- 現在お取り扱いが
できません - ほしい本に追加する
- 予約購入について
-
- 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
- ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
- ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
- 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。
6 件中 1 件~ 6 件を表示 |
紙の本
某助教授のモデル?教授探偵サッカレイ・フィン登場
2002/03/01 00:14
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:キイスミアキ - この投稿者のレビュー一覧を見る
有栖川有栖氏がけっこう好き、と発言されていたのを講演会で聞いてから、読みたいと思っていたサッカレイ・フィン教授を主人公としたミステリー。
作者の書いたたった二作のミステリー作品のうちの一つ。もう一作は「黒い霊気」。スラデックという作家は、たった二作の長編を残したのみで、あとには高い評価だけを残しつつ、ミステリ界からあっさりと消失してしまったらしい。
年齢も職業もバラバラな、七人のミステリファンが集まっていた《素人探偵七人会》。その例会が行われているシーンから物語は始まり、メンバーの一人である女性が、数十年ぶりにその集まりを復活させる計画を立てたことがきっかけとなったのか、連続殺人が起こる。
メンバーの一人であったストークス少佐は、素人探偵七人会に所属していたころから、偏執的なまでの危機感を抱き行動していた反共産主義者の人間だったが、ひさびさにサークルの会合を計画したフェアロウ夫人から届けられた誘いの手紙に対しても、理解に苦しむ妙な対応を示す。ストークス少佐のことを案じつつ、彼から届けられるという謎についての手紙に興味を持ったフェアロウ夫人は、古い郵便チェス仲間であるフィンに捜査を依頼する。
そうして事件に関係したフィンが、連続殺人事件に発展した事件を解決するという、素人探偵が主人公の本格ミステリ。特に素人探偵というところにこだわりがあるらしく、フィン教授は依頼に関しても報酬を受け取ることはなく、実費を払って貰えればという台詞を口にする。
そのような立場をとっていながらも、警察の捜査に協力した過去の実績を持っているらしく、首席警部ともつながりを持ち、捜査に協力させている。このあたりでフィンの設定が、火村の職業をはじめとする設定のモデルであることが確認できる。
タイトルはこの事件における殺人者のこと。見えないグリーン氏はいったい誰なのか? という謎が解けた時、ああなるほど、有栖川氏が「ちょっと好き」と言っていただけのことはあるなと思った。
ただ、あとがきで鮎川哲也氏が書いているようには思えなかった。犯人は、僕の推理した通りにあの人だったから。久々に犯人を真面目に捜してしまい、本格作品の良さを再確認することができた。自らが探偵の気分になり、楽しむことができる、現実ではないけど、本を読み終わるまではリアルな世界が、本格ミステリなのだろう。
6 件中 1 件~ 6 件を表示 |