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真ん中に穴のあいた本。そこから何を見るのかが問題。鉛筆をつっこんでみたり、紐を通してみたりすると良い案が思いつくかもしれない。僕が見たのは、石畳の坂の途中にあるバーのドアに寄り掛かって酔いつぶれている月のヤツ。
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ブックデザインがとにかく良くて買った本。
一千一夜物語りは途中で挫折したけれど、そのなんともいえない擬人法は新感覚派と呼ばれたらしい。
「月が振り返ると」なんてさらっと書かれると、足元がフワッと浮いたような気になるのだ
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螢どもは自身呑気なつもりでいても、百億匹ひとからげに、他の千億箇の螢籠もろとも物凄い加速度でふっ飛ばされている。だから或る午後丸ノ内あたりの喫茶店の卓のつれづれに
「ねえ、こうしているのは、――つまりこの世界は、って云うのよ。わたし、どうしてもどこか途方もない所へ落っこちている途中のような気がして仕方がないの。そう思わないこと?」
と洩すひとがあったとすれば、なるほど、わが太陽は各遊星を引きつれて、数百キロ秒の速度で琴座のヴェガの方へ落下しつつあるが、それよりむしろ次のように述べる方が、いっそう新時代である。
「どこかへ・…・途方もない勢でふっ飛ばされている………そんな気がする折がなくって?」
手元に置いたのは多分十五歳の頃で面喰らって挫折した憶えがあったりする。全頁に渡り真ん中に指先で覆える程度の穴が開けてある、表紙から裏表紙の向こう側を覗ける素敵本。勿論文章を避けての穴だけどそもそもの文章の配置ミスで穴が被ってる箇所が一つ。読むのに支障は無い。初版は1975年。カバーもカバーを外した表紙も裏表紙も背表紙も中身も隅々まで確かめるべき。頁の縁がパラパラになってる分はパラパラしてみるべき。曰く、「本というものは暗いおもちゃである」。内容は『カフェの開く途端に月が昇った』『人間人形時代』『宇宙論入門』の三部。
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稲垣足穂の文章と、真ん中の穴がマッチしている。
未来派というムーブメントをこの本で知った。
穴から月をのぞいたりもした。
中にパラパラ漫画のように動くフォトがあった。
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宇宙論と倶舎論の関係など、予想できないところから宇宙論を引っ張ってくる感性がすごい。そして内容について理解できていない、深い、穴があいている。
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本の真ん中に穴が開いていて向こうが見えます。「本は暗いオモチャである」そうな。タルホの世界が伝わります。とても美しい本。