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ただの民話を採集した本ではありません。
著者はカルヴィーノ。読む価値有り。
上下巻出ていて、下巻は主にシチリア中心。
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人魚コーラ
なつめ椰子
ツォッポ悪魔
床屋の時計
ジュッファーの物語
ソロモンの忠告
人間に火を与えた聖アントーニオ
が特に興味深かった。なかでも、『床屋の時計』での、太陽を時計と例えて、たくさんの人が時計に問いかける、(太陽と対話する)箇所は、最高に詩的で、文学的で、哲学的だと思った。
民話の特徴として、
庶民に慣れ親しんだモチーフである動物が頻繁に登場すること、
無駄遣いはしない、口は慎む、嘘はつかない、などの教訓的内容が多いこと、
が挙げられるが、この物語でもっとも面白かった点は、イタリアならではの文化の混じり合いだった。
たとえば、シンデレラ風の物語、『なつめ椰子』では、タイトルの通り商人である父が貿易で不思議ななつめ椰子を手に入れる。僕はなんとなくこの父は、当時羽振りの良かったムスリム商人への憧れの象徴なのではないか、と思った。イタリア、特に南イタリアはヨーロッパの南端に位置し、異文化との交流や異文化への憧れも大きかったのではないか。おもしろいな、と思った。
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ハッピーエンドが多くほのぼのした気持ちになれる物語が多かったです。一話づつが短いので空き時間にさくさく読み進められます。
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烏兎の庭 第七部 2.27.22
http://www5e.biglobe.ne.jp/~utouto/uto07/doc/italy.html