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異色のケミカル・ミステリ。
こういうのができるのは著者が
科学関連に関わっていたからこそ。
ただし犯人はアシモフのSFミステリを読んでいる人には
結構早くにばれてしまうんですけどね。
トリックはケミカル・ミステリに
ふさわしいものです。
なるほどなぁ、と思うことでしょう。
この作風がたまらなく好き。
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アシモフの長編推理小説
「ABAの殺人」に次ぐアシモフの推理小説。作品の順番で言えば、「象牙の塔の殺人(1958年)」→「ABAの殺人(1976年)」の順である。大学の化学系で起こった殺人事件であるが、 描写が極めて細かい。それを専門としていなければわからない部分まできわめて克明に描かれて
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面白かった。めちゃめちゃ面白かった。
最初から中だるみもなく、ページをめくればめくるほど引きこまれた。
それだけに、最後のアレには落胆。えー!「オチ」がここか~。。。
すっごい名作の予感がしたんだけどなあ。いや、悪くはないんだけど、そしてアシモフを責めても詮無いことなんだけど、うーん。うーん。
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主人公はうだつのあがらない大学助教授。専門は有機化学です。ある日、彼の指導していた学生が、実験の最中有毒ガスを吸って死んでしまいます。主人公がそれを発見してしまうところから物語は始まるのですが、化学者であれば誰だって、その現場と実験の内容を知れば、これが事故でも自殺でもないということがわかってしまうという状況です。主人公にも、それは一目瞭然でした。このままでは、第一発見者であり、指導教官である彼が疑われてしまいます。化学者として大した成果もあげられず、いつ大学を追われて失職するかもしれない主人公にとって、心配事は山ほどあるのです。そのうえ容疑者にされたのでは、たまったものではありません。夫であり、幼い娘の父親である彼は、准教授に昇進することで終身在任権を得て、家族が安定した生活をおくれるように努めなければならないのに、すでにそれも望み薄。その上こんな事件に巻き込まれてしまうなんて・・・。
そこで主人公は化学者としての知識を活かし、名探偵のごとく推理力を働かせて事件解決・・・というふうな展開にはならず、うじうじと過ごす日々が続きます。しだいに追い詰められていく助教授の運命やいかに?!
ちなみに〝象牙の塔〟とは、学者などの現実離れした研究生活や態度、研究室などの閉鎖社会を指し示す言葉だそうです。
べそかきアルルカンの詩的日常
http://blog.goo.ne.jp/b-arlequin/
べそかきアルルカンの“銀幕の向こうがわ”
http://booklog.jp/users/besokaki-arlequin2
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ネットで見かけて。
面白かった。
大学の化学部という舞台設定も、
そこに関わる教授や学生たちも、
非常に上手く描かれている。
時代を感じさせる黒後家蜘蛛シリーズとは異なり、
時代を感じさせないみずみずしさがある。
そして、ハッピーエンド好きとしては、
主人公が家庭でも、仕事でも「戦う」ようになれて、良かった。
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象牙の塔とは大学の研究室などの閉鎖社会を指す言葉。本作の舞台は大学の研究室、化学の実験中だった学生が息絶えた姿で発見されたところから始まる。実験中の不注意による事故なのか、自殺なのか、はたまた他殺なのか……。
というわけで、さすが科学者アシモフ。中の人ならではの視点で描かれる大学の昇進とか生徒の指導に対するドロドロ(笑)をドライに描きつつ、ミステリしてました。タイトルの付け方も読み終わったあとに反芻すると、さらに味わい深い……。
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◆◆ ベッドでミステリー ◆◆ 第三十四回
・・・ 第三十四回 「象牙の塔の殺人」 ・・・
アイザック・アシモフの1958年……だからもう60年前のミステリー?
少々古びてみえるのは否めませんが、司書は一度読んどいてもいいと思います。
ある大学の化学棟で院生が実験材料を間違えて、一人実験中に亡くなります。
はじめはみんな事故だと思うのですが、第一発見者で語り手、の万年准教授?
だけは始めからこれは殺人だ、と思います。
みかけはまったく同じ白い粉だけど、匙を突っ込んだときの感触がまるっきり違うんだから、間違えるはずがない……(^o^)。
から始まり、徹頭徹尾科学者の皮膚感覚で書かれていて、へー、こんな風に考えるんだぁ、科学者って……で、特に動機!
門外漢にとっては、えっ?
それで人、殺しちゃうの?
という学者でしかありえない動機なんですが、これを読むと、調べ学習の感覚の1つが ある程度理解できると思うので、手に入ったら一度読んでみて。
2018年10月02日
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ミステリ。化学。
大学の研究室を舞台にした事件。
いつも思うが、アシモフ作品はとても読みやすい。
犯人・動機の意外性、解決シーンの鮮やかさなど、どれもなかなか高水準。良作。