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東京の芝・増上寺改葬の際の調査結果。一番気になるのは皇女和宮が胸に抱いていたという湿版の男性像なのですが、調査中に感光してもはや分からなくなってしまったそうで・・・
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さだまさしの歌に、ふたりが化石になって見つかったとしたら、ふたりがかつてこんなに愛し合っていたことに誰か気づいてくれるだろうか…ってな内容の歌詞がありましたが、その曲のことを思い出しました。
徳川家将軍とその正室たち(のうち、増上寺改修の際に調査が入ったひとたち)の、お墓・遺骨調査の結果を報告する本です。内容が読み物っぽくなっている文庫版もあるらしいのですが、敢えて5000円するこっちを購入しました。
初期将軍はワイルドな風貌、後期になるにつれて貴族的風貌に…という様子がわかります。骨の状態から嗜好品や生活習慣も見えてきますが、彼らが何を楽しいと思い、何をつらいと感じながら毎日を重ねていたのか……さだまさしのいう「切ない命のいとなみについて」思いを馳せるには妄想力が★2つ分必要です。私はうっとり妄想。
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最初の方は将軍達はやわらかい物を食べ過ぎて顎の発達が弱いとか面白く読んでいたが、後半は学者的にただただ結果が書いてあって楽しくなくなった。
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昭和33年からの増上寺徳川将軍墓の改葬時学術調査を分かりやすく書いた本。非常に面白かった。
将軍家は庶民と骨からして違うという事にすごく衝撃。
よく時代漫画や時代劇とかで主人公(身分が高い人)は美しいが、モブがやたら不細工だったりするけれど骨格が違うからそれはしょうがないんだ!ある意味的を得た表現なのだ!と良く分からない納得をしてしまった。
学術的な事を分かりやすく、またどんな人物だったかエピソードも軽く書いていてくれるのでありがたかった。将軍の他に正室や側室、大名などもあり、お墓の中に入っている物なども時代によって違ったりするのが興味深かった。
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空襲で荒廃していた増上寺の徳川家墓所を整理・改葬するにあたり、歴代将軍(6人)とその奥さんたち(10人)の遺骨を調査した著者による、一般読者向けの本です。
戦国時代の名残を残していた2代・秀忠から、代々特殊な環境下で生まれ育ったことにより、時代が下るにつれて様々な“小進化”をとげて、将軍たちの骨は特徴的な様相を呈していた、とのこと。
現代の庶民をも越える“超未来タイプ”の顔つきだった、ということらしいです。
8歳で亡くなった7代家継の棺には、9束の女性の髪と、箱に納められた約4000個の爪が副葬されていたとか、言語不明瞭で大岡忠光にしか言葉が聞き分けられなかったと言う9代家重の歯は、歯ぎしりですり減っていた、とか、甘いものが大好きだった14代家茂は、それで命を縮めたとか、興味深い事実が満載でした。
和宮については、失われた湿板写真や、見つからなかった左手首から先など、やはりミステリアスと言うかドラマチックと言うか。
将軍家以外にも、伊達家3代など大名とその家族についても触れられています。
頭蓋骨各部のサイズの比較検証などは少々退屈ですが、歴史をより身近に感じさせてくれる良書。
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芝・増上寺には徳川将軍2代、4代、6代、7代、9代、12代、14代、そして正室、側室38人の墓がありましたが、昭和20年5月の戦災で焼失。昭和33年7月から昭和35年1月の1年半かけて遺骨改葬がなされました。その際の遺体調査をもとに、将軍、正室、側室について骨から明らかになったことがまとめられています。貴重な資料だと思います。鈴木尚 著「骨は語る 徳川将軍・大名家の人びと」、1985.12発行。
