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紙の本
美味そうなご飯を目の前にして
2002/05/31 00:19
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投稿者:隠れ人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
池波正太郎が、自らの過去に結びついている土地や宿を振り返って書いた随筆集である。
本書でもっとも詳細に書かれているのは「食」について。どの話にも当然のように、宿で出される夕食・朝食の献立が細かく載っている。美味しいコーヒー屋があるとか、美味いサンドイッチを買って昼飯にしようとか、土産にはトウガラシの紫蘇巻とか、実に美味しそうに連ねてある。目の前に文字しかないのを恨めしくなるほど、実際に食べてみたくなる。その街に行って、宿に泊まって、ゆっくりしたくなってくる。
昭和54年から2年に渡り、雑誌へ連載されていた本作品。変わり行く時代とともに、旅館やホテル、町並みも変貌しているとある。21世紀の現在、池波氏の泊まった宿は、変わらぬままにあるのだろうか。
何度も出てくる薄焼きパン・ケーキにベーコンとシロップの組み合わせが本当においしそうなので、昔のまま残っていて欲しいものだ。
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