投稿元:
レビューを見る
毒薬が人の手を渡り歩いていく連作であるところがおもしろかった。
完全犯罪を成立させられる毒があったとしたら、人はこんなにも短絡的に毒を使用するのだろうか?
その結果訪れる各編のオチも、また人間の滑稽さを感じさせるものだった。
投稿元:
レビューを見る
数十年ぶりの赤川次郎先生でした。
沢山の人が死んでしまう割にはサラサラと読めてしまいました。
これほど完璧な毒だと、殺人に至るまでの葛藤とかが薄れてしまうのかと思いました。
普段は葛藤とか経緯が恐ろしいのですが、ここまでハードルが下がってしまうことも、それはそれで怖いことだと気付かされました。
投稿元:
レビューを見る
殺したい人がいる。証拠の残らない毒を手に入れたら人は殺人を犯すのか。短編集で読みやすい。しかし悲しい結末に胸が痛む。
投稿元:
レビューを見る
この本の鍵となる毒は、誰かに飲ませれば24時間後に誰にもバレることなくその人を殺すことができるモノで、その毒を使う殺人者の真理や、被害者に対する憎悪からくる殺人の動機など殺人者側の視点から楽しめる。また、いざ、簡単に人を殺せることになったときに、人はどのような行動、感情になるのかも楽しめる。殺人者は最終的にどんどん追い込まれる立場になるのもまたハラハラして面白い。
投稿元:
レビューを見る
一滴で致死量、しかも検出不可能。効き目は24時間後で心臓麻痺。完全犯罪ができてしまう毒薬を手に入れた人の話。
285ページ。一瞬で読み終わった。
言いたいことも言えないこんな世の中でこんな毒薬があったら人類は滅亡するだろう。滅亡していないということは現実には無いはず!
毒というと白雪姫のりんごを思い浮かべてメルヘンな感じかと思ったら全然違った。それでも面白かった。
以下ネタバレ!!!
↓
男が恋人を、刑事が容疑者を、スターがファンを、ボーイが客を…と4章あり、1つの毒薬の瓶が手から手に渡りそれぞれの使い道があるのが面白かった。
娘を見つけて「帰ろう…」と言った父親のセリフと、ボーイの最後の展開は胸が詰まった。
毒の効き目があるのか試すためとか、そんな簡単に殺してしまうのかと思うほどあっさり毒を盛っていた。恐ろしい。
完全犯罪が約束された毒薬を手に入れると人間はこうなってしまうのだろうか…?証拠不十分で捕まらないからといって、人を殺した過去を背負って生きていくのは私には無理だ。
解説から一部抜粋↓
「作者にいいように翻弄されたくて、本を手にするんですよね。ドキドキハラハラさせられれば、させられるほど、読者冥利に尽きるってものです。」
まさにその通り。
投稿元:
レビューを見る
完全犯罪を実行できるはずの
媚薬ともいえるその名も-毒-
24時間経たないと死なないとなると
殺人には使えても、自殺には向かない
そんな薬があったなら
どう使うのか?
手にする者の心を侵す
己を侵す-それこそ毒-
巡り巡って死を招く物語。
これを読んだ誰もが使い道を想像するだろう。
投稿元:
レビューを見る
ほぼ20年ぶりの赤川次郎作品。
楽しくスラスラ読み終えた。
物語の構成が緻密だけとユーモラスで一級品だと感じた。
違う作風か三毛猫ホームズシリーズを読もうかな。
投稿元:
レビューを見る
1滴で24時間後には痕跡も残さず心臓発作で死亡する‥そんな毒が次から次へと人手に渡る‥もうだいぶ前に読んだことのある赤川次郎さんの作品で、凄くその頃も面白く読めたこともあって手に取りました。やっぱりこういう作風が赤川次郎さんらしくて好きです!自分がもしこの毒薬手にしたらどうか??なんか、考えちゃいます。
投稿元:
レビューを見る
すらすら読める。完全犯罪を可能にした、もの。毒。人を殺す者と、殺さない者の境界線はなにか。他人の命を絶ってはならないという常識は、自らの人生、また家族の人生を壊してはならないという制御からくるものなのか。グッと熱くなる展開は無かったものの、あっという間の読了だった。面白い。
投稿元:
レビューを見る
オムニバス形式だけど、「毒」でそれぞれが繋がってゆく作品です。
大前提として「毒」の設定が面白く、一度は考えたことのあるであろう夢の「毒」。
それに翻弄される人たちも多種多様で良かったです。
最後にやや物足りなさを感じましたが、私の読解力が乏しいのかもしれません。。
投稿元:
レビューを見る
そんなバカな!?っていう展開が続く、一つの毒薬をめぐるミステリー。
毒薬に関わった人間はみんな不幸になっていくというのに、開発した本人と、人の手にわたることを阻止しようとする直子は割と幸せに暮らしているという、、、、
話の内容としては読みやすく、どんどん毒薬の持ち主が変わっていくので頭の中で整理しながら読むのが面白かった。ただ、あまりに突然終わってしまったな、、、という感じはある。
毒薬の特性の変化についても納得できるとは言えない。
投稿元:
レビューを見る
ミステリー短編集
短編集と言えど、
一編一編に、とある「毒」が共通して登場する。
なので一冊を通して、「毒」を巡る物語を楽しめる構成になっている。
「殺したい人はいるか」
「文字通り〈誰にもバレず〉に人を殺せるなら、殺すか」
あるカップルの、そんな不気味な会話から始まる。
けれど「命の重たさ」「善悪」「自制心」
そんな重たいテーマではなく。
ライトなミステリー。
投稿元:
レビューを見る
わずか1滴で致死量に達し、検出不可能という毒。しかも、24時間経たないと効果が出ない。その間に逃げられる。
この設定のなかでストーリーを紡ぐわけなのだが、やはり抜群に上手い。さすが赤川先生。
読みやすく、場面転換が鮮やか。
投稿元:
レビューを見る
各話から次の話への流れが滑らかで、正に連作短編集という感じがしました。
証拠を全く残さない毒薬の行方を登場人物達と共に追いかけるうちに、駆け引きだらけの人間関係と毒薬の行方にはらはらしました。