者、アーサー・セワード・キンシーが集まり、セワードが恩師ヘルシングを呼び寄せ、吸血鬼の謎が解き明かされていく。第三部はルーシーの本当の意味での死の後、ジョナサン・ミナとヘルシングらが合流し、まずロンドンのドラキュラの居場所をつぶしていき、故郷に帰らざるを得なくさせ、ドラキュラ城までの追跡と吸血鬼の打倒である。訳文は非常に読みやすく、構成も短い手記が多いのでページがすすむ。ドラキュラにはいろいろな制約があり、昼間は人間の姿をとらざるを得ないが、夜になると霧・狼・蝙蝠などに変化することができ、吸血鬼や狼などを操り、催眠術も使える。力は二十人力である。鏡には映らず、ニンニク・十字架・聖餅などの品によわく、水を渡ることはできない。また、建物には誰かが「入れ」と言わないと入れない。昼間に首を切られたり、心臓に杭を打ち込まれると四散して死ぬ。吸血鬼になった者もドラキュラが死ぬと呪縛が解かれることになっている。セワードの患者にレンフィールドという食肉性患者がいるが、ハエやクモなどをむさぼり食う。「霊魂なんかいらない、ただ生命が欲しいだけだ」とか、「血は生命である」といった独特の考えをもっていて、ドラキュラがミナを襲うきっかけを作ってしまう。ミナは鉄道マニアで速記、タイプライターができ、吸血鬼にされながらもドラキュラ追跡に同行し、明晰な頭脳でドラキュラの通るルートを推理したりする。作者ブラム・ストーカーの名前はエブラハムでブラムは略称、スコットランド生まれで、オスカーワイルドの先輩、芝居好きで演劇記者や劇団の経営に携わった。ヴァン・ヘルシングのモデルは中央アジアの研究者でブダペスト大学の東洋語の教授アミニウス・ヴァンペリとのこと。作中でもヴァン・ヘルシングの同僚でブダペスト大学教授アルミニウスとして言及されている。全般的に19世紀の科学主義とアッティカの末裔を自称するドラキュラの中世伝説との葛藤の話であるが、輸血で血液型を顧慮していない点や、シャルコーなどフロイト以前の精神医学についても言及があり、十九世紀の科学の雰囲気を知ることができる。
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私的吸血鬼ブームの火付け役。
もともと、荒俣宏のお師匠さんという平井呈一は、どんな翻訳をするのかしらと思って手に取った作品。『ちびっこヴァンパイア』シリーズを小学校の図書室で手にした時から、吸血鬼物は嫌いじゃないと自覚していたものの、この名作はずっと読んだことがなかった。
名作といわれる以上、期待外れに終わることはないだろうとは思っていたけれど、翻訳が古びてきても、きちんと楽しめました。
想像以上に物語が重層的で、各登場人物の視点から語られるため、各部が組み合わさってようやく一つのものができあがっており、深みがある。
ドラキュラ伯爵とのエピソードは、さまざまな形で転用されているので、すでに知っているものばかりなのに、物語の重層性ゆえに、ハラハラさせられる。
冒頭に出てくるパプリカ料理が辛いというのは、東欧にいた友人がくれたパプリカペーストが辛かったことから納得。あまりメジャーな食べ物ではないし、知らない人には疑問符いっぱいだろうなあとほくそえんでしまった。