投稿元:
レビューを見る
これはSFと言うよりは単なる冒険小説であり作者コナン・ドイルもそう考えていたろう。
しかし外界と隔絶された高地に古代世界の環境がまるまる残っているという設定は「ロストワールドもの」というジャンルにもなり「のび太の大魔境」もそれである。そのアイデア一つで不朽の名作となっており、ぶっちゃけホームズシリーズなんかよりよっぽど…と言ったらシャーロッキアン達が怒るだろうか。
もっとも当時はタイムマシンやら原始時代やらで何とかして恐竜を扱った作品を書こうという風潮があったようで、単にそれに便乗したかっただけなのかもしれないが。
個人的な感想としては主人公が意中の女にフラレるというラストも単なるハッピーエンドとは違ってリアリティあるなとは思うのだが、この女が主人公を袖にした理由がガキの頃は分からなかった。
主人公が自分を放って半年も冒険旅行に出たのが気に入らなかったのか、それとも最初から主人公に気が無かったのか・・・
オッサンになって行間を読むようになるとどうも後者っぽいのだが、それに加えて「女は気紛れで身勝手」というドイルの女性観(想像だが)が反映されてるのかもしれんなあ。