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昭和33~35年の増上寺の霊廟改葬事業における総合的学術調査。
著者は、ご遺体の調査研究を行い、その報告書をより平易な内容に
執筆。加えて、幾つかの大名家の遺骨についての研究も加えている。
・プロローグ・・・日本の各時代における身体、特に顔つきの特徴。
江戸時代の庶民と上流階級の顔つきの特徴について。
・第1部 徳川将軍の骨は語る・・・徳川将軍家について。その生活。
将軍家の遺骨。秀忠、綱重、家宣、家継、家重、家慶、家茂。
・第2部 骨に見る徳川将軍の夫人たち・・・正室と側室の遺骨。
・第3部 骨が語る江戸時代大名・・・大名家、家老の遺骨。
尾張家、伊達家、内藤家、水野家、牧野家、久世家。
・エピローグ・・・江戸時代の身体的特徴についてのまとめ。
主な参考文献有り。図版多数。骨・復元図等。
江戸時代貴族という表現が面白かったです。
将軍家、天皇家、公家、それに付随する人々の骨、特に頭蓋骨の
状態に類似点が多く、庶民とは異なっていたという事実。
顔の幅が狭く、高眼窩など、それが夫人の選択にも関係があった
という憶測にも驚かされました。
伊達政宗や徳川秀忠の無骨な姿が、次代からは江戸時代貴族の姿、
軟らかいものが常食であった影響を受けた姿に変容していくのも
驚きです。
また、自分としては副葬品にも注目。
秀忠は種子島銃、政宗はヨーロッパ伝来と思われるブローチや鉛筆、
和宮はガラス板の湿版写真で消えてしまった画像は若い男子の姿
だったという。過ぎし日の想い出のようで、興味深いものでした。
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増上寺の徳川墓地が改葬されたときの記録等。
実際に将軍さまたちやその正室や側室さんたちのお骨の写真が載っており、形質的な細かい調査報告も書かれています。
古い日本人が幅の広い寸詰まりの扁平顔に低い鼻、左右が離れた細い目とカラスのくちばしのような反っ歯だったのに対して、今回の調査対象限定とは言え、徳川将軍家の特に側室さんたちはすべて面長で鼻筋が通った目鼻の整った現代的美人だったというのが面白かったです。
やはり美人が将軍のそばに上がり、お手がついたということで、将軍の正室から後を継いだのは徳川15代のうち家光さんだけだったことを考えると、そういった美人の遺伝子が後に続いていくことで多少なりともそれが徳川将軍家の顔立ちに影響を与えていたというのも「ほぅ。」と思いました。
しかし、公武合体で降嫁した和宮さんの遺体が写真となって公表され、発掘時はメディアが現場に押し寄せたと言うのは時代だな~。
今なら考えられないと思います。
和宮さんについては、あとがきにあった匿名の手紙が興味深かったです。
京都へ下る際に箱根で盗賊に襲われ自害されたというお話。
掲載されている写真を見ると、確かに和宮さんの遺骨はしっかりとした保存状態で出土しているのに、左手首から先はありませんでした。
謎だ…。
仙台伊達家三代のお骨を写真で確認できたことも良かったです。
特に政宗さんのお骨から記録にある骨折の状態が確認できており、骨からだけでいろいろなことがわかるのだなぁ…と思った1冊でした。
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昭和33~35年の増上寺の霊廟改葬事業の際の記録。
写真や図も多く、骨格人類学の観点からわかりやすくまとめられている。
和宮様の改葬時はマスコミが押し寄せて作業に障りがあったというのがなんというか。
写真がどなたのお写真だったのか色々と憶測を呼んでいたようだが
マスコミの報道のせいもあったのだろうか。
自分は家茂公しかあり得ないと思っているのだが。
戦国時代から江戸時代にかけて骨格が変わってくる様子や
庶民と比較しての徳川家の身体の特徴など
非常に興味深かった。
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発掘現場の写真、計測データが豊富で、研究の過程を想像しながら徳川家の人々や当時の庶民の体格・顔立ちを理解できました。
バーコードのない時代の書籍は、たいてい読めなくて挫折するのですが、この本はぐいぐい引き込まれて読み進められました。