紙の本
四人の女の描き分けがくっきりとして見事。最後に、あっ
2004/04/16 20:18
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投稿者:風(kaze) - この投稿者のレビュー一覧を見る
登場人物紹介欄に書かれているのは、わずか五人。
まず、登場人物が最も少ないミステリのひとつと言って
いいでしょう。
このミステリの趣向は被害者捜し。
邦題のとおり、四人の女が登場します。
男の前妻、男の現在の妻、男の愛人、男のフィアンセ。
さて、ここで問題。男が殺そうとしているのは、
この四人の女のうち一体誰でしょう? というミステリ。
四人の女のイメージが重なったりして混乱しないだろうかと、
読み始める前はそれがやや心配だったのですが、杞憂でした。
多分にカリカチュアライズされていたとは言え、四人の女の
性格描写や人間像が、それぞれ個性的に描かれていたので、
イメージが混乱することは全くありませんでした。
四人の女の中で、ひとり、非常に共感を感じる人物がいました。
その考え方や言動が実に好ましかったので、彼女が殺される
ことになったらイヤだと思っていたら、作者は……
最後にあっ と言わされた私は、相当にぶい読者だったみたい。
読み始める前、登場人物の紹介欄を見ながら、たぶんこの人が
殺されるんじゃなかろうかと、そう見当をつけていたんだけどなあ。
被害者捜しのこの勝負、作者にまんまとしてやられました。
あ〜あと言ったその時は、後の祭りでした。
表紙カバーのイラスト。眺めていたら、「この女はあの人だな」
ということがよく分かって、しげしげと見つめてしまいました。
そうか、これ、朝倉めぐみさんのイラストなんだ。
若竹七海さんの『ぼくのミステリな日常』のイラストも描いて
いらした方。
本書イラストの四人の女性の描き分け方、これがまた
なかなか見事なんですね。うーむ、見入ってしまった。
紙の本
納得の結末
2016/09/14 01:14
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投稿者:ヒロユキ - この投稿者のレビュー一覧を見る
冒頭で高層ビルの屋上から人が降ってくるシーンが描かれており、「登場人物の誰か1人は必ず死ぬ」という結末が判明している状態で読み進めるので、読者は自然と「この人が死ぬの?それともこの人?」とドキドキしながら読むことになります。
あとタイトル『四人の女』は正直ズルいと思うけど、この作品にこれ以上相応しいタイトルも無いです。
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前妻、現夫人、フィアンセ、それに愛人――人気絶頂のコラムニストをとりまく四人の女性。この4人の中で被害者となるのは一体誰!?
1993年
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20110208読了
非常にシンプルな話。面白かった!
人気コラムニスト、ラリー・ロックの家に集まった女性四人。前妻シャノン・ムーア、現夫人クレア・フォレスト、愛人マギー・ラング、婚約者ディー・イングルズビー。ラリーが主催したこのパーティーでの被害者は誰?
今の夫人と婚約者ってどういう...と思ったけど、こんな状況もあるんだねぇ。
女性の描き分けが見事!
現在のパーティーとそれぞれの女性との過去が順に出て来て、当たり前かもしれないけど、過去場面が多い。ラリーが追い詰められていくのが良くわかり、緊張感も高まる。でも現在のパーティー場面ではマギーがいないと読んでてつまらないかも。笑
結局誰が死ぬ羽目になるの...とドキドキしながら読めた。
最後の場面もいい。
その後をいろいろ考えられて楽しいし。
あらすじ(本より)
今をときめく人気コラムニストのラリーは、底辺から這い上がり、今やマスコミ界の寵児となっていた。その彼をとりまく四人の女。
貞淑な前妻、莫大な慰謝料を請求してきた現夫人、仕事上で絶妙のコンビを組んでいる画家の愛人、それに新しいフィアンセ。この四人との愛と確執は、やがて不幸な結末を迎える。サクセス・ストーリーの傑作。
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手に入れたかったもの。
夢見たもの。
栄光。
自分が望む自分ほど、手に入れることが難しいものはない。
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桜庭さんの読書日記にあったので借りてみました。想像してたのと違ったなあ。それぞれの過去回想がたくさん入っていて、人間くさいお話になってた。まどろっこしく感じるかなと思ったんだけど、そして結末は予想したうちの一つではあったんだけど、この描き方だから最後の展開が生きるのかもしれない。
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自殺?他殺?死んだのは誰か!犯人は?推理しながら読み進める醍醐味は相変わらず。また読みながらちょっとイラッとする部分も相変わらず。、いい意味で。
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屋上から落ちたのは一体誰なのか。
登場人物の中から被害者は誰か想像しながら読み進めるのですが、この人っぽいと思ったら次には覆されたり、この人は違うだろうと思っても次には覆されたり。全くわかりませんでした!そんなわけで楽しく読めました。
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前妻、現夫人、愛人、フィアンセのうち、誰か一人を殺す目的でパーティーを開いたコラムニスト。一体死んだのは誰か?
序章でまず死体が登場し、本章から過去とパーティー会場を行き来しながらお話は進む。登場人物みんなが非常に人間くさく、地位や名誉や財産を求める生々しい心情や会話のやり取りが描かれていてゾッとすることもあったが、誰もが悪人ではなくどうしても憎めない。
また、読みながら被害者を自分で推理するのも楽しかった。自分の推理が当たった時はえもいわれぬ快感!でもやはり物悲しかった。
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前妻、現夫人、婚約者、愛人……それぞれ一癖ありそうな女性4名をホームパーティーへ招待する人気コラムニスト・ラリー。
冒頭に描かれる、女性の悲鳴とバルコニーから誰かが転落して死亡する。ラリーが殺そうとしていた、只一人の女性とはいったい誰なのか?
パット・マガーお得意の「被害者探し」の作品。女性4名の間に巻き起こる嫉妬と会話の応酬。その間に挟まれる、絶妙な回想エピソードにより、この5人の人間関係が徐々に明らかになり……。と絶品のサスペンスでした。
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表紙、左隅の緑のスーツが前妻。赤いスカーフにゴージャスなブロンド結い上げが現妻。椅子に座っているのが愛人。奥のオフショルダードレスが婚約者。性格や関係がとても良く出ている絵である。
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素晴らしかったな。
パット・マガーさんは人物の描写が卓越しています。
ミステリーとは、血の通わぬパズルや謎解きだけではないと教えてくれた作品。
読んだのはずいぶん前ですが。
パット・マガーの作品の中では一番好き。